父の名と叔父の名 スチルあり
「そう言えば、セティ様のお名前は2つありますが」
暫くラムセスに乳を飲ませていたイヴがふとそう聞いて来た。
「あぁ。アレクサンドラか?これは叔父の名前だ。何故私に付いているのかは謎だが」
(挿絵:花見酒様)
多分だが、レベルを引き継がせるために付けた名前なのだろう。
「ラー・アレクサンドラ・グレーキャットと言ったかな。私の死んだ叔父の名前は。父の名はメルエン・エドワード・グレーキャット」
衝撃的な最期を迎えた父だったが…名前の意味は「愛されし者」…父も、愛されて生まれて来たんだろう。どうしてか歪んでしまっていたが…。
「じゃあ、この子の名前はラムセス・リチャード・グレーキャットにしますね」
「!!」
リチャード…それは兄の2つ目の名前。
「ね?いいでしょ?
きっとラムセスの中でお兄様は生きてるの」
乳を飲み終わったラムセスの背中をポンポンと叩きながらイヴはそう言う。
「…いいのか?その…本当に、嬉しいんだが」
「勿論です。普段は呼んであげれないけど、この子の名前はラムセス・リチャード・グレーキャットです」
「有難う、イヴ…」
私はそっとラムセスの頬に指一本で触れる。
「ぅ…キュッ…」
「なんだ?!」
変な声を上げるラムセス。
「あぁ、曖気…ゲップをしたのですよ。赤ちゃんはお乳を飲む時に一緒に空気を飲み込んでしまうんです。大人なら平気ですが、赤ちゃんは曖気をさせないとお乳を吐き戻してしまう事があるので」
「詳しいんだな」
「弟がいたので母のやることをよく見ていたんです」




