シークレット 彼らの陰謀
『時間凍結許可申請、受領しました。少々お待ちくださいディエゴ アンダーソン様』
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『お待たせしました、入場を許可します』
ディエゴは薄暗い部屋のドアを開けた。ゆっくりとした足取りで彼は中に入る。
中に入るとそこにはただ薄暗いだけの空間が広がっていた。
彼がその部屋の中心に立った時、ディエゴの周りに人の影が浮かび上がった。ホログラムでできた影だ。
『此度の任務、失敗したようだな・・・ディエゴよ』
「申し訳ございません、まさかこの世界があそこまで反乱を起こすとは、我々も予測できなかった事でしたから」
『三上 礼・・・全ては奴の思わく通りに運ばされていた、そう言う事だな』
「言い訳に聞こえるかもしれませんが、その通りです」
『構わない、お前の処遇も今回は見送ることにした。奴をそっちの世界に招くように指示を出したのは他の誰でもない、うちのボスだからな』
「・・・一つ問いたい、三上 礼とは一体何者だ。そして、指宿 永零についても・・・」
『答える事は出来ん、それに指宿 永零については我々も把握していない。全てを知っているのはボスだ』
(・・・ボスは何かを知っていると言うのか。三上 礼と指宿 永零。二人の能力は似ている・・・俺のまだ戻らない記憶を探る為にも、奴らの秘密を知らねば・・・)
『質問は以上か?』
「はい」
『ならばこれからの任務を言い渡す。ディエゴ、此度の戦闘でそっちの世界の戦力は一気に上昇を果たしてしまった。これは由々しき事態だ、そのうち戦力を覆されかねない、そこでだ、ボスはあの計画を実行に移す許可を出した』
「っ!!」
『プロジェクト・マキシマ。現在開発中のこの計画、それを完成さよ。ディエゴ アンダーソン』
「その計画・・・完成させるという意味をお分かりですか?」
『あぁ分かっているとも、どのみちこのプロジェクトは完成させねばならない必要な事項であった。究極の存在を生み出すこの計画をな。どうした、怖気づいたか?』
「いや・・・そうじゃない、待っていたのだよ、その言葉を!!」
ディエゴはにやりと笑った。
『こちらからの報告も以上だ。これにて失礼するよ』
ディエゴの周囲からは人影が消えた。ディエゴは最後の人影を消えたことを確認すると振り返りドアに戻った。だが、
『少し待つのです・・・ディエゴ』
「・・・ボス、ですか?」
『そう、私だ。ディエゴ』
ディエゴはもう一度振り返った。そこにはやはり誰もいない、声だけが聞こえている。しかし、その声はまさにディエゴの目の間にいるかのようにはっきりと聞こえていた。
『少し怯えていますね・・・思い出したはずなのに、記憶がまだないと言うのはやはり怖いものですか?』
「分かりません、不思議な感覚です」
『そうか、それが不安というものですよ、ディエゴ』
「そう、ですか・・・ボス、プロジェクト・マキシマ。許可を出したというのは・・・」
『本当です。まだ未完成ですが、彼を・・・レイを倒すには、それが最も適しています』
「ボスはやはり、三上を・・・あいつは、一体」
『敵、世界を、真の平和を脅かす真の敵。だからこそこの世界に送り込みました』
「真の平和を脅かす者・・・ですか」
『そう、レイはただの人間ではありません・・・彼には全てを支配する力がある。生まれつきの天性の力、それが覚醒するのはもうすぐの筈です。その前に倒さなければなりません、わたくしの目覚めも、もう少しですから・・・』
「了解しました、全てはあなたの、そして俺の真の平和の為に」
声は聞こえなくなり、ディエゴはもう一度振り返り強く拳を握り外へと出た。




