2
ストロベリーブロンドに庇護欲をそそるような外見の彼女を見て、日本人じゃ無さそうと思ったのも束の間。
「え?マジ?アーティア?え?私が聖女?つまり、ここってラビサガの世界?!」
その言葉を受けて、身体が硬直した。
兄上を呼び捨てにして不敬だと注意する事も出来ずに。
ラビサガだって?
待て。
知ってるぞ、その言葉。
ラビサガ。
その正式名称をラビリンスサーガと言い、女性ユーザーは、乙女ゲームとして攻略対象と共に聖女となり魔王討伐を行い選んだ相手とハッピーエンド。
男性ユーザーは、王太子、第二王子、宰相の息子、騎士団長の息子、辺境伯の息子、平民(いずれSランク冒険者)からキャラを選び、登場する女性キャラを攻略しつつ魔王討伐を目指すというゲームだ。
聖女スタートだと、魔王の復活前に召喚され王宮で過ごしつつ魔王の手下を浄化しながら魔王討伐に赴くストーリーに対し、男性キャラスタートにすると、ステータスを上げつつ、名声を上げ、好みの女の子と仲良くしながら魔王討伐!ってストーリーだったはず。
マジか。
なんで忘れてた俺!?
俺ってば、攻略対象でもあり、ヒーローキャラの一人でもあるカイル・フォン・アルバトロスじゃねーか!!
「あれ?アーティア以外居ないの?カイル様は?最推しのカイル様は…あ、いたー!!カイル様!!」
確かに、俺、カイルは一番の人気キャラだったけども?!
今、自分の立ち位置が女性ユーザー側なのか男性ユーザー側なのか分からないんだからそっとしておいてくれ!!
そんは俺の心情など知る由もない聖女は、俺の元へと駆け付けて、抱きついてくる
「カイル様!やだ、カッコいい!肌綺麗!もう好きー!」
もうヤダ。
俺どうしたら良いんだよっ
儀式の間に居る人達も、呆然としてんじゃん!
何をどうすれば正解なんだよ?!
「と、とりあえず、聖女には用意した部屋で休んで貰いなさい」
父上ナイス!
聖女よ、とりあえず離れてくれ!!
「えー。カイル様ともっと一緒に居たいのにー。あ、カイル様って奥手キャラだっけ?攻めすぎたら好感度上がらないか。仕方ない、部屋に案内して貰うわ!」
聖女の前に案内する為、メイドが来たので、聖女は漸く俺から離れたが、メイドの後ろをついていきながらも俺に手を振る様子に、俺は天を仰いだ。
勘弁してくれ。
俺の平和な日常を返してくれ。
今だけは、奥手キャラ設定に感謝はするけども。
いや、婚約者候補は数人いるが奥手故に決め兼ねて、候補者と会う時間より勉学に徹するシャイボーイだっけか?!
奥手故にではないけども、結果的に、そういう状況だったりしてんじゃん?!
攻略対象として過ごす日々なんか嫌過ぎる!!




