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最速の剣士と最強の魔女  作者: バラクーダ


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第四話 ダンジョン 前編 

 次の町に着いたのは四日後の事だった。オアシス都市フェンダは王都に近くそこそこの大きさを誇っていた。ミラベルは宿に着くなり魔法具店に行くと飛び出していった。ルミナスも例の如くギルドへ向かうのだった。フェンダの町は冒険者の質も高いように感じた。ギルドに着くと受付嬢が数名いた。前の町とは規模が違うのだ。前の様に騒ぎになってはいけないと、まずは掲示板に向かい何か良いクエストは無いかと物色する。依頼ランクSの依頼書が古びて靡いていた。ずっと前に貼られた物なのだろう。ダンジョン『血塗られた謁見室の攻略』と書かれていた。取り敢えずそれを手に取り受付嬢の所へ向かう。そして依頼書を差し出し

「これを受けたいのだけど、この依頼書は有効なのか?」と言うと、受付嬢は

「こちら推奨ランクはA+以上もしくはS級となっておりますが」と言うので冒険者証を取り出す

「これでいいだろうか。攻略は連れと二人パーティーで行くつもりだ。二人共S級だし平気だろうと思うのだが」と言うルミナスに受付嬢は

「S級冒険者様でしたか。でしたら、こちらの依頼書は有効でございますので受注ということでよろしいでしょうか?」と流石は規模が違うと質も違うなと思いながら承諾した。

「このダンジョンには皆困ってるのです。夜になるとアンデッドが溢れる事もあるので。どうかよろしくお願いします。」と受付嬢が言う。

宿に帰るとミラベルがホクホク顔で座っていた。何か良い物でも手にれたのだろうか?とただいまと声をかけるとミラベルは、これ見て!と二つの指輪を見せてきた

「これは?」と聞くと

「なんとこれは魔力強化と速度強化の指輪なのです」と自慢気に見せた。胡散臭いと思いながら

「へぇ~、良い物買ったじゃない」というとミラベルは

「今、胡散臭いって思ったでしょ!分かるんだからね!」っとプイっと横を向いてみせた。

「ごめんごめん。でも今の私達にこれ以上の強化要るかしら」と言うルミナスにミラベルは

「お揃いだったから・・・」と言う。そう、石の色が違うだけで見た目はほぼ同じなのであった。

「そういう事ね。良いじゃないペアリングね」と言うとミラベルの顔がぱぁと明るくなった

「でしょう!強化なんておまけよ。見た目で選んだのよ。これでお揃いのリングが出来たわね」と嬉しそうに言う。じゃあ着けましょうかと言うとミラベルはベッドに行きこっちと言う。

ルミナスがベッドに行くと薄いベールのようなシーツを二人に掛け、私がルミナスに嵌めるからルミナスが私にお願いねと言う。まるで結婚式ねと言いながらルミナスはミラベルに指輪を嵌める。そして、ミラベルがルミナスに指輪を嵌める。見つめ合う二人。ミラベルがそっと目を閉じる。ルミナスがミラベルにそっとキスをする。そのまま倒れこむ二人。クスクス笑い合いながらお互いの指輪を見つめる。

その時ふいにルミナスが叫ぶ。

「そうだ!依頼受けてきたんだった。明日準備して、明後日には出発よ」と言い放つルミナスに

「また勝手に受けてきて。でもまぁ良いわ。丁度指輪の効果も試したいしね」ウキウキとミラベルが言うとルミナスは胡散臭いと言う顔をしたのだった。でもペアリングは嬉しかったし、効果はなくても良いのだった。

次の日は朝から買い出しと情報収集に走り回り、色々と成果はあった。まず『血塗られた謁見室』というダンジョンの詳細が分かった。その昔、ある王が人を殺すという行為に快感を覚えてしまい表向きは良き王として振る舞いながら、裏では数名の貴族と結託して地下に作った施設に市民を呼び様々な罠や魔物と遭遇させたりして殺しを楽しんでいたのだった。それが露見して王は自らその地下施設で殺されたのだった。市民を呼ぶ事を謁見と呼んでたので『血塗られた謁見室』という名が付いたようだった。

無数の人々を死に追いやった王は人々の苦痛や悲しみ怒りや憎悪を受けながら自分の死の瞬間も自分の死という事実に興奮し謝罪することは一切無かったという。そして、殺されたあとも様々な怨念を取り込み強力なアンデッドとして蘇り、その地下施設は無数のアンデッドが彷徨う『血塗られた謁見室』というダンジョンになったのだという。今まで何度か調査には向かったが帰ってきた者はごく僅かで、その殆どが無事とは言い難い状態だったという。S級冒険者も一度入ったらしいが帰ってくる事はなかったという話だ。

「何だか面倒臭そうなダンジョンね。」と言うミラベルに

「まぁ罠はもう死んでるらしいから、アンデッドにだけ気をつければ良いんじゃないかしら?」とお気楽なルミナス。

「問題は最深部に居るであろう王ね。多分アンデッドキングかそれ以上か」と心配するミラベルに

「大丈夫よ。私が居るもの。それにミラベルも居るし、怖いものなんてないわ」と自信たっぷりに言うルミナス。そうして夜は更けてゆき、遂に出発の日を迎えるのであった。


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