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父上の根回しもしっかりしよう。
兄上が魔物を討伐しつつ、持ち帰ろうとしてる薬草は、万能薬の原材料だと。
帰宅した暁には、表彰が必要だと伝えたら、父上は喜んで表彰式の準備を始めた。
政務を一人でこなす賢王なんだよな?
俺の浅知恵に左右されすぎじゃね?
…子煩悩な人という事にしておこう。
そんなこんなで、兄上が帰宅したのは一カ月後。
民が並ぶ中、少し照れた少年らしい笑顔を見せつつ、手を振って応える兄上はキラキラと輝いているように見えて、俺としては大満足だ。
そして、兄上は、無事に薬草を手に入れ更に、4つの洞窟を討伐、封鎖して来たらしい。
5つ目にも手を出したらしいが、不穏な空気を感じて、父上に報告する為に一度帰宅したそうだ。
その内容というのが、洞窟内には魔物の姿が一切無いにも関わらず、嫌な雰囲気は漂っており、地中から拍動のようなものを感じたが道が無かったというものだった。
父上は、この状態に何かしら思う事があるようで、すぐさま調査隊と王宮内の禁書なども保管してある書院内を、父上、兄上、俺の三人で調べる事になった。
「父上には、心当たりがあるのですか?」
兄上の質問に、険しい顔をした父上が答えたのは…
「魔王が復活するのかもしれん。」
その言葉に、兄上は固まり、俺はというと、ガチのファンタジーじゃねぇか。と、内心、魔王という響きに少し興奮を覚えてしまっていた。
調査隊が帰還するまでの、三ヶ月間を俺達は、書院での調べものに費やし持ち帰られた報告書と照らし合わせた結果、本当に、魔王復活の予兆であると判断がおりた。
魔王復活マジか。
え?転生した事に関係ある?
勇者として立ちがるとか?
いやいや、俺、剣の訓練投げ出しましたけど?
一人悶々と考えているうちにあれよあれよと、魔王対策本部まで設置された。
今の段階では、魔王復活は5年後あたり。
その時に、成人を迎えた王家のものが聖女召喚を行う事。
それまでは軍事施設を更に整え、対戦に向けて準備する事が、世界にも通達された。
さて、聖女召喚を何故うちの国で行うか。
勇者が聖女を召喚するものと、決まっているかららしい。
安直ではあるが、確かに聖女召喚の儀はうちの国にしか伝わっていないようだった。
今、俺は10歳になっているので5年後だとギリギリ成人ではあるが、勇者として立つなら間違いなく兄上だ。
兄上が勇者となり、聖女召喚を行い、魔王を討伐。
俺が心配しなくても、問題は無かったようだ。
よし、なら安心して薬学に励もう。




