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俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺のホームパーティを邪魔をするんじゃない
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幕間:おじいちゃんはどうしていたのか その壱

『――さて、折角何とか逃げおおせた所ですし……何処に潜伏しましょうかね』


 修羅場から見事逃げおおせた鮫型実験体は、実に飄々と山中を進み、ちらちら四方を見回しながら、その見た目から想像もつかぬ程に冷静に、理性的に先ずは休む場所を探していた。


『といっても、この山に詳しい訳でも無く……そもそも私の体に仕込んである機械類がどれだけ持つか……いえ、持たせられるか。場所の選び方次第ですね。そもそも私の体は一定期間毎の調整を前提とした作りですし……』


 ブツブツと独り言をつぶやく程度には余裕もある。彼自身、自分が相対した彼と比べれば自分等控えめなスペックであることは自覚していた。しかし、それだけでは無く、通常の人類と比べれば圧倒的な性能であることも理解している。


『彼に発見してもらうのが遅れるのは致命的。かと言ってあまり機械類を置くのに適さない場所に行くのも論外、それに加え誰かに発見されるのを出来るだけ避けられるような場所ともなると……』


 彼の優秀な頭脳が計算を始める。リスク、メリット、現状、その三要素から導き出される結論を追い求め……しばし後、頭をポリポリと掻いた。


『結局この辺でうろついているのが一番なんだろうか』


 さしたる特別な結論でもない、寧ろなんだか現状流されるまま、位の平々凡々な結論を軽く出して、頭脳を回さなくても多分この結論は出たのではないのかと。


『うーん教授達には申し訳ないが、結局一番いい結論というのは相当平凡な回答という事になってしまうのではないか……? 授けて貰った頭脳が無駄も無駄に』


 何故だか奇妙な形で自らに宿った知能について悩む半魚人。そんな彼は……その近くに寄ってくる、巨大な影に気が付いていなかった。


『――おい、そこのお若いの』

『はい?』


 声をかけられた方向に振り向く鮫。その先には……先ほどまで殴り合っていた(茶番)相手が此方を見つめていて……


『……いえ、牛頭さんじゃありませんね。何方様ですか?』


 違う、と即座に判断した。デカい。体格もそうだが、傷なども明らかに先ほどと違う。体格から測定したあらゆるデータ……男のアレなども、明らかに大きいのである。


『ん? なんじゃお主、ハチの知り合いか!』

『知り合いというか、まぁ、知り合いなんですけどあまりにも知り合って短いというか』


 故に、速攻で鮫は態度を変えた。牛頭のように話の分かる相手かは分からないが少なくとも話は出来る相手だと判断し、先ずは此方に会話の意思があると伝える判断に出たのである。


『ほーん……それで、なんでここに?』

『その牛頭さんに、面倒事が片付く迄ここら辺で隠れて居ろ、と』

『ほぉう……あ奴、色んな友達を作っておるんじゃのう。良い事ではないか』


 感慨深そうな態度。喋り方、彼との類似性、というより彼のような生命体が何体も何体も居ないという思考から恐らく彼の親類。それも間違いなく、祖父、又は大叔父であると彼は判断し……それとなく口に出す事にした。


『繰り返す様で申し訳ないのですが……友達、という程仲は良くはありません。牛頭さんのお爺さん』

『お? そうなのか……まぁ良いじゃないか! 知り合いなんてもんは友達みたいなもんよ! グハハハハ!』


 バシバシと肩を叩かれながら再度思考開始。この方は、何方かと言えば昔気質の豪快な性格だと判断。取り合えず、こういうタイプの人にはちゃんと向き合って会話するのが一番だ。


『しかし、なんでワシがハチの爺と?』

『まぁそっくりですし――それは兎も角、私に何か御用ですか?』


 問題はそこである。自分を回収しに来て貰った……訳ではないだろう。それなら真っ先に要点を話すだろうし。明らかに自分の事を初めて見た、という態度だった。


『ん? おぉそうじゃそうじゃ。ワシの母国の言葉聞こえたんでな。誰かこっち……あぁ、この山には家族と一緒に来てての。それの内、何れかとな』

『いえ、間違いなく声が違うと思うんですけども……なるほど』


 どうやらその性格由来の大雑把思考が此方へ引き付けてくれただけらしい。となれば別に焦る事も無い。そのマッチョな体で捻り潰される事も無いと考えて良いだろう。


『まぁ、それだけでは無くて……ほれ』

『?』


 等と、考えていた。時だった。目の前の巨牛が天を指さす。


『見えるかの? アレ』

『えぇ、まぁ。見えます……ドローンですよね』

『孫が面倒掛けられてるチンピラの集まり以外にも、どうやら面倒があるらしくてな。それを相手取ってやろうかと思って』

『えっ』


 何故ドローンからその結論に至るのか。博士申し訳ない、私の頭脳はそこまで優秀でもないようです、全くこの結論を解析することが出来ない……等とその無表情を、若干煤けさせてしまっていた。


『チンピラの持っとった、なんじゃ……社員証? 見たいな物のマークと、打ち落としたアレに付いていたモノのマークが違ったんじゃよ』

『あっ、なるほど』


 秒速で反省した。とても真っ当な理由でなんかコイツぶっ飛んだ思考してんな理解できねー、的な思考をしていたのを全力で恥じた。幾ら大雑把だからと言って、全部理屈とか無視した行動してると思うのは、あまりにも暴論だと……


『流石に孫にはこれ以上の苦労はかけたくないからのー……でじゃ、頼みがある』

『はい?』

『手伝っておくれ』

『……えっ?』


 思いきる間もなく、完全に思考を停止させられた。


漢字で違いを出していくスタイル。省エネ。

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