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平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ!第三章  作者: 冠 三湯切
パート1、『この異世界より平和への旅路を行く』
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オーギュスト 追求

 エルメスの暴走に加えアーサーが突然殺された、そしてそれと同時にメリーヌがオーギュストの前に現れる。

 俺は今中央地区のある病院に来ている。エルメスが搬送されたとされる病院だ。


 ユゥロとはあれ以降会っていない。今はそっとしておくのが一番なのかもな。それで俺はというと捜査の再開だ。アーサーが何を知ったのか、あの本の秘密は何だったのかを調べている。


 そこである疑問が浮かんだ。エルメス アダムスの事だ。俺と彼女は共に行動していた。その間に特に変わったことなど無かった。だが、ここに戻り、俺と別れた後すぐだ。エルメスは実の父親であるアレックスに刃を向けた。


 この件と、アーサー殺害の件、何か繋がってるんじゃねぇかと踏んでここまで来た。


 今はエルメスとの面会は拒否された。病院の奴らの話だと体の方に特に異常はないと言っている。だとしたら理由はあれしかないな・・・


 さてと、本題に入ろうか。俺が何のためにここに来たのか。エルメスに会うためじゃねぇ、俺の目的は・・・


 「アレックスさんよ、もうちょい詳しく話を聞かせてくれねぇか?」


 「あぁ、私の知っている限りの事を話そう・・・」


 俺の目的はアレックス アダムスの方だ。こいつだけだ、イレギュラーだったのは。本来エルメスがここに来たのは王の不在を補うため。


 だが、アレックスはそのエルメスから依頼を受け、ここに来たと言う。俺はエルメスと共にここまで来た。だからアレックスの言っている事は不自然極まりない。しかし、嘘を言っているようでもない。


 だとしたら有り得るのは、エルメスを語った誰かがアレックスをここへと呼んだ。一体誰が・・・可能性が高いのはメリーヌだ。


 でもあいつは、逃げる間際に不思議な事をぬかした。「標的はエルメス」だった。つまり、奴にとってもアレックスがいたことは計算外だったって事だ。


 では誰が?あそこは光の影響を受け電気機器類は使えない。それなのにも関わらず通話が出来たのは、あの光に対策を施した電話があそこにはあったという事だ。もちろん俺たちの世界はあの光の正体すら知らない。知っているのは・・・別の世界の彼ら。


 既に彼らは、この中央地区に侵攻を開始しているという事か?見えない水面下で着実に。


 それが俺が今行き付いている推理だ。



 



 「ほぉ、それでエルメスちゃんはあんたに刃を向けたと」


 「あぁ・・・今だに信じられない。あの時のあの子の顔は、まるでかつてのゼロを見ているようだったよ」


 「そうか。ありがとな、こうなった原因はちゃんと突き止めてやる。安心しな」


 とりあえず、アレックスからはこれ以上の事は聞けねぇか。


 そう言えば確か彼らの中には記憶を改変できる奴がいるとか言っていたな。だがあいつはここには姿を見せていない。エルメスの記憶を変えていたとしても妙に納得がいかねぇな。

 

 


 

 待てよ・・・逆か? エルメス以外の記憶が変えられているってのか?


 だとしたら!!奴がいない説明がつく!!奴は・・・ディエゴはここにいたんだ!!


 「ご名答、オーギュスト ドラセナ君。そう、ここにいる全員の記憶を変えたのは俺だ」


 いなかった奴が突然俺の後ろに現れた。


 「・・・おいおい、こいつぁまた随分とタイミングのいい登場だな?え?ディエゴさんよ。お前のタイミング、まるで近くにいれば記憶は探れるみてぇな感じだなおい・・・」


 「凄いな、たったこのやり取りでそこまで考えたのか・・・そう、君の予想通り、この世界の()()()()()ならば触れなくても記憶を見る事が出来る。何なら、触れなくても改変は可能だ」


 「って事は、ここの中央地区はもう真っ黒、全員てめぇらの下になっちまってるって事か。それがお前らのやり口って訳ね。自分の手は汚させない、尻を誰かに拭かせるってか?」


 「そうではないよ。これには色々と訳があってね、とりあえず今はここの人間に下手に動いてほしくないのだよ」


 「ほぉ、って事は俺も邪魔だから俺の記憶も変えるってか?便利な能力だな全くよ」


 「君の記憶は変えたりしないさ。考えたまえ、何故俺が君の前に普通に姿を現したのか。魔法族でない君ならば俺が正体を出す前に記憶は改変できるんだ」


 「・・・俺に何かやれってか?残念だったが俺は今絶賛依頼実行中なんでね、後日よろしく頼むわ」


 俺はスタスタと歩き出した。


 「そうじゃないよ、問題は君の依頼の事なんだ。三上 礼君の真実を暴く。それが君の依頼だろう?」


 「知ってんのか?」


 俺は足を止めた。


 「全てを知っている訳じゃない。三上 礼君は組織としてもまだ不明なところが多いんだ。彼を知る事は、この世界の事を知ると同じ事。いや、もしかしたらそれ以上かもしれないね」


 そう言う事か、あの手紙も俺たちを煽るためにこいつらが送り付けてきたって事だな、


 「は、にしても回りくどい組織だなてめぇらは、わざわざビーン・ムゥの名を語って依頼を寄越すなんてよ、普通にきやがれってんだ」


 「ビーン?一体何の事だ?」


 「は?とぼけんな、こいつはてめぇらが・・・・」


 俺はあの手紙をディエゴに見せつけた。そして分かった。このとぼけた顔・・・こいつはこれを知らない。


 「・・・そう言う事だ。三上 礼君を知るという事の意味。分かってくれたかい?謎が多すぎるんだ、この世界は。突き詰めれば、ニヒル アダムスの事にも行き付けると俺は踏んでいる。


 君と俺は確かに敵対関係する運命かもしれない。だが、これだけは言わせてくれ。俺は決して君を敵とは思わない」


 全く、こいつのせいで余計に訳分かんねぇ事になって来たな。正義と悪みたいに単純にはいかねぇのかよ。


 「そうだ。だったら君に少しこの世界の秘密を教えようか、この世界にある魔法族は、ニヒル アダムスから生まれた子供たちによって始まったとされている。それはこの世界でもう当たり前の事として周知されているが・・・わずか520年でどうしてこんなにも魔法族は広がっている?」


 ディエゴはそれだけ言って姿を消した。いけ好かねぇ。いけ好かねぇけど・・・俺の中の探求心が一気に掻き立てられた。クソッタレが!!


 



 俺は早速そのことの調査に入った。ディエゴの良いように使われてる気がするのは癪だが、今はこの探求意欲が抑えられねぇ。にしても、なんで今までずっとこの事に疑問を感じなかったんだ?


 ニヒル アダムスの子が魔法を受け継ぎ今に至るって考えはいくら何でもおかしい。ニヒルは何人子供を産んだんだ?って話だ。


 そうだよ、俺たちはこの世界の事を知らなさすぎる。特にこの世界の成り立ちだ。ニヒル アダムスはこの世界に降り立ち、技術を教え、文明を一気に発展させたとされているが、普通に考えて一人の人間がそこまでやれるのか?


 そして子供は一体誰の子だ?ニヒル アダムスで知っている事は女性であるという事ぐらいだ。だから夫となる男がいるはずなのに、どこにも上がってこねぇ。


 俺は今あらゆる家系図を調べていた。特に魔法族を重点的にだ。


 だが、あるところで家系はプツンと切れている。


 始まっているのはニヒル アダムスがこのアダムスを作った二十年後、それまでの記述は一切ない。それどころじゃない。そのほかの事象もその二十年後からしかないんだ。


 これじゃまるで、ニヒル アダムスが現れた当時にはまるで人類が存在しないような感じじゃねぇか。


 ディエゴはこれを言いたかったのか。ミカミはそこから何か掴んだ?


 魔法族と普通の人間の違いは一体なんだ・・・ニヒル アダムスは子に魔法を与えた・・・


 魔法を・・・与える。





 駄目だ、ここが一番重要な気がすんのに、ぜんっぜん分かんねぇ。ここじゃ資料が少なすぎるか。くそ、アーサーの持っていた本、あれにもしかしたら答えがあったかもしれねぇってのに!!


 まぁともかくだ。これではっきりしたな。全部が全部つながっている。関係ねぇ小さな事件も、どこかで何かにつながっている可能性がある。


 こりゃ本腰入れてやらねぇとな。三日三晩徹夜コースだこら。


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