遺書を書くセルケト スチル&マンガあり
「やだっ、セティったらもう何回目?」
「仕方ないだろう、イヴが好きすぎて、子供もいっぱい欲しいんだ」
セティの部屋の扉の前に来ると中からそう声がした。
「もうお腹にいるじゃない。そんなに一度に何人も産めません」
あぁ……僕には出来ない事をセティは何度も…
すぐに会話は情事の声に変わり、僕はノックしようとした手を下した。
(明日の事を相談したかった…別れの挨拶をしたかったけど…)
僕は自分の部屋に戻り、机から紙とペンを出す。
「……」
─ セティへ ─
この手紙を読んでいる頃には僕はこの世にいないでしょう。
セティ、今まで有難う。僕はセティのおかげでここまで生きる事が出来たよ。
17年間、本当に幸せでした。セティには感謝の言葉しかありません。有難う、セティ。
リースとお腹の子と幸せにね。
あの偏屈爺さんがお舅さんだと大変かもしれないけど頑張るんだよ。
王様になったらちゃんと国民の事を思いやるんだよ?
灰猫領を、世界で一番の国にしてね。
沢山沢山話したい事あったけど、それはセティがずっと後にこっちに来てから話そうね。
大好き、セティ。有難う、セティ。
セティ……寂しいよ。
でも、こっちに来ちゃだめだよ?
ちゃんと100年生きて、沢山子供を作って、国をよくするまで来ちゃ駄目だからね?
今度生まれ変わったら、僕はセティの子供になりたい。セティと一緒にいたい。セティに愛されたい。
いっぱい生きてるうちに愛をもらったのに僕はわがままだね。わがままな兄を許してね。
最期にもう一度。
有難う、セティ。大好き。
貴方の兄、セルケト・リチャード・グレーキャットより
(挿絵:わか太郎様)
(漫画:HIMANA様)
遺書を封筒に入れ、引き出しにしまうと僕は眠りにつく。明日の為に…




