表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ!第三章  作者: 冠 三湯切
パート2、『この異世界よりそれぞれの道を探して』
88/239

一兆編 第一話 ニューゲーム

第二部の最初の話は一兆編から、


一兆は、トクとの喧嘩別れの後、このままではダメだと新たな仲間を手にしようと考える。


そんな中、俗にギャングと呼ばれている集団の事を耳にする。この世界のギャングは世界各地の少年たちにより、世界各地で根を張り、行動する所謂半グレ集団。


自身もまだ、子供であると自負する一兆は、その子供たちによる裏社会に足を踏み入れ、そしてその全てを傘下に収め一つにするべく、今、何もないゼロから新たな色を探す物語が始まる。

 フロンティア ここは東雲組のアジト。


 三上がここを発ち、少し時が流れた。グレイシアはまだ目を覚ましてはいない。

 

 「さて、三上の奴は今頃どうしてんだろうな」


 俺は特に話題も無かったので適当に呟いた。


 「さぁな、あいつは何がしてぇのか分かんねぇが、何かはしようとしてるのは確かだろうな」


 確かにそれは言えてる。メリーヌからちらっと聞いた話じゃ、前に腹ん中に爆弾突っ込んで中央を爆破しようとしてたらしいしな。ま、真相はアウロの連中を騙くらかす為に一芝居売ってただけらしいが、それでも、でけぇ賭けに出たもんだよ。


 今回もなにか、とんでもねぇことを考えてそうな雰囲気だったしな。


 「そういう感じか・・・」


 俺はよいしょっと、椅子から立ち上がった。


 「ん?どこか行くのか?」


 「そろそろ俺の方も行動開始するかと思ってな。ちとアウロの対抗手段を手に入れてくる。小町、あんたら東雲組はあくまでも裏組織だよな」


 「あぁ、自警団を謳っちゃいるが、武器密輸とかやべぇこともやってるのは認めるよ」


 「それでいいぜ、それで一つ聞きてぇ。ここには東雲組意外に裏組織はどんだけある?」


 ここの世界の裏組織、どこにだってあるはずだ。地域を仕切るマフィアやヤクザのような組織が。


 「ここフロンティアにはうちらしかいねぇ。まぁここ自体が無法地帯だからな。勢力的にはセレスあたりまで規模を伸ばしてるが、なんだかんだ別組織ってのは聞いたことがねぇな。あるとしたらアダムス連合の暗殺部隊だのだが。あ、そういや最近若い連中でそう言った組織を作ってるってのは聞いたな」


 「へぇ、意外だな。俺たちの世界じゃ、色んな組に分かれてるってのに。こっちじゃ裏組織と言えるのがあんたらぐらいなんだな」


 「と言うより、裏もへったくれもしばらく三上の圧政で、出来ようもなかったって感じだ。あったとしても、アダムス内の反逆者たちと言ったレジスタンスだ」


 成程、裏社会を唯一動かせていたのはこいつら東雲組だけだったって事か。困ったな。


 「ん?でも、最近若い奴らで組織が出来てきたって言ってたが、そいつらは?」


 「あぁ、ガキだけで集まって悪さしてる集団だよ。けどな、ここ最近暴力的になって来たっつーか、組織的になって来たっつーか、確かあんたらの世界の言葉で自称ギャングとか言ってたな。でもまぁ、ガキの悪ふざけだ。そうアウロが気にするような感じでもねぇだろ」


 「いや、十分だぜ小町!!」


 俺はしめた!!と言わんばかりに指をパチンと鳴らした。


 「小町は大人だから分かんねぇだろうけどよ。ガキってのにはガキなりに独自の世界っつーもんを持ってんだ。意外とそう言う奴らの闇は深いもんでな。大人から見たらただのガキの喧嘩でも、ガキどもにとっては世界の命運を賭けたレベルの戦いをしてんだぜ」


 「そうなのか?」


 「それに、俺が探してたのはそう言う組織たちだ。俺はそのギャング共を一つにまとめ上げる。この世界も向こうの世界も、結局はゲーム。俺のレベル上げはここまでだ。そろそろストーリーを進めるとしようかねぇ。こっからは世界征服を目論む、この俺の快進撃のはじまりはじまりだ」


 「へぇ、面白そうじゃねぇか。確かにうちは大人だからな、ガキの世界に介入出来ねぇけど、おい!!コダマ!!いるか!!」


 小町は誰かを呼んだ。


 「へ、へい!!若頭!!どうしたんですか!?」


 やって来たのは、ちょくちょく小町に制裁を喰らっていた男。確か名前は新道 小玉(しんどう こだま)だ。


 「お前たしか、あのギャングとか言うやつの事少し知ってたよな。だから少し手伝ってやれ。これくらいの手伝いはさせてもらっていいか?イッチー」


 「助かるぜ。俺としても、どこにどんな組織があるのか分かってねぇ状態でいきなりカチコミは出来ねぇからな。こいつ少し借りるぜ」


 「あぁ、こき使ってやんな」


 「え~・・・いきなりなんなんすか、俺やるとも何も・・・」


 小玉は嫌そうに肩をだるーんと落とした。


 「ぁあ゛?文句あんのか?」


 「いえ!!なにも!!やります!!」


 小町の威圧で小玉は縮こまり、しゅっと背筋を伸ばした。


 「よろしい、聞き分けのねぇ奴は嫌いだ」


 「さてと、じゃあさっそく行くとするか」


 「ふっ、少し寂しくなるな。ボスはあんたの事気に入ってたんだが、ま、仕方ねぇな」


 「俺としてはすっげぇ疲れたけどな。まぁいいか、それはそうとグレイシアが起きたらよろしく言っとけ」


 「任せな」


 俺たちはこうして旅に出た。


 


 フロンティア 砂漠。


 俺はグレイシアの車を勝手に拝借して乗り回している。


 「あんた、ギャングについて知ってんだよな」


 俺は小玉に質問した、乗っていてもまず目的地を決めなきゃ意味がねぇ。小玉はさっきまであんなにいやそうだったのに今はもう既に馴染んだ感じで答えた。


 「知ってるつっても、首は突っ込んだことねぇよ、とりあえず俺の知る限りじゃ、セレスやここフロンティアの一部を取り仕切ってんのは『レッドベアズ』ってグループだ。なんでもリーダーのコーキって奴は十四歳って話だが、真っ赤な髪の十四歳らしからぬ巨漢らしい」


 「ふーん、そこ近いの?」


 「まぁ、根城がどこかなんざ知らんけど、ここら辺仕切ってんならここら辺だろ」


 「よっしゃ・・・」


 俺はギアを入れ加速する。


 「な、なぁ・・・さっきから薄々思ってたんだけどさ・・・お前、何するつもり?」


 小玉は声を震わせ、恐る恐る俺に質問を投げかける。


 「カチコミ」


 俺は答えた。何をこいつはビビってんだ?さっきからその方向で話を持って行ってんだが。


 「マジ?」


 「マジ。言っただろ?俺この世界乗っ取りに来てんだ。ガキどもの世界は弱肉強食。特にヤンキー、いやギャングはそれの典型だ。強ぇ奴が上にのし上がる。分かりやすいゲームじゃん」


 「はー、だからといって一人でやる気かよ」


 「いいじゃん別に、俺強いし」


 俺は何食わぬ顔で更に車を加速させた。


 「俺、この先大丈夫かなぁ・・・」


 小玉がなにやら心配してるみてぇだけど、どうでもいい。大体こういった所に拠点があったりするんだよなぁ。


 俺は、恐らくそのレッドベアズとやらが居そうな場所に辿り着いた。かつては街があったんだろうなと思われるが、そのほぼ全てが砂に覆われている。


 しかし、その中でも辛うじて形を保っている建物がぽつんとある。いるとしたらここだな。


 俺はすたすたとその建物に足を軽やかに伸ばしていく。


 「え、ちょ!何してんの!!」


 「だーから決まってんじゃん。たーのーもー!!」


 俺はドアを蹴飛ばし、中に飛び込んだ。その中には十代そこそこの連中が何やら屯っている。そして俺を見るや否や警戒信号を点灯させた。


 「なんじゃてめぇらは、ここがどこだか分かって来てんのか?ぁあ゛!?」


 その中でツーブロックカットの男がまず俺にメンチ切って突っかかって来た。


 「あー、単刀直入に言っちゃうとさ、俺はここのチーム乗っ取りに来たからさっさとボス出してくんね?」


 俺は何もかも包み隠さず、必要最低限な事を述べた。


 「おいおい、いくらなんでもいきなり馬鹿正直すぎだろお前・・・」


 小玉はあきれ果てたような目で俺を見る。


 「そうか?俺は嘘つくのが嫌いなだけなんだけどよ」


 「馬鹿かてめぇ、このレッドベアズを知らねぇのか?どこのチームのもんだか知らねぇが、生きて返す訳にゃいかねぇな。てめぇら!!この馬鹿どもに俺たちの恐ろしさ教えたれや!!」


 この男の掛け声で、周囲の奴らはバットやら鉄パイプやらを持ちだした。どうやらこいつボスではなさそうだがこのチームでそこそこの立場の奴らしいな。


 「おうおう、しっろい肌しちゃってよ。てめぇ中央のもんだろ。歯もきれーいに並びやがって、ムカつくんだよ都会民!!」


 俺を囲んだ中で、最年少であろうガキが俺に罵声のようなものをかけてきた。


 「なぁあんた」


 「あ!?」


 「名前はなんて言うんだ?」


 俺はそいつに名前を聞いた。


 「は?そんなのお前に何の関係あるんだよ?」


 「いや、観察力あると思ってな。肌の色ならともかく歯の並びを今のやり取りで見るなんてお前そこそこ見どころあるなと思ってよ、見た所小柄な体型の割には一番前に立っている。だがそれは無理やり立たされてる訳じゃなく自分の意志でそこの立ち位置を選んでいる。お前ケンカそこそこ強いだろ」


 「あたりめぇだ!!それにそこそこじゃねぇ!!俺はレッドベアズの切り込み隊長、トラマル様だぁ!!」


 そうか、こいつの名前はトラマルって言うのか。ふむふむ。小柄な分素早い。鉄パイプの振り方も手馴れている。ケンカの使い方だ。馬鹿は加減も知らず殺す勢いで振り回すが、こいつは人が死なない程度の振り回し方を知っている。


 「でもな・・・」


 「へ?」


 俺は少し大振りになった瞬間に前に飛び出し、頭を手でつかみそれを支点に俺は上に飛び上がった。そしてトラマルの背後にくるっと回ると同時に蹴りを喰らわせた。


 「すとらーいく!!」


 「ぬぎゃ!!」


 トラマルはきれいにすっ飛んでいき周りにいる数人を巻き込んで倒した。


 「ちっちっち、言ってなかったけど、俺結構強いぜー」


 「う、嘘だろトラマルさんがこうもあっさり・・・」


 「うにゃぁ・・・」


 俺を取り囲んでいた連中が今のだけで大分腰が引けた。さて


 「おっとぉ!?」


 その中でも、やたらとキレのある動きで俺に攻撃を仕掛けてきた奴がいる。俺はすんでのところでそれをかわす。


 「情けねぇな、油断しすぎだ馬鹿どもが・・・」


 こいつは最初に俺にガン飛ばしてきた奴だ。


 「あんた、名前は?」


 「覚えておけや、俺の名はワニム。てめぇが最後に聞いた人間の名前だぁ!!」

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ