両腕を折られるセティ
「!!」
軍団長が隙を見せた瞬間、私は軍団長の足に剣を突き刺す。
「ってぇ!」
尻尾を離され、着地した私は軍団長と斬り結ぶ。
「おい…あの王の背中の傷は…」
「あれでしょ…弟達にやられた…」
観衆のヒソヒソ声が妙に聞こえる。
皆私の背中の傷についてヒソヒソしている。
「なるほどな。メルエンのガキ共にやられたのか」
「うるさい!そんなものは過去の事だ!」
さっきよりも攻撃が当たる。でもかすり傷程度しか与えられない。
「いいだろう。おしまいにしよう」
「?!」
バチンと剣の鞘で右腕を強打され、数秒後に今まで味わった中でも一番の痛みを感じた。
「っ!!はぅっ…!」
剣が持っていられない。剣を落としてしまい、反対側の手で腕を押さえるが押さえた瞬間に激痛が走る。
「利き腕の骨を折った。もう剣は持てないだろう」
「く…あぁぁっ!!」
反対側の手で剣を持ち、軍団長に斬りかかるが利き腕ではない慣れない攻撃は簡単にかわされ、腹を蹴られて吹き飛ぶ。
「もう1本も折っておくかっ!」
ダンッ!!
「うがぁぁあああっ!!」
剣の鞘を勢いよく左腕に振り下ろされ、また同じ激痛が走る。
両腕を折られ、腕に力を込めようとすると更に激痛が走る。
「セティ!!」
「みゃああああああんっ!!」
「クソガキ!!立て!!もう逃げろ!!殺されるぞ!!」
妻が、子が、義父が私に声をかけてくれる…私は頭を地面に擦り付けながらバランスを取って立ち上がり、再び向かって行く。
「腕を潰されたのに何が出来る!?」
余裕の軍団長はガードすらせず腕を広げる。
ガブッ
私は軍団長の腕に噛み付き食いちぎろうとするがその丸太のように太い筋肉の塊の腕はびくともしない。
「その程度か!」
ぶんっと振り払われ私は地面に落ちる。
「がっ」
頭を踏みつけられ、動くことが出来ない。
「このまま頭をぺしゃんこにしてやる」
「ぐああっ!」
ミキッと頭から音がする。
「やめて!!」
その時、イヴの声が響き渡る。
「お願いです!!私を好きにしていいから…セティを助けて下さい!!」
「みゃぁあああんっみゃぁあああん!!」
イヴの腕の中ではラムセスが泣いている。
「ふん。本当だな?」
「はい!だからセテ…きゃあ!!」
「!!ラムセス!!」
軍団長が摘み上げたのはイヴの腕の中で泣いているラムセス。
「なっ、息子をどうする気だ!!」
「どうするって?俺様はうるさいガキが大っ嫌いだ!しかもメルエンの血を引いたガキなんぞな!」




