写真?
「さぁ、行こうか」
「はい」
部屋から廊下に出ると窓から庭が見える。庭では踊り子が10人ほど舞の練習をしており、それに合わせて音楽を奏でる者達もいた。
「世界一の美女はどの子だろう」
「さぁ。此処からでは顔までははっきり見えません」
舞い踊る踊り子達は皆尻尾が大きいとだけしか見えない。
見慣れない種族だ、と思った。
私の誕生日会場である庭に出ると集まっていた貴族や豪商たちが振り返る。
「セティ王子!お誕生日おめでとうございます!」
皆私と兄の周りに集まり、口々に祝いの言葉を言っていく。
「あ、ありがとう…」
自分に祝いの言葉をくれる人なんて初めてだから戸惑ってしまい、兄上の手をぎゅっと握ってしまった。
「大丈夫、セティ。笑ってるだけでいいんだよ」
「はい…」
なんとか笑顔を浮かべて…祝いの言葉をかけられるたびに頭を下げる。
パシャリ
「?!」
急に光が当てられ、驚いてそちらを見ると何か大きな機械から紙を取り出している黒い猫人と目が合った。
「ふむ!見て下さいよ王子様、綺麗に撮れてるでしょう?」
そう言いながら紙を見せつける黒い猫人の男…
「あ!セティの絵が!しかもこんなに忠実に?!」
兄が受け取り、その紙を持って私に見せてくれる。
「写真を見るのは初めてですか?」
「しゃしん?」
「これですよ!この機械でパシャッと写すだけで影がこの紙に転写されます」
「凄いな。…で、貴方は?」
初めて見る男だった。いや、あまり宮殿から出ない私にとって今日会う者はほとんどが初めてだが。




