イチゴ ~セティside~ HIMANA様の漫画あり
~セティside~
王都の外れにある名もなき小さな教会に行って私達は結婚式の予約をして来た。
「一週間後か…楽しみだ」
「えぇ。楽しみね」
式は証人への誓いを立てるだけの簡単な物にした。
「衣装選びをしに街の仕立て屋に行こう」
仕立て屋に行き、何時間もかけて婚礼衣装を選んだ後は宮殿に帰る道を二人で歩いた。
「あ!イチゴが売ってる」
市場を通りかかった時、イヴが果物屋の前で止まった。
「いちご?」
「はい。甘酸っぱくてとっても美味しいんですよ」
イヴは果物屋の前でパタパタと尻尾を振っている。
「へい、いらっしゃい。美人なねぇさん。この果物を知ってるとは通だねぇ」
「はい、私の生まれ故郷の名産品です。とっても美味しいですよね」
赤くて粒粒と種の付いた見たこともない果物だった。
「これは妊婦が食べても平気なのか?」
「むしろ食べた方がいい果物ですよ!食べ過ぎは良くないですけどねぇ」
身体にいいなら食べさせた方がいいか。
「いくらだ?」
「1皿500ガルです」
「では2皿もらおう」
財布の中から1000ガルを出し、果物屋の主人に渡すとイチゴを袋に詰めて差し出される。
「有難う、セ……アナタ!」
「あ、あぁ」
イチゴの入った袋を持つとイヴが腕を組んで来る。
「元気な赤ちゃんを産みなよ、ねぇさん!」
「有難うございます!では!」
嬉しそうに尻尾を振りながら歩くイヴに私はひっぱられる形で宮殿へと帰る。
「もっと他にも欲しい物があれば買うが」
「いいの。私あまり高いアクセサリーとかよりもイチゴとか食べ物の方が嬉しいですよ」




