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死んでるはずの令嬢に転生したので、悪役令嬢として生贄になります  作者: 椿 柚柑
第一章 はじまり

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14 決定事項

少々長いです。ゆっくりどうぞ。



 あの日から三か月が経った。



 大公が言っていた通り翌日にはサフィリスが養子になった。展開の速さに私は驚いていたけど、大人たちは予想以上にすっきりとした表情でテキパキと話を進めていた。


 叔父様はあの後二日ほど滞在し、サフィリスとたくさん遊んで話をしていた。養子になったからと言って会えなくなるわけではないけれど、仕事の関係で会えるとしても年に一度くらいになってしまうらしい。


 サフィリスに出来る限り手紙のやり取りをする、と約束していた通り高山地帯へ戻っていってすぐに手紙が届いた。

 そこには奥さん、つまりサフィリスのお母さんからの手紙も同封されていてサフィリスは泣いて喜んでいた。人質として命の危機を感じる状態ではなくなったらしい。

 監禁がどうなったかはわからないけれど、元々仕事場に籠りっぱなしだったようなので自由に働いたり手紙が書ける状態なら出歩けなくてもそこまで気にならないのかもしれない。



 今のところパパとママとサフィリスの関係性は良好で、まだよそよそしさはあるものの私も含めて仲良く過ごしている。


 サフィリスが家族になった後すぐに私は勉強する時間が作られた。まずは基本的な文字の読み書きと丁寧な話し方をエレナさんやスヴェンさんから習っている。


 それと並行して魔法の基本を習ってる。魔を受け取った時の対策として魔法をいっぱい使うことと、使い魔をつくることを提案し、それが概ね受け入れられている状態らしいので、その準備。

 簡単なものなので水を出したり、ちょっと風を起こしたり、ということを練習して体の中の魔力がどう流れてどう現象が起こるのかを体感するのが主だった目的だったけれど、めちゃくちゃ楽しくてかなりはしゃいだ。


 やっぱり私の魔力は多いらしく、しかも無尽蔵に近く蓄えられるらしい。



 魔力は魔力を生成する量と、流せる量が釣り合っていないととても苦労する。多くても少なくても問題は起きないけどバランスが大事らしい。


 生成する量が少ないのに、流せる量が多いと大きな管に少量の水を流しているような状態でうまく巡らない。逆に生成する量が多いのに流せる量が少ないと詰まる。


 前者は魔石や親しい人から魔力をもらって流量を増やし、後者は魔法をたくさん使ったり、魔石に魔力を込めたり、生成量の少ない人に分けたりする。



 どうやら私が苦し紛れに言った『魔法をいっぱい使う』案はそこまで的外れなものではなかったらしくて、実際に魔を一杯もらってもどんどん消費していけば影響が出ない、もしくは影響が出るのを遅らせられるかも、という可能性があるらしい。

 ただどれくらい使えば消費できるのかは不明。


 いくつか試しに魔石に魔力を込めてみたところ、いくらでも込められる。消費したという感覚は一切なかった。

 逆にいくつかの魔石やパパママから魔力をたくさん体に入れてみたけれど、こちらも増えた、という感覚が一切なかった。

 どちらも不調は起きなかったし好調になることもない。つまり許容範囲内ってこと。


 この国でも指折りの魔力量を持つパパから結構たっぷり、パパがぐったりするくらいもらったけど全然平気だった。



 魔王の魔力と人間の魔力じゃ感覚が違うだろうけど、何度か大量に受け取ってみたところ何も起きなかったことなんかも逐一報告しているらしくて、、大量の魔を一度に魔力として受け取ってもすぐに体に不調が起こるということはなさそうだと大公は考えているとパパが言っていた。


 同じく提案した『使い魔』のことも実行することで大筋合意されてるらしい。


 目下のところ私は思った通りに魔法を使う練習を一杯することを頑張ればいい、ということになった。今のところ人形になる予定も幽閉の予定もなし。



 とりあえず毎日言葉と魔法の勉強で思ったより忙しい幼児生活を送っている。

 もちろん昼寝もまだ必要だったりする。三歳だもの。




「アリア姉さま、一緒に読みましょう」


「うん!」


 弟になったサフィリスは、アリアちゃんではなくアリア姉さまと呼ぶようになった。

 おねショタ属性はなかったつもりだけど呼ばれるたびにキュンキュンする。三歳児でなかったら変質者になっているところだった。


 サフィリスはすでに読み書きできているので、一緒に魔法の勉強をする以外は宝剣について学んでいるらしい。引き継ぐのは簡単だけど使うのは結構難しいらしく、代替わりするには最低一年は必要なのだと教えてくれた。

 同時に剣術も学んでるらしい、教師はママ。剣聖が教えるというのはものすごいことらしく、どこかから噂を聞きつけた騎士志望の人たちや騎士団自体からも訓練を受けたいとの要望が大量に届いたらしい。

 でも、全部蹴ったのでサフィリスが成長していろんな人に会うようになったらかなりやっかみを受けそうではある。

 きっとそれも含め、自分で処理できるように育てるんだと思う。


 ちらっと覗いたら、ママは結構厳しそうだった。サフィリスが今後どうなるかわからないけど、虹シュバのようなチャラ男にはならないんじゃないかな?と思ってる。




 勉強の合間にお茶したり、お庭で遊んだり、今日みたいに図書室で一緒に本を読んだりしてる。

 文字が読めるようになってきたのでこの時間が一番楽しい。虹シュバの世界観資料が山ほどあるみたい。


 私が知ってることもあるけど、知らないことのほうが多い。

 物語そのままではないと分かっていても、何となく違いがわかるとテンションあがる。




 今日はお気に入りの鉱石の図鑑を見てる。これは魔石ではなく宝石が中心。


 魔石と宝石は同じような鉱石だけど、魔力を持っていたり魔力を貯めることができる石を魔石、それ以外の美しい価値のある石を宝石って呼んでる。


 私は魔石のほうが見たことがないものばかりで興味深いんだけど、この世界では前世よりも宝石が高級品扱い。貴族でも見たことのない石が山ほどあるらしい。



「サフィーはどの宝石がすきなの?」


「僕はこれです。」


 指が示しているのはサファイアだった。写真ではなくイラストがあり、一応うっすらとした色付けもされているけれど本当の宝石の色鮮やかさは表現しきれていない。

 前世の図鑑なら見ればわかることが文章を読まなければわからない。


 だから文字を読めるようになる前はいまいち興味がなかったんだけど、読めるようになると美しさを表すために様々な文章表現を駆使しているのが読んでいて面白い。



 サファイアは鮮やかで透明感のある青色のものほど希少価値が高いと書いてあった。


「サファイアの色は僕が一番好きな色です。」


「サフィーは青が好きなの?」


「はい。姉さまの瞳の色なので。」


 きゅーん


 漫画だったらハートに矢がとすっと刺さる絵が浮かびそうなくらいきゅんときた。

 サフィリスは顔を赤らめながら姉さまの瞳はきれいですって言ってくれる。


 君の瞳はサファイアのように美しいね、なんて言われたらものすごくキザな口説き文句になりそうだけど、サフィリスの天使な見た目でかわいくまっすぐ言われてしまうとただただときめくばかりだった。



「うれしいわサフィー。ちょっと照れちゃった」


「アリア姉さまかわいい」


 大満足、といった感じでにこにこしてるサフィリス。純真さがまじ天使。



 弟になった日から、いや会ったときから優しくはあったけど、ここ二週間ほどなぜかものすごく好意を示されてる気がする。懐かれてる、というよりも恋人に甘い言葉をささやくような感じに近い。


 なにかあったの?と何度か聞いたけれどぽかんとしていたので、特別おかしなことがあったり、そうしろと命令されてるということはないみたい。


「サフィーの瞳はこのアクアマリンというのに近いんじゃない?キラキラしてて美しいもの。」


 アクアマリンの説明には海水のような透明感のある水色と書いてある。

 ロバイト家はこげ茶系の髪の色と青系の瞳の色が多いけれど、その色合いはまちまち。私は赤っぽいこげ茶の髪に濃い青の目をしているのでぱっと見が濃い!って感じだけれど、サフィリスは薄い茶色の髪に水色の瞳をしていて、色素が薄い感じの組み合わせになっている。


「姉さまのほうが美しいですよ?」


 にっこりとそういう彼は天使を通り越して、もしかしたら小悪魔なのかもしれない。


(このまま成長したらちょっと怖いわね。)


 中身アラサーとして大人の助言をすべき時も来るかもしれない、そんなことをのんきに考えていた。







 忙しくものんびりほっこりした毎日を過ごしていたけれど、ついに明日陛下と大公に会うことが決まった。

 今回は私一人ではなく、パパとお祖父様と一緒。かなり心強い。


 明日の謁見はすぐに何かする、というわけではなく魔の受け渡しをいつから決めるのか、受け取った後どうするのかを決める会議のようなものらしい。

 

 心の準備をしておくんだよ、とパパに言われたけれど、心よりも具体的な準備をしておいたほうがいい気がしてる。


 

 心意気とか熱意とかで動く人ではない、と思う。あの大公という人は。


 叔父様から届く手紙をちらっと見せてもらったけど、いろんな手を使って暗号のようにして秘密のメッセージを送ってきているらしい。

 魔法道具をかざさないと読めなかったりして、その中には『イレーネの監視はなくなった』とあった。



 どうやら私があれこれ言ったことで大公はものすごくご機嫌だったらしく、人質を取ってまで何かをするのはやめたらしい。でもそう見せかけているだけかもしれない。


 そんな人に頑張ります!というだけではすぐに言い負かされてしまうので、何らかの手段を取りたいところ。できれば具体的にこうするつもりだよ!とアピールできると良いかな。




 そう思って、パパの友達の魔法に詳しい人が準備してくれたという使い魔の資料を読み返す。


 前世のアニメ知識でいうと、使い魔というと魔物とか動物とかを自分の手下として手懐けて使役するイメージだけれど、この世界では自分の中の魔力を具現化させて一つの個体として生み出すことを使い魔を作るという。


 魔力を具現化するには、具体的にどんな形にするかをしっかり頭の中に作っておく必要があるらしく、その方法は作る人の自由だと書かれている。


(まずはイメージが大事、ってことよね~)


 部屋で資料を読みながら私室のソファでごろごろする。本当はよろしくないけれど、前世の名残というかなんというか難しい文章を読むのはごろごろしながらに限る。


 私付きの侍女として正式に決まったシャミアはこの姿にかなり難色を示していたけれど、一人の時だけならいいと許してくれた。

 


 そんなわけで今日もごろごろしながら使い魔のイメージについて考えてみる。

 

 絵本ではさみしいとかお友達が欲しいと思ったら妖精が出てきた、と書いてあったけれど、お友達と思ったときにはっきりと妖精をイメージしていたとしたら、それでも可能みたい。

 だけど、細かく決めておかないと魔力が漏れ出して破裂したり、魔力爆発が起こったりするみたいなので、詳細であればあるほどいいみたい。


 

 使い魔は作った人の意志に沿うらしく、自発的に行動するとしたら作った人に甘える、寄り添うくらいのものらしい。命令しなければ動かないし、勝手に動いてもそばに来るだけなのであれば凶悪な魔力で作っても大丈夫なんじゃないかなって予想してる。たぶんこれがポイントになって意見が通ったんじゃないかな。



 ただ、自発的にあれこれ動かないからと言って凶悪な見た目のものを作っていたら多分すごく怖いし、何かあったときに大きなものを作っていたら捕獲できないかもしれない。暴れた時にコントロールできる範囲じゃないとまずいと思う。


 なので色々考えた結果、かわいい動物をベースに。出来れば小型犬とか猫とかのペットサイズで作ろう、とそこまではスムーズに決まったんだけど。



(ペット飼ってたらよかったかな~)



 前世は動物好きだけれど、飼うことを考えたことが一回もない。というわけで、イメージが大事といわれて大体の方向性は決まったんだけど、具体的なものが出てこない。

 

 犬も猫も好きだけど、触ったことがほとんどない。資料を見たことと絵に描いたことはあるけど・・・



「あ!そうか!」


 勉強用にもらっていた紙に子犬を描いてイメージを固めることにした。

 より安全性を考えて、猫よりも従順そうな犬の使い魔にしてみようと思う。魔が大きすぎて一匹じゃ余ってしまうかもしれないので、その時は二匹目を作るなら猫にするつもり。もっと作れるなら、小鳥もいいかも。


 手元に参考資料がないので記憶を手繰り昔見た犬用資料の写真を思い浮かべながら描きだしていく。



 何となく、使い魔というより飼いたいペットになってしまったけれど絵にしたらなかなかにイメージが固まった。











「このような使い魔を作ろうと思います。」


 習いたての丁寧なしゃべり方で、描いてきたイメージ資料を大公と、そして陛下に見せた。

 陛下は大公と似ていて兄弟だとはっきりわかる感じだけれど、、大公が女性的な色気の感じる顔だとしたら、男性的な色気の感じる中世的な顔立ちだった。

 大公よりは短いものの同じようにサラサラのきれいな金髪、緑がかった銀色の目をしている。そしてちょっとだけ態度がでかい。


(一番偉い人だから当たり前なんだろうなぁ)


 言葉の端々がとても横柄で、コンビニとかで見かけたら嫌な客だな~と思う感じ。そんなところもなければ行くこともないような立場の人だけれど。




 今後のことを決めるということで訪れた場所は以前の謁見の間ではなく、応接間のようなところだった。

 親しい客人が来たら招く場所らしい。ふかふかのソファーに座りながらおしゃべりすることになりかなり居心地は良い。

 温かいお茶とお菓子も準備された。


 比較的雰囲気は和やかである。だからと言って油断する気はないけれど。



 参加者は私、パパ、お祖父様。そして陛下と大公。後でルチル殿下も来ると言っていたが、体調が思わしくなく来られない場合はこちらから出向くか、次回ということになると最初に説明された。



「これは君が描いたのか?」


 はい、と頷くと陛下はうなりながら紙をめくっていく。

 描いたのは三枚。一枚目がポメラニアン、二枚目がトイプードル、三枚目がゴールデンレトリバーを小型犬風に描いたもの。どれも正面、横、顔のアップなどがあってそれらの犬種を見たことがなくても雰囲気は伝わるはず。



「これは・・・。画家として召し抱えてもおかしくないほどの・・・。」


 陛下の隣から覗き込んでいた大公が目をぱちぱちと何度も瞬きし、見開いたり細めたりしながらそういう。



「私も本当に孫か描いたのかと思い確認しましたが、目の前で三枚目のものを描き上げまして。私や愚息はその方面を得意としておりませんが私の妻が得意としていました。その血が濃く表れているのかもしれません。」


 お祖父様がそう言った通り、私はあまりにも上手すぎるということで自分で描いたのか疑われて、朝迎えに来たお祖父様の目の前で三枚目を描き上げた。


 お祖父様は鋭い目つきをしているのだけれど、よく見ればくりくりとした丸っこい目の形をしている。ただ、いつも何か怒っているような眉を顰めるような顔で周りを見ているので怖く見える。

 それに気づいたらくりくりの目がなんだかレトリバーのように思えてインスピレーションが沸いて一気に描きあげたところまではいいものの、神童だと騒ぎ立てられ朝からかなり大変だった。


 今も若干お祖父様は陛下たちにドヤっている。パパも若干得意げだ。



 私も三歳児が描いた程度にしようかと思ったけど、使い魔を作るなら大事なのはイメージ。そのイメージが頭の中に出来ているとわかりやすく証明する方法が他になかった。

 絵なら、ここまで頭の中に入ってるんだぞ、ということを示すのに向いているし、それなら上手ければ上手いほどいいんじゃないかとかなり全力で挑んだ。


(やりすぎたかなぁ・・・サフィリスも三歳とは思えないくらい上手だったからこれくらいいけるかなと思ったけど。)


 私が描いたものはリアルっぽいものの少しデフォルメされている。この世界にはあまりないと思う。図鑑と肖像しか見たことないけれど、どちらも写実的だった。

 物珍しさもあってこんなに注目されてるのかも。


 大人四人が犬の絵を見ながらわいわい喋ってるのは、これから私が生贄になるまでどう過ごすのかという重たい話題をするとは思えないような和やかな空間だった。


 このまま生贄にならずに封印も魔もなんとかできたらいいのだけど。そしたら平和なまま生きていけるのに。

 せっかく家族も増えたのに。




 と、そんな甘いことが許されるはずもなく。



「じゃあ、これからのことをさっそく話そうか。」


 陛下がそう言うと、場の空気がピリッとしたものに変わった。



「ジュピウムから聞いたことやその後の報告を受けて、魔法を使い消費する、魔石に魔力を込める、使い魔を作ることで様子を見ようと決まった。概ね君の提案通りだな。この絵もなかなか良い。この通りに作れるのならうまく行くかもしれないな。

 ただ、何かあればすぐに幽閉もしくは心を眠らせてもらう。」


 これはもうパパもお祖父様も知っていたことらしく、私も少し聞いていた。だからこくんと頷いた。


「そのために、魔を受け取った後は行動するときは必ず宝剣士を共にすることを命ずる。とは言っても常に付き添っていなくてもいい。屋敷にいる時は屋敷内に宝剣士がいればそれで十分だ。それと屋敷から出かけるならどこに行くか事前報告を必ずしてくれ。」


「お出かけはしてもいいのですか?」


「自由にどこにでも、という訳でない。城、封印石の祭壇、宝剣士に関する公務に付随する場所、あとは出来れば王都でじっとしていてほしいが・・・ロバイト領は王都に接している上に領地屋敷は馬車で一日、早馬なら半日と少しで着くからな。領地でうろうろしないのであればそちらに行くことは許す。事前に許可を得てからになるがな。」


「ありがとうございます」


「付き添う宝剣士については、基本的に今は父親であるロバイト公爵となる。宝剣を引き継いだ後は君の弟に変わるね。引き継ぐまでの間は一緒にここに来い。部屋を用意しておく。そこでは宝剣士もしくは使用人以外とは会うことも、そこから出ることも許されない。」


(うーん、結局監視付きで当分は幽閉と変わらないのかぁ)


 と、心の中でちょっと不満げになったのがばれたのか、ニヤリ、と言った顔で陛下が笑う。


「来てもらうのは、二年ほどだけだ。あとは屋敷でゆっくり過ごせ。弟が学園に入る時には君も学園か、もしくは封印石の祭壇のある塔に済むか、どちらか選んでくれたらいい。出たければ社交界デビューして夜会に出て遊んでもいいしね。まぁ魔に侵されなければの話だが、死ぬまでの十二年好きにしていたらいいさ。」


「・・・はい。しょうちいたしました。」



 死ぬことは変わらない、と念を押された気がする。



「物分かりがよくて結構。ではロバイト公爵、宰相、どうだろう、さっそく魔を受け取ってもらうというのは?」


 パパとお祖父様の表情が険しくなる。


「今日はお話だけと伺っていましたが。」


「ああ、だがこれだけイメージが固まってるならいけるだろう?魔法省からエジョン公爵にも来てもらったから立会いしてもらえるし。彼に使い魔についての説明を聞いて帰るのでもいいけれど、どうせならもう作ってしまえば早いじゃないか。」



 子供のようにけらけらと笑う陛下は止めともいえる言葉を吐いた。



「それにここに三人も、エジョン公爵もいれたら四人も宝剣士が揃ってる。何かあっても人形にしてしまえばいいじゃないか。簡単だろう?前は二人でやったがそれで足りないというのなら四人でやれば問題ないだろう。」



 陛下はあははと楽しそうに笑った。



「それにしても本当に規格外だね君は。いったいどうやって起きたんだ?ちゃんと人形にしてやったというのに」


 その声は無邪気に、そしてどこまでも透き通って冷たく感じた。

 

続きは明日お昼アップです


ブクマ50件超えてました~~~嬉しい~~~~!ありがとうございます!

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