兄の病気の事
「…はい!勿論です!」
幸せにする自信ならある。王子という立場を利用することになるがひもじい想いなど絶対にさせないし、もし腹の子が生まれても…あ。
「兄上…申し上げにくいのですが…」
「うん?なんでも言ってごらん」
「…イヴを孕ませてしまったかもしれません」
「セティ様!それは…」
そう言うと兄は声を上げて笑い、咳き込んでしまう。
「ごほっ、ごほっ…はぁ、すまない。セティって見かけによらず手が早いんだね」
「んな…」
「ごめんね、リース。こんな弟だけど見捨てないであげて。ちゃんと責任取らせてやってね?」
「はい。勿論です……ですが、その。お兄様の事を聞いてもよろしいでしょうか?」
イヴにそう聞かれると兄は頷き「なんでも聞いて」と言う。
「お兄様は何処かお身体が悪いのですか?」
「あぁ。肺がね…生まれつきの奇形なんだ。魔法と機械、薬学ばかり発展したこのモノクローディアで僕を治せる医者はいないんだそうだ。胸を開いて手術をすれば治るそうだけど、そんな高度な技術を持つ者はこの世界にはいないからね」
「そうなのですか…苦しみを和らげる薬なら私の生まれ故郷にありますが…」
「麻薬だろう?知っている…苦しみは軽くなるが依存性が高く、禁止されている薬だろう」
イヴは頷く。
「王族としてはそのような薬に手を出してはいけないからね…自分の運命は生まれた時から受け入れているよ」
兄は胸を撫で、目を閉じる。
「だけど、セティとリースの子供を見るまでは死にたくない。だから、元気な子を産むんだよ?」




