Communication
「あ、あれ?もしかして警備員の人ですか?」
山中は咄嗟に構えた銃を下げる。
「は、はい!そうです!ですから撃たないでください!」
「撃たないよ!!!」
山中は以前見たアニメのやり取りを思い出し、ネタを挟みながら叫んでしまった。
「ヒィ!ご、ごめんなさい…。」
「あ、あぁ!いえ、そんなつもりではなくて…、申し訳ありません…。」
山中は何とも言えない罪悪感に苛まれつつも話を続ける。
「えぇっと、さっきの音から察するにロッカーに身を隠してました?」
「は、はい。そうです。3時間くらい前から銃声が聞こえて、警察に連絡しても誰も出てくれないし、私もどうしようもないのでそのまま事が過ぎ去るのを待っていたら今度は裏口の方から銃声が聞こえたので…。」
(うわぁ…、全部俺のせいだ…。仕方ないとは言え…。)
山中は信じてもらえないと覚悟しつつ、これまでの経緯を話す。
「そ、そんな、おもちゃが武器になるなんて…!それにゾンビなんて映画やアニメの話じゃないんですか!?」
「自分もそう思いたいのは山々なのですが、実際に被害に遭われた方をこの目で見ました。」
「何で…こんなことに…。」
「今は嘆いても状況は変わりませんから…。とりあえず、この場に居ても先は短いでしょうから、一緒に自分の部屋まで来ますか?自分の部屋の周りの安全は確認できましたので、そこで今後のことを話し合って決めましょう。」
「そ、そうですね。置いてかれたら、奴らに襲いかかれても身を守れませんし…。」
「では決まりですね。先に断りだけ入れさせてください。護身用に銃をお渡ししたいと思ったのですが、私はあなたという人間がわかりません。要は銃を渡せるほどの信頼関係がありませんので、ここはやはり護衛は私に任せてもらっても構いませんでしょうか?」
「あ、はい。自分の身を守っていただけるのであれば構いません。」
「ありがとうございます。では、行きましょうか。」
2人は裏口から外を覗き、安全であることを確認して足早にかけて、アパートの部屋まで戻る。
「うわぁ〜、すごいですねこれ。これ全部本物になっちゃったんですか?」
「えぇ、そうです。ちなみに最初の発砲音からロッカーや裏口を壊すまでに、ベランダからこいつで奴らを仕留めてましたよ。」
山中はベランダを指差した。警備員は外を見る。
「あ…本当だ…。あそこに3、4、5人くらい倒れ伏してますね…。あれ全部?」
「そうです、化け物です。」
「おおふ…。何て言うか、山中さん手慣れているというか、これが仕事ですとでも言わんばかりに手慣れてますね…。」
「そ、そうですか?最初が危なすぎて、安全圏から撃つのがそこまで怖いとも思わなかったからじゃないでしょうか?」
「さ、最初?」
「え、えぇ、危うく死ぬところでした。」
「うええ!?ど、どんな状況だったんですか?」
「ま、まぁその話はまた後で…。今は今後のことを考えましょう。」
「あ、そ、そうですね、失礼しました。」
2人は改めて向かい合った。




