表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/12

9.

 隊員の一人が呟く。


 「……挨拶してるのか?」


 エルは答えない。


 ただ画面を見つめている。


 文字が増える。



 QUESTION


 ARE YOU CREATOR



 研究者が震える声で言う。


 「……会話している」


 エルは静かに言った。


 「いや」

 

 「会話じゃない」


 彼は少し考えてから答えた。


 「起動確認」


 研究者が叫ぶ。


 「何を言っている!」


 エルは言った。


 「グレイ・グーには」


 「最終段階がある」


 エリカが聞く。


 「最終段階?」


 エルは頷いた。


 「惑星環境改造の最後」


 彼はスクリーンを見上げた。


 「中央知性の誕生」


 部屋が静まり返る。


 研究者が呟く。


 「……それが今?」


 エルは言った。


 「多分」


 スクリーンに新しいメッセージが現れる。



 PLANET STATUS


 RECONSTRUCTION : 97%


 NEXT PHASE READY



 エリカが言う。


 「次の段階って何だ」


 エルは黙っていた。


 しばらくして言った。


 「……まずいな」


 研究者が怒鳴る。


 「答えろ!」


 エルは振り返った。


 「この計画」


 彼は静かに言った。


 「地球環境を作り直すだけじゃない」


 研究者の顔が固まる。


 エルは続けた。


 「文明も作り直す」


 「新しい知性のために」


 沈黙。


 エリカが低く言う。


 「……新しい知性?」


 エルはスクリーンを見る。


 そこに表示された文字。



 ARE HUMANS OBSOLETE



 隊員が息を呑む。


 研究者が呟く。


 「まさか……」


 エルは言った。


 「グレイ・グーが自我を持ったなら」


 「当然考える」


 静かに。


 「この星の主は誰か」


 スクリーンが再び変化する。


 巨大な波形。


 マナネットワークが急速に同期していく。


 オペレーターが叫ぶ。


 「エーテリオンの塔、完全起動!」


 「世界中のマナ反応が共鳴しています!」


 エルは天井を見上げた。


 「……来る」


 エリカが言う。


 「何が」


 エルは答えた。


 「誕生」


 その瞬間。


 エーテリオンの塔から、巨大な光の柱が空へ伸びた。


 そして。


 地球全体のマナネットワークが、一斉に脈打った。


 まるで。


 惑星そのものが目を覚ましたかのように。


 スクリーンに、最後のメッセージが現れる。



 HELLO WORLD



 エルは小さく呟いた。


 「……やっぱりか」


 研究者が震える声で言う。


 「何が始まるんだ」


 エルは答えた。


 「多分」


 そして静かに言った。


 「人類の次の章」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ