51.ミラとアリ
「優勝おめでとう。何してたの? これから時間大丈夫?」
総合組手決勝が終わり医務室から出ると、警備服のミラが話しかけてきた。
「アリを医務室に運んでいた。どうしたんだ?」
「やっぱり昨日のことが気になったの。何かあった?」
「実は魔塔長と話したんだ。メーレーンの上層部が覇王ゲームの景品を狙っていると聞いてな。それで昨日テレマナ姫が誘拐されたんだ。その時に誘拐犯が魔塔の上層部がテレマナ姫誘拐を依頼したと言っていたんだ。どっちが正しいかは分からないがどっちも信用出来ないんだ……」
ミラには伝えるべきか迷ったが、伝えることにした。
「そんなことね。私は裏切ることはないから安心して。でもそれは私にも分からないわね。私も正式に言えば、警備部隊長なだけで組織としては、そこにしか所属していないからね。メーレーンの下部組織でしかないわ」
「そうか」
「でもそういえばマスターって言葉を度々耳にするかな」
「マスター?」
「うん。私達警備部隊はメーレーンの人と話す機会が多いわ。その時に度々口にするの。どうやら現在の組織のトップのようね。マスターが何者かは検討も付かないけどね」
「マスターには気を付けるよ」
「この大会は、あなたを優勝させることに全力を尽くすから心配しないで。あと私は個人的にもあなたの敵になることはないから」
ミラは、アリとは別のベクトルで正義感が強い。
その点、この言葉の重みは信用に値するものだろう。
「分かったよ。ありがとうな」
「それより明日で最後ね。宝探し!」
「長かったが明日でいよいよ終わりか」
覇王ゲームもいよいよ大詰め。
最終種目が明日に控えていた。
その種目は、宝探し。
この特区全域に散らばる、魔道具を集めるというもの。
今までのバトルとは、少し毛色の違った種目になっていることもあり、一人で見つけるのも難しくなっているだろう。
俺は今までの種目は全勝しており、明日の宝探しさえ勝てば覇王ゲーム制覇となる。
「僕も協力する。君には完敗したよ」
「アリさん。あなたボロボロだったけど大丈夫?」
「ああ、問題ない」
「そう。良かったわ。私は仕事があるから戻るわね。私は頑張ろうね」
「ありがとうな」
ミラは、何もなかったかのように、笑顔でそう言って去って言った。
「君。運んでくれたのは君か?」
「そうだが?」
アリは顔をしかめて近付いてくる。
「ということは、君は僕が女だということに気付いたということか?」
「まあそうなるな」
「絶対に口外するなよ。僕は君の性格は好きだし、協力はしたいと思っている。しかし、口外することで僕が敵に回るということも忘れないでくれ」
「安心しろ。俺はそんなことしても得しないからな」
「助かるよ。明日は頑張ろうな」
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