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女子中学生と結婚したいならバスタオルは花柄に限る  作者: 釈 余白
第三章:イベントは天国と地獄

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23.カバンと装備と違和感

「大体一周で一時間くらいか。朝晩で四回はできそうだな。それにしても――」


『ねえねえ、コイン何枚もらえた? ウチは22枚だからまあまあかな』


「オレは…… 4枚だよ。サメスーツの交換ポイントって頭が3000、それ以外が1000だろ? まったく気が遠くなるなあ」


『ウチはいくつか取れると思うし休みの日にガッツリやれば多分ダイジョブ。旦那ちゃんは別にサメが欲しいわけじゃないんだからのんびりやればいいじゃん』


「いや、早くダルマから抜け出したいんだよ…… あれはとにかく恥ずかしすぎる」


『かわいいからダイジョブだよっ! それにもうみんなからダルマさんって呼ばれてるじゃん。今さら変えたら戸惑っちゃうよ?』


「いや、マジで勘弁してほしいわ。タヌキさんのほうがまだマシだよ。このリアルさが何とも言えず恥ずかしさを増してくれるからなあ」


 オレは設定画面から着替えメニューを選んでダルマのキグルミを恨めしそうに眺めた。コレのどこがカワイイと言うのか、女子中学生の感性にはついていけない。


 その着替え画面には今まで使っていた海賊服が並んでいる。シャツにベスト、パンツにカットラス付きのベルトがセットになっていて帽子はオプションだが、全部あわせて500円、つまりリアルマネーアイテムである。


 ちなみに今は戦闘に来ているのでレザーセットアーマーでフル装備にしている。チカは先日作ったHQレザービスチェに揃いのレザースカート、なんだか強そうなレアっぽいロンググローブに炎色がまぶしい編み上げサンダルの組み合わせだ。


「それにしてもチック(チカ)の装備はちょっとなんというかセクシーすぎないか? せめて下は長めのスカートにしたほうが良かったな……」


『なになに? 周囲からジロジロ見られちゃうからヤキモチ妬いちゃうとか? あははー ゲーム内だからできるカッコだよね。現実でこんな短いスカート履いたまま暴れてたらパンツ丸見えだもん』


「まあ戦闘中はひらひらして見えまくってるけどな…… 恥ずかしくないのか?」


『全然恥ずかしくなんてないよ。愛する旦那ちゃんがくれた初めての装備だよ? むしろ自慢したくて見せびらかすまであるって』


「ちーがーうー、中身の話だ!」


『中身ってなんかヤラシイ言い方じゃない? でも下着はアバターにくっついてるからどうにもならなくない? 見せパンとかないしさっ』


「やっぱロングスカートを作り直そう。もしくはパンツルックにするか。パレオって手もあるけどどうする?」


『いーやーでーすー、絶対このままがいいっ! はじめてもらったんだもん。ずっと使うよ。でも腕と足装備は無くていいよ。これ気にいってるし』


「その腕装備はなんかレアっぽいもんな。見たことないけど―― モールグラブってなんだっけ?」


『一昨年の年末イベに出てきたモグラボスのドロップ品だよっ! カッコいいでしょ?』


「爪がついてて強そうでいいな。地面掘ったりはできないだろうけど確かにカッコいい。アーマー効果は―― 15%もあるし攻撃アップがついてるのか」


『うんっ! 攻撃がついてるアーマーって珍しいからね。これは一生ものだよ』


「サンダルは普通のっぽいけど? 色はネオンカラーで珍しいけどな」


『これは去年のハロウィン時期に突発で遭遇したEMイベントの景品を譲ってもらったやつなの。代わりにロボットのフルスーツとカエルのボディスーツを出したけどね……』


「めちゃ高いやつ! しかもプロパティなしってところが渋いね。こだわりがあっていいと思うよ。チカらしさもあるから良く似合ってる」


『もう、ダンナちゃんてばほめすぎー ウチ、顔が火照ってきちゃった』


「またそうやってからかうんだからなあ。うかつに褒められなくなるぞ?」


『じゃあウソウソ、もっと褒めてかわいがってー、愛してー』


「オレが火照ってくるっての! それにしてもオレはロクなもん持ってないなあ。戦闘用装備も少しは考えなきゃダメだな。見た目が悪すぎる」


『吊るしの革鎧フルセットだもんね。今どき初期キャラでしか見ないやつ…… お金あるんだからいいの買えば、っていうか作ればいいんだよ』


「そしたらもう少しポイント稼げるようになるかな。とにかく死ぬ回数が多すぎて保険金がいくらあっても足りないよ。まあエゴマッチョさんには負けるけど」


『でもエゴマッチョさんはタンクで前に出てるからポイントはそこそこ稼いでそう。10枚くらいは言ってると思うな』


「な、なんだと!? オレの倍以上だったらへこむなあ。でも爆弾の射程内に入ったときにブレスが来ると即死だし……」


 そんな会話をしながらバッグを整理していると、なにやら見慣れないものが目に留まった。


「んん!? これなんだ? 知らないアイテムがバッグに入ってるぞ?」


『どしたの? なんかバッグに湧いてたとか!?』


 そう言いながらチカがオレの隣にくっついてきたが、もちろん画面が見えるはずはなく、二人は顔を見合わせて大笑いした。



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