47.スキルとステータスと愛
レイバでは各スキルとステータスの合計が700までの間で自由に割り振ることができる。
スキルは基本的に成功率に影響し最高値は100、ステータスも高いほうが能力が高いのは当然だ。
チカの場合、スキル五つということはステータスに200振っていることになり、その割り振りは敏捷性が最高値の100で知性が最低値の20、残りを体力らしい。
オレの場合は生産スキルを山盛りにし、最後の100をステータスへ振っているため、戦闘になると最低限の能力しかない。
スキルを上げるためにはあげたいスキルを使用するだけなのだが、ある程度上がるまではほぼほぼ役に立たないのが辛いところだ。
魔法を上げたことがないが、意味もなく延々と魔法を使い続けるのはきっとバカらしい時間だろう。修行と言うのはえてしてそう言うものかもしれないが。
そんなチカの野望? もあって、魔法に必要な秘薬も公式オークションで購入しておくことに決めたオレだった。
相変わらずチカには甘すぎてまるで大昔に流行ったという貢君みたいだと晃には言われてしまった。だがオレもそう思っている。
かといってほかに有効な金の使い道もないし、元はと言えば相場で儲けた財産だ。いつか負けて大損するくらいならチカを喜ばせたほうがいい。
ただし――
「やっぱコレって愛されてるってことだよねえ。でもあんまり夢中になりすぎて捕まったら困るから注意してよね?」
「だーかーらー、リアルでその発言はやめろっての。里美ちゃんがへんなふうに受け取ったらどうするんだよ」
「あたしなら大丈夫ですよ? そういうの知ってますし。チカちゃんの性格含めて。あははー」
「もうサトったらへんな含み笑いやめてよね。今度は旦那ちゃんがウチを変な目で見てきたらどうすんのさー」
「だからレイバ内の呼び方は中だけにしてくれよ。マジでこんなの知らない人に聞かれて通報されたらたまんないよ…… 受験勉強見てあげられなくなっちゃうぞ?」
「それは困りますねえ。最近大分授業についていけるようになってきたし。この分なら城址高は合格圏内に入るって先生が言ってました」
「そっか、そういや二期制だから今は新学期入ったばっかか。期末はどうだったんだっけ? 聞くの忘れてたけどなにも言ってないってことは悪くなかったんだよね? そうだと言ってくれー」
「はい、あたしは平均ちょっとしたくらいで英語と数学が足引っ張った感じでした」
「おい、そこでひっそりと知らんぷりしてるやつ? 晃君はどうだったんだ?」
「―――― ぃか……」
「なんだって?」
「全教科平均点以下だよ! 悪かったか! ああ悪いさ! でも一緒にレイバやってたんだからそれくらい予想できただろ?」
「別に怒ってないしそんな権利もないさ。ただ三人で同じ高校行きたいなら頑張らないとな。でも平均以下でも大丈夫だろ。偏差値で言えば42~46くらいだぞ」
「それは月末の学力テストでわかるから楽しみだね。ウチもしっかり対策してるからダイジョブなはず。目指せ偏差値50!」
「めちゃめちゃ下げるからなあ。もったいないけど仕方ない。本来今の学力ならもうちょっと頑張ればKとかWも狙えるんだけどな」
「知らない子しかいない高校に興味ナッシンっ。どっちみち私立は行かせてもらえないから選べるのは都立だけだよ。んで親はどこでもいいって言ってる……」
なんとなく含みがありそうだが、言いたくないから言わないのだろう。相変わらず両親とはうまくいっていると言い難い様子だ。
できればそのあたりの問題も解決してやれればと思うと同時に、いまやっていることを知られたらそれこそ通報されそうな気がして、落ち着かなくなるオレだった。




