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123話 追い出された四人は


「さて、一旦休憩しましょうか!」


 一通り社交界の振り返りを終え、誰もが大きく伸びをする。


「レオン、あなたのお仕事は今日はもうお終い! あとは婚約者候補さんたちと一緒にいなさい?」

「お、お姉様!」


 そんな眠そうな空気を蹴っ飛ばす勢いで立ち上がるレオン。


「だって貴方去年、私のせいでロクに三人と関われていなかったでしょ?」

「それは、僕が生徒会頑張りたかったし」

「もう充分頑張ったわよ? 生徒会の仕事と婚約者候補さんたちと過ごす時間、どっちが大事なんて比べるまでもないわ?」


 既にレオンを追い出す気満々のようで、シッシと追い払う仕草を、なんというか、第一王女とは思えない仕草をレオンに送る。


「大丈夫よ? 生徒会から脱退させるわけでもないし、貴方もいつまでもセイナから逃げて生徒会に引きこもってちゃダメだしね?」

「うっ……」

「あぁ……」


 忙しくしてた理由って、セイナから逃げる口実だったのか……。


「ほらほら行った行った!」

「……わかりました、お言葉に甘えて今日は早退します」


 生徒会の面々に一礼して「三人とも行こうか」と声をかけて一緒に生徒会室を後にした。



「そういえば、運動部見て回ってたんだったね? すっかり忘れてたわ?」


 生徒会の社交界振り返りに引っ張られ過ぎて本来の目的を忘れてしまっていた。


「あ、そうだ!」


 スーちゃんは何か良いことを思いついたように目を大きく開く。


「部活の見学って昨日から一週間だったわよね?」

「そうだね。それだけの時間があれば全部回りたい人も回れるし、しっかり体験入部も出来るからね」

「ならならーー」


 スーちゃんは僕とシャイナちゃんを抱き寄せ、同時にレオンを見つける。


「明日と明後日と明々後日、レオン様が私たちを一人ずつ案内するのはどうかしら!」

「それ……凄くいい!」


 スーちゃんの提案に僕も目を見開く。


「確かに、そうすれば一対一の時間も作れるわね!」


 シャイナちゃんも嬉しそうに手をポンと叩く。


「僕も賛成だ。去年殆ど時間取れなかったし、話したいことも沢山あるしね」

「決まりね! 順番はどうする?」


 昨日の社交界同様、再び順番決めのターンが回ってきた。


「私はいつでもいいかな? 一緒に回れるなら日にちは拘らないから!」

「じゃあ私が明日貰おうかしら!」


 シャイナちゃんが手を上げて立候補。


「なら私が二日目ね? ヒカリちゃんは明々後日でも大丈夫?」

「うん大丈夫だよ!」

「決まりね!」


 各々割り振りが終わり、今日はもう学園にいる意味がなくなり、ご帰宅ムードに入りだす。



「私はそろそろ帰るわ? 教材も重たいし、ダイアにも勉強教えたいもの!」

「私もそろそろ帰らせて貰います! どうせなら予習したいですし!」

「シャイナは真面目ね?」


 二人は完全に帰る雰囲気だ。


「私はもう少し残ろうかな? 校内見て周りたいし」

「え、ヒカリちゃん大丈夫?」


 シャイナちゃんは結構本気で心配そうな顔をしている。


「大丈夫だよ! 今日は昨日と違って何かあっても人の目が沢山あるよ!」

「確かにそうだけど……」

「なら、僕がついて回ろうか?」


 不安の拭えなさそうな顔をしていたが、レオンが声をあげて問うてみる。


「え、二人出し抜いてるみたいにならない?」


 正直そっちの方が圧倒的に心配。レオンも大事だけど、二人との関係も大事だ。


「私は思わないわよ? ヒカリちゃんが一人よりよっぽど安心だわ?」

「そんなになの……?」


 なんで少し安心した顔になるの?


「ヒカリちゃん、立派になったね!」

「スーちゃんっ!?」


 なんでスーちゃんは親みたいな目線なの?


「安心して二人とも、ヒカリちゃんは何があっても守るから」

「私別に戦場に行くわけじゃ……」


 なんだろうこの……僕ってそんなに危なっかしいのかな……。

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