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118話 運動部の見学


 今日の講義は教材の配布、明日以降の概要だけで、一年は昼前にお終いだ。


 そして、一年に部活の体験をさせる名目で二年以上も同時に終わっている。


 要するに昨日の昼食〜社交界の時間と同じだ。

 まぁ今日は社交界なんてないんだけど。



「シャイナちゃんは平民服研究部行くの?」

「うーん、今日はいいかな? 他のところも見たいし」

「じゃあ私について来てよ! 運動している部活動回って見たいわ!」


 昨日はシャイナちゃんが目をキラキラさせていたが、今日はスーちゃんが目を輝かせている。


「スーちゃん運動好きなの?」

「いいえ? 昨日室内の部活動だったから!」

「なるほど」


 確かに昨日は室内の文化部中心だったし、ある程度全部見ておきたい。


「じゃあ運動部見て回ろっか!」

「『うんどうぶ』? 外の部活は運動部って言うのね! 三人で運動部見て周りましょう!」


 そっか、学園に入学したばかりだから『運動部』とか『文化部』って言葉自体初めて聞くんだ。


「文化部も良いけど、運動部も楽しそうよね?」

「ね?」


 シャイナちゃんはお兄様のブラインさんから色々聞いているのか、運動部や文化部で通じてそうだ。



「ねぇ、ヒカリちゃんは部活何入るか決めてるの?」


 三人で話している中、リョウが話に入ってきた。主に僕に対してだけ入ってきた!


「えっと……まだ決めてなくて……」


 そもそも前世ですら部活動に入ってなかったし、一ヶ月後の王妃教育次第では入れない可能性もある。


「そっか……決まったら僕にも教えて欲しいな?」

「えっと、気が向いたら……ね?」


 出来れば教えたくないなぁ……。


「ヒカリちゃん行こ?」

「うん! えっと、それじゃあね?」

「うん、またね!」


 適当に挨拶してスーちゃんとシャイナちゃんと一緒に教室を出る。



「し、しんどい……」

「ヒカリちゃん厄介なのに目つけられたね?」


 スーちゃんが同情するような声で顔を引き攣らせている。


「実は昨日スーちゃんがレオンと踊ってる時にも……ね」

「あれはちょっと酷いよね?」

「何かあったの?」


 丁度スーちゃんが踊っていた時に起きたリョウの出来事をスーちゃんにも話す。


「うげぇ〜」


 そしたら舌を出して露骨の渋い顔を作った。


「凄いよね? たった二日間でこんなに印象って悪くなるんだね?」

「あれは例外よ!」


 奪い取るために無茶してるなら辞めた方がいいし、素でやってるなら性格見直した方がいい。





 三人でグラウンドに出て、運動部の様子を見る。


 とてつもなく大きなグラウンドで行っている部活動は、前世で見慣れたサッカーや陸上の他、ローラー靴を使ったアイスホッケーの地上版みたいな競技のような、見慣れない競技も存在していた。


「なんか、面白そう!」


 前世では運動部を見ても『しんどそう』しか感じなかったのに、今の僕は無意識にそう呟いていた。


「ヒカリちゃん運動出来るのぉ?」

「で、出来るよ!」

「本当にぃ?」

「本当だよ!」


 スーちゃんのわざとらしい挑発に乗っかり、いそいそと三人で一番近くの運動部だった『サッカー盤』部に向かった。


 何故サッカー『盤』なのかも気になったしね。



「こんにちは? 少し見ていってもいいですか?」


 シャイナちゃんがマネージャーらしき人に臆せず話しかけてる。


「新入生? 可愛い三人組だね! 勿論だよ!」

「やりたくなったら体操着も貸してあげるからね!」


「やった!」


 なんか、久々に『公爵家だ!?』とか『あれが噂の〜』とか言われないだけでもテンション上がるな。



 そして、そんな僕ら四人を校舎から見つめる人が一人いた。

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