2
風邪に効く薬草に、魔法を掛けて丁度風邪で休んでいるというメイドに飲んでもらうようマルスに頼んだ。
魔法が付与されていなくても、風邪の薬草には違いないので、問題はないと判断の上で。
薬自体が、安価なものではないのでメイドは恐縮したそうだが結果、飲んで直ぐに完治してしまい、焦ったマルスは王族用の薬なのでこの事は必ず口外しないようにと釘を刺した。
それを聞いたメイドは青ざめて、必ず口外しないと誓ったそうだが、そんな高価な薬を自分の為に用意したマルスに好意を抱いて、猛アタックにマルスが辟易すると言うエピソードもあったりしたが、完治してしまう程効果をもたらしてしまった薬の効果を今度は薄く出来るように調整が必要となった。
試行錯誤の結果、魔法を付与した薬草と普通の薬草を混ぜれば効果を調整出来る事が分かり、通常の薬草に、魔法を付与した薬草を必要量混ぜて、Bランク、Aランク、Sランクと効果を分ける事にも成功。
Sランクの薬で八割完治位で効果を留める事に決めたのだか、人によって症状も違うだろうからその調整が一番難解な部分でもある。
その為俺は、症状を聞き取ってから調合をするという方法に変更し、魔法の練習のつもりが、薬学にどんどん興味が出て気付けば一年もせず薬草の資格を取ってしまっていた。
通常は、学び始めて5年以上はかかるのだとか。
薬草を集める財力もそうだが、指南書も安いものではないし、治験自体も伝手がないと易々出来るものではないからだ。
父上が大変喜んで、表彰しようとして来たのだが、俺には環境が整っていただけだと辞退した。
そんな目立つ事はしたくないのが理由だったけど。
父上は、そんな俺を謙虚だと、民を助ける素晴らしい資格なのにと、気が収まらなかったらしくて、薬草の温室を作ってくれた。
これは、普通に有り難かったので戴く事にしたけども。
カイル印の薬剤は、安価で効き目も抜群という事で、他の薬師から不満が出てしまい俺の温室から薬草を安価で卸す事で収まったが、次は薬草を採ってくる依頼を扱う、冒険者ギルドからの不満が出たので、定期的に俺が薬草採取の依頼を出す事にした。
「マルス…私は、魔法の練習をするのではなかったか…?」
「当初はその筈ですが、薬は民にとっても必要な物でありましたので…」
「まぁ、以前よりは魔法を付与出来る量も時間も増えたし、微調整も可能になった気はするが、相変わらず書物も見つからないままで、魔法自体は謎のままだが」
「ですが確実に、民が病気で命を落とす数が減少しておりますし、素晴らしい事です。」
「なにかと父上が表彰してこようとするのが問題だな…。兄上もすこしばかり、俺の行動を気にし始めた。何か対策が必要だな。マルス、兄上と茶会を開く準備をしてくれ。」
「かしこまりました。」
部屋から出て行くマルスの背中を見届けて、兄上への対策を考える事にした。




