第173話 勇者、ピンの指すポイントを見つける。
「このピンがヒント······?」
「どうかしました神黒さん?」
桜は俺がふと呟いた言葉を聞いたのか、不思議そうにこちらに顔を向けた。
······どう説明すれば良いんだ? 前にも聴こえたことのある声が空から聴こえてきて俺らの行く先を教えてくれたなんて言ったって、まともに理解してくれるわけもない。
「地図を開いていただけだよ······」
言葉に詰まり、本当のことが言えないまま会話は止まった。
「こんなにも高いと飛んでも無駄のようだな。引き返すか~」
「引き返すって言ったってどこへ行けば正しいのやら······」
明たちは行き先に困りつつもどこかに進み、出口を探したそうにしていた。そんな明たちを見て俺はさっきあった出来事を話した。
「島の中央にピンが刺さっているのか······、その地図によると俺たちの進んだ道のどこかに帰り道に繋がるヒントがあるってことか······」
「とりあえず行ってみましょう! 神黒さん!」
行き先は決まったものの、肝心な目的地へ行くには先程アリに襲われそうになった洞窟付近を必ず通らないといけない。
危険を伴う危ない道だが、俺たちはその道を通り抜けることにした。
「戻って来ちゃいましたね······」
「あのアリと遭遇しないといいけど······」
明たちはアリの群衆に追っ掛け回されると思っておどおどとしていたようだが森の中や洞窟の入り口付近にはアリの姿は見えず、すんなりと抜けられた。
「そのピンって島の中央に合ったんだろう、それってあのガーディアンと出会った場所だったりして······」
「確かにあり得る!」
「ガーディアンに追われていてヒントのあるポイントを見失っていたのか······」
俺たちは休憩を挟みながらヒントのある場所へ向かうと青い柱を模した光を見つけた。どうやらシステムが場所を発光しているようだ。
青い光柱のある方向へ進んでいくと古代エジプト文明にあるような砂漠に透かすピラミッドがそびえていた。
「神黒さんの言っていたヒントはあれそうですね」
俺たちが近づくほどに砂漠に透かしていたピラミッドは色を変え、存在感は増していった。
「これはデカイですね······」
楓や桜はピラミッドの迫力に驚き呆気にとられ、直立不動となっていた。
ピラミッドは驚く間も与えないほどに次から次へと俺らの想像を超えていった。最初はピラミッドの迫力にさらされ、入り口の自動開閉、中へと入ればあちらこちらに光る線が張り巡らされていた。だが、最も驚いたのはそんなピラミッドの中に街が広がっていたことだ。
数々の建物に明かりが灯され、挙げ句の果てには街役場さえ配備されていた。
「あの混沌と化した世界に人類の集落があるとは······」




