正妻の座
「我が国は黒豹の領域に隣接しています。その気になれば王国軍の機能していない我が国などあっという間に占領されてしまうでしょう。
外交はとても大事な物です。もう決定事項なんです!今はまだ幼いですがいずれは正妻にしていただかないと。その座を空けておかねばなりません!」
「……っ」
ギリッと奥歯を噛み締めて耐える。此処でこじらせては後に不利になる…私は、父のような無能な王になってはいけない。
(大臣の言う事は正しい…確かにイヴは猫人ですらない…いくら愛していてもどうにもならないのか…)
「…分かった。だがイヴ以外抱く気にはならない」
「いずれはお世継ぎを作ってもらわねばなりません。今ハーレムの女達まで抱けとはいいませんが、いずれは考えて下さい。それも王の務めなのです」
「……」
私は頷いてから今度こそ背を向けイヴの元へ向かった。
「セティ様…」
廊下を歩いている時、もっちが心配そうに私の名を呼ぶ。
「…大丈夫だ。大臣達の言う事は正しいのだ…」
悔しいが反論出来なかった。
結婚したら自動的に正妻になるのがイヴだと思ってた。
「イヴの顔を見て来る。もっちは待っててくれ」
そう言って一人で自室に入るとイヴはラムセスと一緒に眠っていた。
(疲れているのだな…)
「イヴ。今日は遅くなるか数日帰れなさそうだ。ラムセスを頼むぞ」
と小さく言うとイヴの耳はピクッと動き、目を覚ます。
「いい。起き上がらなくていい」
「…分かりましたセティ。どうか気を付けて」
「あぁ。行ってくる」




