セルケトの遺書
私は部屋を見渡すと机の引き出しが少し空いているのに気付く。
引き出しを開けてみると「セティへ」と書かれた封筒を見つける。
「セティ様、お兄様からの手紙がありましたわ」
「あぁ…」
「こちらです」
「あぁ…」
「……」
聞いていない。仕方なく私は封を開け、手紙を読み上げてみた。
─ セティへ ─
この手紙を読んでいる頃には僕はこの世にいないでしょう。
セティ、今まで有難う。僕はセティのおかげでここまで生きる事が出来たよ。
17年間、本当に幸せでした。セティには感謝の言葉しかありません。有難う、セティ。
リースとお腹の子と幸せにね。
あの偏屈爺さんがお舅さんだと大変かもしれないけど頑張るんだよ。
王様になったらちゃんと国民の事を思いやるんだよ?
灰猫領を、世界で一番の国にしてね。
沢山沢山話したい事あったけど、それはセティがずっと後にこっちに来てから話そうね。
大好き、セティ。有難う、セティ。
セティ……寂しいよ。
でも、こっちに来ちゃだめだよ?
ちゃんと100年生きて、沢山子供を作って、国をよくするまで来ちゃ駄目だからね?
今度生まれ変わったら、僕はセティの子供になりたい。セティと一緒にいたい。セティに愛されたい。
いっぱい生きてるうちに愛をもらったのに僕はわがままだね。わがままな兄を許してね。
最期にもう一度。
有難う、セティ。大好き。
貴方の兄、セルケト・リチャード・グレーキャットより




