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イヴの過去

「失礼します」


ノックをしてから兄の部屋に入ると兄は既に着替えを済まされていてベッドに腰掛け外を見ていた。


「やぁ、セティ…と、それにリースも。おはよう」


「おはようございます、兄上。昨日は部屋に来れずすいませんでした…それに今朝も遅くなり」


「いいんだよ、セティ。自分の事を優先していいんだ。セティは今まで僕を優先しすぎたくらいだ。逆に申し訳なくて毎日悩んでいたくらい」


「そうなのですか…それは…」


言葉が出て来ない。


「それよりもリースを紹介してくれるかな?」


「あ、はい…彼女はイヴリース……」


紹介、と言われても名前以外分からなかった。困ったようにイヴを見るとイヴは頷いて兄に一礼する。


「イヴリース・ファンタジアと申します。私の養父はご存知の通り世界新聞局長メイホウ・ファンタジアでございます」


「うん。君の事はメイホウに聞いたよ。南の生まれなんだって?」


「はい。生まれはコーチ島になります。恥ずかしながら生家は貧乏で私のようななんの役にも立たない女子は売られるのが当たり前でした。

私と村の女の子達はたまたまコーチ島を訪れたメイホウ様に買っていただき、踊り子として養育され、今に至ります」


イヴにそんな過去があったなんて知らなかった。でも…こうして出会えたのだからその不幸な境遇ごと愛する覚悟は出来た。


「だ、そうだよセティ。ちゃんと幸せにしてあげるんだよ?」

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