国王の務め
なるほど…まずはお金稼ぎか。
「他には何をすればいい?」
「こちらをご覧ください」
そう言って机に案内されると山のように積まれた紙の束がある。
「国内から寄せられた嘆願書です。この中から緊急性を要する物を優先的に選び解決して行く事です」
「例えば?」
「この水没しそうな村にダムを建設する、人さらいの山賊の討伐、飢饉の村への援助などです。
ですが王国軍がメルエンの時代から機能していないのでそちらをまず立て直すところから始めなければいけません」
軍隊なんて聞いた事がない…。そもそも存在していたのか?
「では今日は王国軍の立て直し…からか」
「はい。大臣の権限、いえ…大臣ごときの言う事では王国軍は動きません。国王自ら指揮を執らねばならない時もあります」
「分かった。有難う。
では先にイヴに…妻に今日は遅くなるか、数日帰らないと伝えて来る」
私は大臣達に背を向け歩き出そうとした瞬間大声で「お待ちください!」と引き留められた。
「妻、とおっしゃいますが正妻ではございませんよね?決めてませんよね?」
「正妻に…考えてなかったがしたいとは思っている」
「砂漠狐人の女性ですよね?猫科ですらない」
さすがにその言い方にはカチンと来た。
「だったらどうしたと言うんだ!私はイヴを愛している!この世で一番!」
「駄目です!正妻にするのは黒豹王の娘ピアージュ様に決まってるんです!これは外交での決定事項です!」
「なんだと?!」
思わずアルトに詰め寄るがアルトも負けじと言い返す。




