へんてこな名前の執事
翌朝…
「起きて下さい、セティ様!」
遠慮なく揺すり起こしてくるのはもっちりーな2世。私の専属の執事だ。
「あ…あぁ、おはよう、もっち」
(挿絵:花見酒様)
このへんてこな名前を全部毎回呼ぶのは面倒なのでもっちとだけ呼んでいる。
「早く朝の支度をなさってください。そしてこれに着替えて下さい」
もっちが出したのはいつもとは違う王家の正装だった。
「着にくそうだな」
「そのために急いでください。さぁ!」
「分かった」
歯磨きをし、髪を整え、朝食を食べたらその着にくい王家の正装に着替える。
「肩が寒い」
「マントくらいなら羽織っても大丈夫でしょう」
いつものマントを上から羽織り、私は兄の部屋へと向かう。
ノックをし、兄の部屋に入ると兄も着替えをさせられているところだった。
「あぁ、セティおはよう。よく似合っているよ」
「おはようございます兄上。有難うございます」
メイド達を下がらせ、兄に朝食をさせる。
「ごほっ、ごほっ」
食べている時に突然むせたり咳のし過ぎで吐いてしまう事はよくある。その都度様子を見ながら口元を拭いたり背中を摩ったり、用意してある洗面器で嘔吐を受け止めたりしている。
「ごめんね…セティ」
「何も気にしないで下さい兄上」
兄上が生きていてくれるだけで私はいいのだ。
兄の食事が終わると歯磨きをさせ、私は兄を毛づくろいする。
髪の一房一房丁寧に舐め上げ、寝癖を直して差し上げると兄も私の髪を舐めて直し切れていなかった寝癖を直してくださる。




