アレクの部屋
「それでは…!」
「あぁ。力を貸してやる。まずしたい事を教えてくれ」
差し出された手を握る事は出来ないが…私は頭を下げる。
「よろしく頼む…」
「こちらこそな。存分に使ってくれ」
こうして私は軍団長と王国軍を配下に加え、国を立て直すべく国政に参加した。
「やりましたね、セティ様。まさかグスタフを配下に加えられるとは思いませんでした」
翌日、大臣達の元に行くとアルトがそう言い、出迎えてくれた。
「私もだ…命を失うかと思った」
実際に殺されかけた…
「ほんと、悪かったよ王様」
ボリボリ頭を掻きながらグスタフは悪びれる。
まだ腕は動かない。1カ月は骨がくっつかないそうだ…。
「それで…緊急性の高い嘆願書についてだが…」
「人さらいの山賊の討伐ですね。あとは大雨が降る前に水没しそうな村にダムを建設する、飢饉の村への援助です」
アルトが嘆願書を広げる。
「どうすればいいのだ…」
「そうですね…王国軍はざっと3万人。機能しているのは1000人程度でしょうか。
山賊討伐に100名、ダム建設に300人、飢饉の村に50名ほど派遣されては?」
「なるほど…私もどれかに同行したいのだが」
「それだったら山賊討伐に一緒に行かねぇか?その後は一緒に行けばいいだろう」
「そうか。ではすべてに参加しよう」
「よし!そうと決まればまずは山賊退治だ!兵士共の準備をさせて来る」
グスタフは大臣の屋敷から出て行く。
「私も戦えれば…」
腕が動かない。これでは剣を握る事すら出来ない。
「セティ様は現地に行かれるだけでも兵士の士気が上がり、村人達に歓迎されるでしょう。それが重要なのです」
「そうなのか…」
全く政治に参加してこなかったからそんな事も知らなかった。
「では、準備をなさらねば。アレク様が着ていた王の戦闘服があると思います。そちらを身にまとい行きましょう」
私はアルトとマーチについて行き…初めて亡き叔父の部屋に入った。
「此処は…」
とても綺麗にされてはいるが、何処か懐かしい感じがした。初めて入るのに……そうだ。私の部屋に似ているんだ。
大きな何個もある机には何かの機械と設計図。
「アレク様は発明が好きでした。
民の暮らしをよくする為日夜寝ずに発明をし…しかし、あの落馬事故で亡くなられ…」
アルトは涙を浮かべ、そう語る。
「叔父上の事は存じ上げませんが…偉大な方だったのですね」




