アレクの再来
私が生まれる前に亡くなった叔父上…父は叔父上については何も語らなかった。
これは、知るチャンスなのかもしれない。
「叔父上の事を詳しく知りたい」
「語ると長くなります。なるべく短くはしますが…お聞きになりますか?」
「頼む…」
アルトの話はこうだった…
ラー・アレクサンドラ・グレーキャット…私と同じアレクサンドラという名前…
私の父メルエンとは双子で、アレクは弟の方であった。
小さい時から発明の才能を開花させ、様々な物を物を作っていた。
「アレク様は本当に…民の事をお考えでした。常に誰かを気遣い、また、当時ただの孤児であった私を路上からご自分の世話係にし、そして王になられてからは私とマーチを大臣に据えました」
メルエンと共に王になってからは自分の近くの者にジタンの薬を飲ませ、国を良くするために尽力した。
当時山賊であったグスタフと勝負し、グスタフを仲間に引き入れたという興味深い話も聞けた。
「叔父上は凄い方だったのですね…」
「そうです。国にとっても民にとってもアレク様は希望でした」
今ある灰猫国はアレクが作ったと言ってもいい程の技術の向上、生活レベルの向上…すべてがアレクのおかげだとアルトは熱く語る。
「それが…ある日、アレク様は趣味の乗馬にお1人で出かけようとしたのですが…馬が興奮し、落馬してしまい…馬に頭を蹴られてあっけなく亡くなってしまったのです」
「それを発見したのは誰なのだ?」
「メルエンです」
「……」
私は…その時生まれてなかったから真実は知る事は出来ないが…本当に叔父上が凄い人だったのだとは分かった。
「私も叔父上を目指さなければならない」
「そうです。セティ様はアレク様の…いや、よしましょう。
では、戦闘服を着ましょう」
そう言うとアルトは衣装箪笥から赤い戦闘服を取り出す。
「これが叔父上の…」
着てみるとピッタリだった。
「おぉ…本当に…アレク様と瓜二つ…」
涙ぐむアルト…どうして皆そんなに私の事を叔父上と似ているというのだろう?
もし、肖像画の1つでも残っていれば私は叔父上の姿を知る事が出来ただろうに…。
「さぁ、兵士達の準備も整ったかもしれません。行きましょう」
私は準備の整った軍団長グスタフ、並びに100名の兵士と共に山賊討伐へと向かった。
「へっ、こうしていると昔を思い出すなぁ」
「グスタフは叔父上と共に戦ったと大臣に聞きました。叔父上はどんな人だったのです?」




