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平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ!第三章  作者: 冠 三湯切
パート1、『この異世界より平和への旅路を行く』
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桜蘭 試練を超えし物は、新たな力を得し者

 桜蘭は森を進み、能力を駆使してノームと出会う。

 にしてもでっかい象だなぁ・・・シルフとは違うけどこいつもまた他とは一線を画す感じがすっげぇ感じる。


 「僕の試練、早速受けますか?」

 

 「は、はい!!お願いいたします!!」


 俺は頭を下げてお願いした。


 「僕相手に頭下げる事は無いですよ・・・僕は四精霊の中じゃ一番弱いですから・・・」


 み、見た目以上にこいつ結構 謙遜してるっていうか、シルフと違って控えめなんだな。


 「そ、そんな事ないッスよ!佇んでるだけで凄い威厳あるじゃないッスか!!」


 俺は何故か持ちあげたくなった。


 「そうかなぁ・・・ウンディーネさんは怖いし、サラマンダーさんは僕じゃ手も足も出ませんよ。シルフさんもウンディーネさんには頭が上がらないんですから・・・」


 シルフが頭を下げるって、全く想像つかねぇな・・・ウンディーネってそんなヤバい人なの?それよりも若干その頭下げてるシルフって見てみたい。


 「まぁ、僕はそんな事どうでもいいですけどね。では試練を言いますよ。内容は簡単です。僕をここから動かしてください。それだけでいいですよ」


 へ?こりゃまた簡単な事を・・・って違うな。シルフの時でもただ一回避けろってだけなのにあんなに苦労したんだ。こいつを動かすのは並大抵の事じゃないな。


 とはいっても、どう動かそうか・・・動物の力を借りようにもここには他に誰もいない。コウモリすら飛んでない。ノームとリンクしたところでどうするんだって話だし。


 「おりゃああああああ!!」


 とりあえず全力で押してみた。


 「なにをやってるんですか?それで動かそうというのなら、無駄だと思いますよ」


 「ッスよね~」


 「やるのなら、全力でやらなきゃ駄目だと思います」


 全力で・・・そんなら、これならどうだ!!


 俺は全身全霊、最大威力をもってノームに電撃を放った。覚醒の影響が更に現れたようで前よりも大分威力が上がっている。


 「・・・肩こりに効かせるには足りないですよ?でも、少しは軽くなった気がします。ありがとうございました・・・ですけど、なんでこんなこと始めたんですか?」


 「い、いや~、ほぐれた拍子に動かないかな~って」


 普通に電撃くらわして、衝撃で動かそうとしてました。だなんて言えねぇ~・・・あんなに全力でやったのに肩をほぐす程度もないのか・・・


 「そうですか・・・しかし、これでは僕は動かせませんよ。外からじゃなくて中から動かさないと僕は動きませ・・・あ」


 あ、めっちゃ大ヒントというか、ノームは答えを口走ってしまった。そうかそうか・・・


 「んじゃ!!!行くッスよ!!!っ!!!」


 「あらら・・・やってしまいました」

 

 俺はノームを1歩、2歩と1そのまま歩かせた。


 「どぅわっ!!!!はぁ・・・はぁ・・・。どうッスか!!!」


 「・・・僕が口を滑らせたから、一旦全力で阻止しようとしたのに、僕を10歩も歩かせたなんて凄いですよ」


 そうだ、俺はまだ俺のこの能力を完全に引き出せてはいなかった。俺のこの能力は言うなれば動物を支配すること。


 ただ動物たちと会話したり、意識を共有するだけじゃなかった。本当の能力は支配だ。動物たちの体を乗っ取り、思い通りに動かす能力。これが俺の能力だった。


 「だけど・・・10歩動かしただけなのに、また鼻血が出ちゃってるッス」

 

 だけど、まだ俺の能力は完璧というには程遠い。


 「本来であれば、1歩歩かせることで試練はクリアでした。それを四精霊である僕を10歩ですから、自信持っていいですよ」


 そ、そこまで言われると照れるなぁ・・・でも、今回は案外すんなりとクリアできたなぁ。


 「あ、そうだ。俺が試練をクリアしたころには武器が出来上がってるって言ってたっけ。ノームさん、そろそろ帰りたいんスけど」


 「そうですか・・・でも今はやめておいた方がいいですよ。今、外は夜ですから。夜の濃霧の森はとても危険です。幻覚に惑わされて永遠に森に取り残されます。そうなったら僕でも助けられない。森は生きているんです。優しく包むときもあれば、突然牙を向くこともある」


 ひえっ・・・やっぱここってそんなヤバいとこだったんだ。てか、もう夜になってるのか・・・俺どれだけ走ったんだ?


 「今夜はここで一休みしていくのが賢明だと思います。明日になれば僕があなたを送ります」


 その日の夜はノームと一緒に過ごすことになった。そこで色んな話をしていた。気怠そうではあるけど、ノームはちゃんと話を聞いてくれて、なんだか穏やかな気分になった。


 「そういや、次の試練ってやっぱウンディーネさんなんスか?サラマンダーは最後ッスよね多分」


 「そうですね、ウンディーネさんが次の試練です。でも桜蘭さん気をつけてください、ウンディーネさんは一見優しそうですが、実際はとても怖いんです。それまでにもっと力を付けた方がいいかもしれませんね」


 「そ、そう言われると余計怖いッス・・・」


 「でも大丈夫だと思いますよ、あなたの力は僕の予想をはるかに超えていましたから」


 「そうなんスか・・・じゃあ俺もっと頑張るッスよ。ウンディーネさんに負けないくらいにならないと!!んでノームさ、そのウンディーネさんは一体どこにいるんスか?」


 そういや、場所を知らないと行くに行けないッスからね、聞いておかないと。


 「遥か北の大海原。荒れ狂う大海にいると言われてます」


 「言われてます?詳しくは知らないんスか?」


 「僕たちが眠りにつく前、ウンディーネさんはサラマンダーさんにだけ自分の行方を告げて消えたんです。僕は大地の力を司っていますが、大海を司る彼女の行方は分かりません」


 そりゃ困ったな・・・とりあえず北の海を目指すって言っても、滅茶苦茶広いし、俺の能力は魚類とは会話できない、せいぜい亀くらいだ。基本的にはイルカとかの哺乳類しか話せないからなぁ。こりゃ虱潰しか?


 「ってまってよ?サラマンダーだけは、ウンディーネさんの居場所知ってるんスよね」


 「はい。だからあなたはまず、サラマンダーさんを探さないといけないと思いますよ」


 マジか・・・順番的にサラマンダーは最後だから最後にしか会えないと思ってたのに、会えるのか!


 「じゃあ、サラマンダーはどこにいるのか知ってるんスか!?」


 俺はちょっと興奮気味に質問した。話だとサラマンダーはドラゴンだってのはエルメスから聞いた。ドラゴンってやっぱ夢が溢れるなぁ・・・


 「知ってます、ここから遥か東の海の奥、そこにある孤島にいます・・・しかし、あの場所へ向かった多くの者が命を落としました。本当の王であるあなたなら大丈夫だと思いますが・・・しかしあなたは男性ですよね・・・」


 「ん?どういう事ッスか?」


 「よくわかりませんが、サラマンダーの住まう島は男を嫌う。あの島には女性しか到達してないんです。ですから地元では男子禁制の島にされています」


 え~・・・どゆこと、確かここは女人禁制だったよな。完全に真逆じゃん、俺に女になれってか?あほか。


 「だったらどうすりゃいいんだ?零羅は女の子だから行けるかもしれないッスけど、それじゃ意味ないッスよね」


 「そうですね・・・しかし、サラマンダー自身は言ってました。夫になるものならば到達できると」


 「ゲホ!!ゴホゴホ!!」


 俺はノームが口に出した言葉でむせ返った。


 「大丈夫ですか?」


 「何!夫!?え、サラマンダーってまさか!?」


 「え、女性ですよ?少し男っぽいですが・・・」


 てっきり俺の脳内のドラゴンのサラマンダーって言うから、威厳たっぷりな男かと思ってた・・・


 それよりも・・・ドラゴン相手に、婿入りしろってか?


 「まぁ、詳しいことは直接聞けばわかると思います」


 「そ、そうッスよね!!あ、あはは・・・アッハハハハ・・・・・」

 

 もう笑うしかねーや・・・あ~、どうなってくんだろ俺の人生。


 「そろそろお休みください、夜遅くまで起きているのは体に毒ですよ」


 「そうッスね・・・ちょっと寝て忘れる事にするッス」


 「それが良いかもしれないですね」


 俺は適当なとこに寝転がった。うむ、ゴツゴツして寝にくい・・・けど、あれ?なんだか急に眠気が・・・


 ・


 ・


 ・

 

 「あれ?」


 「目が覚めましたか?」


 あれ、なんだか心地いい・・・


 俺がはっきりと気が付いた時、俺はどんな状況になってるのか分かった。俺はノームにもたれかかって寝ていたみたいだ。ノームが俺が寝てる間にここに移動させてくれたのか?


 俺はそこからゆっくりと起き上がった。


 「あれ、なんだ?体がすっげぇ軽い・・・」


 「僕は大地のノームですから、僕の体に触れれば大地の力であなたを癒せるんです。僕からのせめてものプレゼントです、これから、もっと大変になるはずですから」


 ノーム、なんていい人なんだぁ。まるで体にかかってる重力が一気に消しとんだ感じだなぁ。


 「それに桜蘭さん・・・いいセーターですね、それ。素材もそうですが、作った人の気持ちが籠ってる。その服はきっとあなたを守ってくれますよ」


 エリザベートさんにもらったセーター、やっぱ分かる人には分かるんだ。これを着た時に感じた、何というか優しさというか、落ち着く感じ。


 「さて、では向かいますよ」


 そして俺はある木の目の前に立たされた。


 「え、ここからどうするん・・・」


 「そこに手を触れて下さい」

 

 俺はとりあえずそこに手を置いた。


 「そして、今行くべき場所を思い浮かべて下さい」


 ん?えっと今は、零羅が待ってる湖の畔のあの家に・・・


 


 「へ?」


 すこし瞬きしただけだった、その瞬間に景色が変わっていた。ここはあの湖の家だ。ノームももう後ろにいない。俺の後ろに会ったのは木目の壁。


 「ありゃ!?サクラッチ!?どないなってんねん、試練は!?」


 驚いた声で俺を呼んだのはジュニアだ。


 すっげぇな、ノーム・・・多分これって、あの木からここに瞬間移動したって事だよな。


 「無事、クリアッス!!」


 俺はガッツポーズを決めた。


 「おー!!おー?」パチパチ・・・


 ジュニアはよく分かっていないがとりあえず拍手してくれた。


 


 しばらくして外で修行していた零羅を呼んで、試練を終えたことを伝えた。


 「凄いです!次はいよいよサラマンダーさんに会いに行くんですよね!!一体どんな方なんでしょうか」


 零羅の目が輝いている。零羅には俺が夫になるとかは言っていない。だから多分、俺と同じようなイメージを持ってるに違いない・・・いや、零羅に事だ。俺よりも屈強なイメージだろう。この子やたらと少年漫画が好きみたいだし。


 「ドラゴンと言うからには巨大なんでしょうか・・・想像が膨らみますぅ!」


 し、幸せそうだな・・・


 「そういや、零羅ってなんで少年漫画が好きなんスか?普通、そんくらいの歳なら少女漫画的なのが好きってイメージがあるッスけど」


 「そうなのですか?わたくしは昔からドラ〇ンボールとか北〇の拳とかを読んでいましたから、そう言ったのはあまり・・・わたくし、あのもう1つの人格のせいで学校に行く事が出来なかったのですが、そこで勉学などを教えてくれた執事さんが少しでも娯楽をと、持ってきてくれたのです。それで読みだしたら面白くて、それ以来ハマってますね・・・」


 娯楽の無かった零羅を気遣うのはいいけど、少年漫画、しかもバリバリのバトル系を持って来るってどういうこった。


 「その執事、どんな人ッスか・・・」


 「あ、写真あります。ずっとしまってあったのですが・・・」


 零羅は一枚の写真を取り出した。そこには家族写真が写っていた。今よりも少し小さい零羅と父親だろうな、母はいないのか。それと、このメガネの似合う執事・・・ってん?


 「あ、あのさ・・・零羅・・・その執事の名前って?」


 「ゼンさんってずっと呼んでました、苗字は聞いたことないですね」


 「・・・・・・マジか」


 なんてこった、こんなとこで俺たちが繋がってたとは・・・麗沢なら、世界は狭いなとか言い出すやつだ。マジで世界って意外と小さいんだな。


 「知ってるんですか?」


 「あのさ零羅、その人の名前・・・麗沢 禅、って言うんだ・・・」


 「へ?ということは、まさか・・・」


 「麗沢の、お父さんだそれ・・・あの人、執事なんで職業だったんだ」


 だからか、そういや麗沢もオタクの道に進んだのは父親の影響とか言ってたっけ。それか・・・それが原因か。




 

 「おーっす、サクラッチにレイラッチー」


 まさかの事態を理解したころ、ジュニアが空気を読まずに入って来た。


 「あ、なんだったッスか?」


 「おう!頼まれてた武器!!完成したぜぃ!!まずこれ、ピースメーカーね。これからはちゃんと定期的に清掃しなよ?」

 

「へい・・・」


 まずは、あの回転式拳銃を受け取った。だけどスイッチ切り替え完了。待ってましたー!!


 そしてジュニアは更に2つのアタッシュケースを出してきた。


 「まずはレイラッチのね、レイラッチは攻撃そのものが防御になる。だから無駄に装甲とかはいらない、そうやって出来たのがこいつだ」


 ジュニアは一つ目のアタッシュケースを開けた。そこには手の甲までしか装甲が無い小手に、足の方も少し金具のあるブーツと呼んでいいような物だった。正直、普段付けてても違和感のない程に派手でなく、正直おしゃれだ。


 「名前は炎の世界。この世の終わりを意味してる、『インフェルノ』ってんだ、炎神とはまた別のレイラッチ専用の武器、レイラッチ、一発であたりを地獄絵図に変えちゃうからね」


 「あ、あはは・・・」


 零羅はすこし恥ずかしがりながら、インフェルノを手に取った。そして装着し、軽く動かす。


 「か、軽いです!!」


 「でしょ~、極力無駄を省いて作ったんだ。それでいて複合魔法にも余裕で耐えれる耐久度、我ながら頑張ったよ~」


 ジュニアは当たり前の様に言ってるけど、これって俺たちの世界でもこんなの作れんだろ。チュニアもすごかったけど、こいつもう軽くチュニア超えてね?


 「それで、お次はサクラッチね」


 今度は俺のか・・・一体、どんなのなんだろ。


 俺は今一瞬嫌な予感がよぎった。それもそうだよな、このパターン、絶対に俺のだけダサいとかそう言うパターンだ。セブンスイーグルの時もそうだ。あれ持ってるのも割と恥ずかしかったし・・・まぁあれのおかげで三上を倒せてるわけだから、性能は申し分なかったと思うんだけど・・・


 「うお・・・」


 だが、そんな俺の不安ケースを開けた瞬間吹っ飛んだ。俺が手にしたのは二丁の拳銃だ。


 「名は、天使と悪魔の引き金 『デーモントリガー&エンジェルトリガー』略してDT&AT、そいつは今までの俺っちの作品の中じゃ最高傑作だぜ?」


 ベースは確かにあのデザートイーグルだけど、無駄な装飾は一切ない。


 前のセブンスイーグルと同じ10インチモデルで、シルバーベースにブラックが混じってるエンジェルトリガーにブラックベースにシルバーの混ざったデーモントリガー。


 「正直な感想・・・めちゃ俺好みなんスけど」


 このデザインは俺にとってどストライクだった。なんつーか、中二心をくすぐられるというかなんというか・・・とにかくカッコよかった。


 「そいつは他にも用途に分けて色んな使い方を切り替えれるぜい。だけど、使い方を誤んなよ?俺っち、じっちゃんとはセンスは違うけど、根本的な意志は変わってないんよ」


 「使い方はお客様次第・・・」


 「そゆことね。分かってるなら話が早いや、さてと・・・そろそろ、行く時間かい?」


 「そッスね・・・ジュニア、ありがとうッス」


 「いやいや、すべては平和のためにって事・・・・・・ミカミンが認めたのも頷けるな」


 「ん?」


 最後の方が聞き取れなかった。


 「いや、なんでもねっすわ!んじゃ、期待せずにゆるりとまつぜぃ~」


 「そこは期待しないんスか!?」


 「桜蘭さん、おっちょこちょいですからね」


 「零羅、お前もか~」


 俺たちは外で待機してるランサーにまたがって再び旅を再開した。









 あれ?みんななにも言わなかったけど、俺今、どうやってランサーに乗った?

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