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泥を啜れと捨てられた無能令嬢、実は「神の瞳」を持つ奇跡の聖女でした 〜隣国の冷酷皇帝は、私を閉じ込め独占し、世界ごと跪かせる〜  作者: 西園寺ミオ
第5部:全宇宙を「私有地(マイホーム)」にした星冠女王、最愛の娘を狙う多次元の侵略者を最強夫の嫉妬という名の天災で根絶やしにしました

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第67話:陛下、全宇宙に「入室禁止」を宣言する。愛の巣は広すぎるくらいでちょうどいい

かつて「全宇宙管理会議場」と呼ばれていた場所は、今や私のために設えられた、白銀と漆黒の宝石宮殿へとその姿を変えていた。

 窓の外には、私の意志に呼応して輝きを増した数億の銀河が、天の川のように美しく流れている。

 庭園(かつての議場)では、元・神々が泣きながら雑草を毟る音が微かに聞こえてくるけれど……それさえも、今の私にとっては心地よい環境音に過ぎなかった。


「……ふふ。陛下、あまり見つめられると、お茶の味が分からなくなってしまいますわ」


 私は、ギルバート様の膝の上にすっぽりと収まり、彼の手から直接差し出された冷えた果実を口にした。

 ギルバート様は、私の銀色の髪を指先で愛おしげに弄びながら、その紅い瞳を蕩けるような熱量で細めている。


「……味など分からなくていい。お前はただ、私の愛だけを食べていればいいのだ、エルシア」


「あらあら、まあまあ……。それでは、私が困ってしまいますわ」


 陛下は、私の返答を遮るように、私の首筋に深く、熱い接吻を落とした。

 彼の独占欲が、肌を通じてドロリとした質量で伝わってくる。

 宇宙を支配下に置いたことで、彼の「守護」という名の執着は、もはや制御不能なレベルにまで達していた。


 その時、宮殿の次元壁が微かに震え、外部からの通信が届いた。


『――失礼いたします! 第六階層の連盟代表が、女王陛下への拝謁と、新たな秩序への忠誠を誓うための献上品を携え……』


 ギルバート様の瞳から、一瞬で温度が消えた。


「……不快だ。どこの馬の骨とも知れぬ輩が、私のエルシアの時間を一秒でも奪おうとするなど」


「陛下、あの方たちは挨拶に来ただけですわ。……少しだけなら、お会いしても……」


「ならん。……ロザリア、聞こえるか。全次元の門を閉ざせ。……これより、この宇宙全域を『エルシア専用の寝室』と定義する。私の許可なく光子一つ入れるな。……もし境界線を越えようとする者がいれば、その次元ごと虚無で塗り潰せ」


『――御意。全宇宙、ロックダウンいたします』


 側近ロザリアの淡々とした返声と共に、宮殿……いえ、この宇宙全体の境界線に、漆黒のシャッターが下りるような感覚が走った。

 数兆の文明、数千の銀河。そのすべてが、一人の皇帝の「妻と二人きりになりたい」という極めて個人的で理不尽な理由によって、物理的に隔絶されたのだ。


「……陛下。宇宙を寝室にするなんて、いくらなんでも広すぎますわ」


「……狭いくらいだ。お前の美しさを飾るには、この程度の空間では足りない」


 ギルバート様は、私の腰を引き寄せ、逃げ場を塞ぐように覆い被さってきた。

 彼の香りと、圧倒的な魔圧。

 神々さえも跪かせた最強の男が、私の前ではただの、愛に飢えた獣のような瞳をしている。


「エルシア。……もう、誰もお前を見ない。誰もお前に触れない。……お前を泣かせる過去も、お前を利用しようとするシステムも、すべて私が食らい尽くした。……ここには、私とお前、二人だけだ」


 彼の言葉は、呪いのようで、けれどこの上なく甘い福音だった。

 

 私は彼の首に腕を回し、銀河の瞳を潤ませて微笑んだ。

 

「……ええ。私も、陛下だけの女王でいられて、とても幸せですわ」


 窓の外、封鎖された宇宙の境界線では、行き場を失った他宇宙の使者たちが戦慄していることでしょう。

 けれど、そんなことはどうでもいいのです。

 世界一重い愛を注いでくれる旦那様と、宝石のような静寂の中で微睡む。

 捨てられ令嬢だった私が辿り着いた、これが究極のハッピーエンドなのだから。


 ――だが、その蜜月を破るように、私の右目に宿る『銀河の瞳』が、一瞬だけ鋭く明滅した。


 封鎖されたはずの、漆黒の闇の向こう側。

 いかなる虚無も届かない「外側」から、カツン、カツンと、秩序を乱す不吉な足音が近づいてくるのを、私は確かに感じ取っていた。

皆様、第67話いかがでしたでしょうか!

「宇宙を寝室に定義する」という、陛下のあまりにもスケールが大きすぎる惚気……!

全宇宙をロックダウンしてまで二人きりの時間を確保しようとする独占欲、これぞ陛下ですわね。

「光子一つ入れるな」という命令、ミオも一度は言われてみたいものですわ。


エルシア様も、そんな陛下の暴走を「あらあら」と受け入れながら、完全に懐柔してしまっている……。

これこそが、最強の夫婦の形ですわね。


しかし、ラストの不穏な予兆。

陛下が張り巡らせた「完璧な入室禁止」の壁を、音もなく歩いてくる存在。

せっかくのハネムーン(?)を邪魔しようとする不届き者は、一体どこの誰かしら?


少しでも「陛下の重すぎる愛にニヤニヤした!」「宇宙規模の引きこもりが最高!」と感じていただけましたら、

【ブックマーク】や【評価(★★★★★)】で、二人の「終わらない初夜(?)」を応援してくださいませ。


皆様の応援という名の「ルームサービス」が、次話、お茶会を邪魔する侵入者を陛下の八つ当たりで粉砕する魔力になりますの。


これからもどうぞよろしくお願いします!

それでは、静寂の裏側に潜む影が姿を現す次回をお楽しみに。

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