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女子中学生と結婚したいならバスタオルは花柄に限る  作者: 釈 余白
第五章:収穫祭とハロウィン

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46.オークションがやってくる

 十月に入りようやく待ちに待ってた祭りの時期だ。つまり年に一度の公式大オークション、収穫祭である。


 オークションには二種類あるが、それが運営出品の公式オークションとプレイヤー出品による公認オークションだ。


 ほとんどのプレイヤーは公認オークションに出てくるレアアイテムやお値打ち物などを狙っているのだが、オレのような生産職は公式オークションも楽しみにしている。


 なんといってもレア度の低い通常素材が大量に出回るのだ。普通なら採掘や伐採でちまちま集める必要がある素材が、運営によって破格スタートで大量放出される。


 資材集めの必要な他のMMOではプレイヤーによるBOT行為で素材を集めるのが常で、それが世界の相場を崩していく。


 しかしレイバでは運営が年一度とは言え価格破壊を起こさんとするため。やたらめったに稼いでも仕方がないと言う空気がある。


 しかもアカウントひとつで作れるキャラクターは一人だけ。貴重な枠とプレイ時間を割いてまでBOTをするプレイヤーは少ないのだ。しかも大して儲からない。


 だったらオレのように相場で儲けを出すことを考えるほうが健全で楽、しかも利幅もデカいと来ている。


 もちろん相場はゼロサムだから誰かが損をしているはずなのだが、そこは本格的と言ってもゲームだ。失っても金なんて他で稼げばいい。


 オレもそんな考えではあるが、収穫祭の前にはすべてのポジションを清算している。そうでないとあまりに安く出回った素材が先物市場で暴落してしまうのだ。


 始めたばかりのころはそれを知らなくて全財産を失い、数日呆けていたことを思い出す。今となってはいい想い出…… でもないが……


『ねえねえ、旦那ちゃん? なにか狙ってるものあるの?』


「一応鉄鉱石となめし皮は一年分くらい買ってもいいかな。安く落とせるといいんだけど、なめし皮は今年供給が少なかったら人気がありそうだ」


『あー、深海イベントは採掘絡んだし、その前はイースターで素材なんて手に入らなかったもんね―― ってそうじゃなくて!』


「ああ、レア系ってことか? それはもちろんダルマ以上のキグルミに決まってる。できれば動物系がいいけどギルメンと被らないほうが気分的にはいいかなあ」


『うちはね、旦那ちゃんちの近くに家が欲しいんだー でもそんな都合のいい物件出るかわかんないもんね』


「家があると課金しないといけないからやめといたほうがいいぞ? 家持ちとか言っても実質賃貸だからな」


『そっか、課金必要なの忘れてた。だったらウチもなにかキグルミとか面白いものがあったら参加するって感じにしよっと』


「チックは全然って言うくらい物欲ないよな。唯一キグルミだけだろ?」


『そうだね、キグルミなかったら続けてないかも。戦闘とか別にしなくてもいいし? そんなに面白さもなくない?』


「まあ戦闘自体はオレも好きじゃないけど、今回みたいに考えたことがうまく行ったら脳汁でるし、レアドロップがあるなら参加してもいいかなって思うようにはなったぞ?」


『すごい心境の変化じゃん。じゃあウチも今までやってなかった生産でもやってみようかな。それか魔法覚えて魔法剣士ってのもいいかもー』


「魔法かあ。それならオークションで出てくるだろう高位のスペルブックがあるといいかもな。魔法効果+100%とか、特効とかあれば戦術の幅が広がるだろ」


『問題は何を切るかなんだよねえ。今は槍術、受け流し(パリィ)戦術(タクティクス)、忍術、魔法抵抗で後はステータスに振ってるの』


「うーん、わからん。悪いけどアドバイスはできないからダイターにでも相談してみてくれ。でもガチビルドじゃないからわからないかも。それかギルメンに魔法剣士の人いたよな?」


『お猿さん? あの人は剣術魔導士なのかな。ウチはレイピア主体で魔法を補助的に使いたいのよねえ』


「じゃあ自分で試行錯誤してみるしかないな。必要なもので作れるものはオレが作ってやるし、買わないとダメでも出してやるからさ」


『あ、オークション参加の前に借金返さないといけないんだった、あはは……』


「そういやすっかり忘れてたな。かぼちゃヘルメットが売れると思ったけどムリそうだからなあ。まあでも楽しい思いさせてもらってるからチャラでいいよ。どうせ使い道なんてないんだから」


『貯金が趣味とかゲーマーっぽくないよね。本物のお金じゃないんだし、パーッとつかわないと楽しくないじゃん?』


「だな、最近はオレもそんな風に思えてきたよ。ありがとな」


『そんなお礼なんて…… 照れちゃうじゃないのー』


 そんなわけで借金をチャラにしたオレは、あとからダイターに散々からかわれるのだった。



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