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99話 大集合


「やばいどうしよう、このドレスで大丈夫かな!」

「ヒカリ、落ち着きなさい! ドレスじゃなくても良いわよ!」

「だってお母様! 皆んなくるんですよ! スーちゃんもシャイナちゃんもレオンも! 皆んな来るのに変な格好なんて出来ない!」

「レオン様の入学祝いの時と対して変わらない顔ぶれじゃない!」


 レオンが主催した入学祝い当日。


 僕はあまりに楽しみ過ぎてじっとなんてしていられなかった。


 メイ様と買った服でドタバタすること一時間。


「来た!」


 正面玄関のベルが鳴り響き、僕とお母様で馬車に乗るレオンを迎えに行く。


「ヒカリ、久しぶり?」

「レオン、久しぶり!」


 お互い軽く手を振り、簡単に挨拶を交わす。


 ゆっくり馬車を降りるレオンだったがーー


「おっとと!」

「きゃっ!」


 思わず足を滑らせ、転ばないよう支えたら、軽く抱きつき合う形になってしまった。


「ごめんヒカリ、大丈夫?」

「わ、私は大丈夫、です」


(や……やばい……)


 久しぶりに会った思ったらこれか!


 もう前世が男なんて関係ないほど女性に馴染んだ僕には結構クリティカルだぞ?


「でも、ちょっとだけラッキーだったね?」

「なっ!?」


 この人たらし! 何がちょっとだけラッキーだ!?



「ちょっと早くどいてくれない? 俺降りれないんだけど!」

「わわっ! ごめんなさーー」


 まだ馬車に人が乗っていたらしく、急いで退こうとした時、中にいた人と目が合ってしまった。


「げぇ……ユアン様」

「おい! 王族に『げぇ』はないだろ!」


 ユアン様も侯爵との一件以来会っていなかったが『げぇ』って言ったのは本当にごめん。


「ヒカリちゃん、ユアンには冷たいんだね?」


 更にもう一人声が聞こえた。それもとっても聞き慣れた大好きな人の声が。


「アリアちゃん!」

「久しぶりヒカリちゃん!」


 ユアン様の奥に座っていたアリアちゃんが手を振ってきた。超可愛い!


「ユアン様早く降りて! アリアちゃんが降りれないでしょ!」

「この女毒強くね!?」

「初対面で口説こうとしたお兄様が悪い」


 レオンはしっかり味方してくれている。


 まぁ侯爵の一件の時に許したんだけど、ネタ札として使えるから暫くは弄れそうだ。


 そんなわけでユアン様とアリアちゃんが馬車を降り、全員降りた。


 と思っていたがーー


「ヒカリちゃん、久しぶり?」

「え……へ!? 王妃様!?」

「ちょっと気配隠し過ぎたわね?」


 王妃様ことトワ様まで乗っていた。本当に気づかなかった。


「さて、二台目のお客様も待ってることだし、馬車を停めないとね!」


 軽い足取りで馬車を降り、御者に指示を出して馬車が移動していく。


 そして、二台目の馬車が正面玄関に止まる。


 中から出てきたのは、白髪がよく似合う大切なお友達。


「ヒカリちゃん久しぶり!」

「シャイナちゃん久しぶり!」


 たったっと馬車を駆け下り手を取り合う。


「会いたかったよシャイナちゃん!」

「私もよヒカリちゃん!」


「レオンも久しぶりね?」

「久しぶり、中々会えなくてすまない」

「良いのよ! お兄様から色々聞いているもの!」


 再会を喜び合う中、もう一人馬車から降りてきた。


「よいしょ! 久しぶり、覚えてる?」

「確かシャイナちゃんのお兄様の……ブライン様?」

「正解! レオンに会いにきたつもりだったけど、ユアンにも会えるとはな?」

「ほぼ毎日あってるだろ!」


 ユアン様とブラインさんは友人らしく、話が弾み始めてる。


「お兄様、ブラインさん、話す前に取り敢えず馬車を避けましょ」

「おっとそうだな」


 レオンの呼びかけに応じてブラインが御者に指示を出して馬車が移動していく。



 そして最後の一台が正面玄関に止まる。


 陽気に『バタン』と扉が開き、誰が降りてきたか確認する前に馬車を降りる。


「シャイナ、ヒカリちゃん! 久しぶり!」

「スーちゃん!」

「スーちゃん久しぶり!」


 勢いのまま僕とシャイナちゃんに抱きついて来たスーちゃんことスティアちゃん。


「スティア、久しぶり」

「レオンも久しぶり! 会いたかったわ!」


 気付けば庭は活気に溢れており、錚々たるメンバーが集まっていた。


「あれ、アリアちゃん、カルラくんは?」

「あぁ……カルラはね、レオン様が来るって知って、拗ねたわ?」

「あはは……」


 まぁ言ってしまえばアリアちゃんも招かれざる客だけど、カルラくんは……今度会いに行ってあげよう……。


「そうだ、もう一人紹介したい子がいるのよ!」

「「もう一人?」」

「大丈夫よ、おいで?」


 スーちゃんが馬車の中に手招きする。


 すると、コウくらいの幼い子がオドオドしながらゆっくり降りて来た。


「シャイナちゃん、誰か知ってる?」

「ううん、知らないわ?」


 シャイナちゃんでも知らないなら、きっと誰も知らない人だ。


「紹介するわ!『ダイア・オーラライト公爵』よ。最近養子縁組を組んだばかりの『新しい弟』よ!」

「…………え?」


「「ええええぇぇぇぇぇぇ!!?」」


 僕とシャイナちゃんとレオンは、揃って大声を上げたのだ。

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