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女子中学生と結婚したいならバスタオルは花柄に限る  作者: 釈 余白
第二章:キグルミ愛好チーム

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9.恐怖ダルマ男

 Reinbowレインボウ Berthバースにおけるキグルミにはいくつかの種類がある。


 フルスーツといって一つで完結するタイプ、そしてチカのタヌキのように頭装備がわかれているセパレートタイプだ。


 セパレートは一般的に頭装備だけが超レアに属している。そして一般装備に頭だけ使うと、戦闘力への影響が少ないため人気もあって高額で流通していた。


「となると狙うはフルスーツになるのか? だけどなあ……


 オレはオークション画面をぱらぱらめくりながらめぼしいものを探すのが日課である。もちろん転売して差益を稼ぐ目的だが、レア素材などは自分で装備を作るのに使うこともあった。


 今回チカへ作ってやったのはレインボウジュエルという宝石を使ったHQ(最高級)革鎧だ。価格はタヌキ頭と比べたら大したことは無い。


 それでも入手難度はAだから決して安物ではなく、完成品を買ったら400万はするだろう。そしてチカが望むならリアルマネーのゲームアイテムである転写証書を使ってキグルミと融合させることもできる。


「いくら愛好会と言っても防御力1%のキグルミじゃあなあ。コイツなら全属性20%カットだし、チカも喜ぶだろう」


 いい大人が中学生女子に金を貸したりアイテムあげたりするのは微妙に犯罪臭がするが、別に下心があるわけではない。


 あくまで自分の楽しみ方の一つなのだ。多分……


 アレコレと邪念を持ちながらもオークションに出ていたキグルミをピックアップしたが今はあまりいいものが出てなかった。


 もちろんタヌキ頭のような高額品はあるが、はっきり言って法外な開始価格で数点出ているに過ぎない。


 形式上着るのだから無難なヤツがいいのだが――


「うーん、フルスーツはダルマとベーコンの二択か…… どっちも嫌だけどどうすりゃいいんだ? セパレートだと招き猫が一番安いがそれでも900万とはねえ」


 そんなセパレートに対してフルスーツのダルマは500万で十分高額だ。ベーコンなら200万だが、誰が好き好んでベーコンになりたい?


 確かこれは本国の精肉メーカーコラボだったはず。それにしたってもっとましなデザインにできたのではなかろうか。


 ダルマは東洋フェアのイベント景品だったか? 記憶が定かじゃないが、古いアイテムで流通も限られているはずなのに割安なくらいには人気がないようだ。


 それも当然で、ダルマをすっぽりとかぶるだけで手足はそのまま。もちろんフルスーツを着るとその他の装備はつけられないので素手素足である。


「いっそのことベーコンで茶を濁して後から変更すればいいかなあ……」


 まさか自分がダルマとベーコンを選択して悩むときが来るなんて考えたこともなかった。これはもう自分では決められないのでチカに選ばせよう。


 一緒に行動するのだからどっちがマシか。恥ずかしくないかってレベルの話になるだろう。




「断然ダルマ! かわいいじゃん! ウチも欲しかったけど無駄使いできないから我慢してたくらいにはいいと思うよ?」


「おい、それ本音だろうな? オレをからかって笑いものにするつもりだったら怒るぞ?」


「いやいや、このかわいさがわからないなんて大人って頭が固いよね。絵本に出てくる子みたいでマジでかわいいから」


 そう言えばこんなダルマが出てくる絵本があった気がする。それでもこちらのダルマはデフォルメされていないリアルな造形だから顔が怖い。


 これに手足が生えてうろうろしているのを見たら、夢に出てきそうなくらいには不気味だった。


 しかし結局はチカに押し切られてダルマへの入札をしてしまうのだった。終了は四日後、それまでは戦闘に出られるような装備を整えながら、いつものように貿易で差益を稼ぐとしよう。



 そして四日後、ほかに入札者はいないまま、オークションは静かに終了を告げた。



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