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泥を啜れと捨てられた無能令嬢、実は「神の瞳」を持つ奇跡の聖女でした 〜隣国の冷酷皇帝は、私を閉じ込め独占し、世界ごと跪かせる〜  作者: 西園寺ミオ
第5部:全宇宙を「私有地(マイホーム)」にした星冠女王、最愛の娘を狙う多次元の侵略者を最強夫の嫉妬という名の天災で根絶やしにしました

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第57話:女王の公務、エルシアが下す「星の審判」

燃えかすとなった黄金の召喚状が、バルコニーの風に吹かれて灰へと変わる。

 ギルバート様は、不機嫌そうに私の腰を引き寄せると、その指先で私の銀色の髪を弄んだ。


「――エルシア。上位階層の連中に、お前の姿を見せるのは癪だが……。お前を『バグ』と呼んだその舌、根元から虚無で塗り潰さねば気が済まぬ」


「ふふ、陛下。まずは旅の準備を整えませんと。……その前に、少しだけ『女王』としての仕事を済ませてもよろしいかしら?」


 私はバルコニーから、光り輝く帝都を見渡した。

 管理者を倒し、私たちが帰還してからというもの、帝都の魔力濃度は異常なほど高まっている。それは恵みであると同時に、器を持たぬ人間にとっては毒にもなり得る劇薬だ。


「公務だと? そんなものは官僚どもにやらせておけ」


「いいえ。これは、私にしかできないことですわ」


 私はギルバート様の腕からすりと抜け出し、バルコニーの欄干に手をかけた。

 私の瞳――『銀河の瞳』が、静かに、けれど宇宙の鼓動と共鳴するように拍動を始める。

 

 ――える。

 帝都に満ちる歓喜の裏側。私を「利用しよう」と企む隣国の間者たち。かつて私を虐げた者たちの残滓を拾い上げ、一儲けしようと画策する強欲な貴族。そして、あまりにも強すぎる私の光に、魂を焼かれかけている無垢な民たち。


「……皆様。……少しだけ、静かになさって?」


 私の声は、魔法の拡声など使わずとも、帝都全域、いえ、この大陸すべての生き物の魂へ直接響き渡った。

 街の喧騒が、ぴたりと止まる。人々は空を見上げ、バルコニーに立つ「銀色の奇跡」を凝視した。


「私はエルシア。……この宇宙の星々を束ね、貴方たちの明日を保障する者」


 私が両手を広げると、白昼の空に幾千、幾万もの「星の欠片」が降り注いだ。

 それはかつて『アーカイブ・オブ・ゼロ』で私が掌握した、純粋なる因果の輝き。


「審判を、下しますわ」


 刹那。

 帝都の各所で、悲鳴ではない、けれど魂が剥き出しにされるような「音」が響いた。

 路地裏で毒を調合していた間者の手から、毒が花の蜜へと変わる。

 私を誹謗中傷するビラを配ろうとしていた男の指先から、悪意が抜け落ち、彼はその場に泣き崩れて悔い改めた。

 

 これまでの私なら、彼らを「ざまぁ」と突き放すだけだったかもしれない。

 けれど、今の私は星冠女王。

 悪意さえも、私の世界を彩る「ちり」として、慈悲を持って再構成リフォームしてあげる。


「……あ、……ああ……。女神様……っ! 星冠女王陛下……っ!!」


 帝都を埋め尽くす数十万の民が、一斉に地面へ膝をついた。

 それは皇帝の武力への屈服ではない。

 自分たちの存在が、一人の女性の指先一つで生かされ、癒やされているという「絶対的な救済」への帰依。


「……ふん。余計な手間を。……そんな慈悲などかけずとも、私がすべて消してやれば済むものを」


 背後でギルバート様が、不満そうに、けれど私の後光に目を細めて独りごちた。

 彼は私の肩に再び腕を回し、帝都の民たちを「俺の女に触れるな」と言わんばかりの鋭い眼光で射抜く。


「……陛下。これで、地上は安定しましたわ。……もう、私たちがいない間、変な虫が湧くこともないでしょう」


 私の魔力によって、帝都は恒久的な「聖域」へと書き換えられた。

 これで心置きなく、宇宙の最果てまでお散歩に行けますわ。


「セレス、お待たせいたしましたわね。……準備はよろしくて?」


「はい、お母様! あのお空のキラキラ、とっても綺麗ですわ! ……パパ、早くおっきな船を出してくださいまし!」


 セレスが私のドレスに縋り付き、紫の瞳をキラキラと輝かせる。

 ギルバート様は、娘の頼みとあっては断れない。彼は口角を不敵に上げ、虚空に向かって右手を突き出した。


「……ああ。……エターナル・エルシアでは、上位階層あいつらを驚かせるには少々サイズが足りん。……アーカイブの残骸と、深淵の骨を組み上げろ。……全宇宙がひれ伏す、我が一族の『御所ござしょ』を現出させる」


 ギルバート様の魔力が爆発し、帝都の上空に、大陸一つを覆い尽くすほどの巨大な、漆黒と白銀の「動く城」が姿を現し始めた。

 

 管理会議への出席ではない。

 それは、一人の執着狂パパが、最愛の妻と娘のために用意した、最高に過保護で理不尽な「次元侵攻の舞台」だった。

第57話、お読みいただきありがとうございました!

「お散歩の前に、ちょっとお掃除を」……そんな感覚で、大陸全土の悪意を浄化し、全臣民を狂信的な信徒に変えてしまったエルシア様。

もはや「聖女」という言葉では足りない、真の女王としての風格、お楽しみいただけましたでしょうか?


悪意を持って近づいた者たちが、エルシア様の光に触れて「私が間違っておりましたぁぁ!」と浄化されるシーン……。

ミオ、こういう「格の違いすぎるざまぁ」が一番の大好物ですわ!


そして、ギルバート様が建造を開始した「大陸サイズの動く城」。

もはや戦艦という概念すら通り越して、宇宙を物理的に圧迫する勢いですわね。

これに乗って「管理会議」に乗り込むなんて、もはやテロ……いえ、最高の家族旅行ですわ!


少しでも「エルシア様の女神っぷりに痺れた!」「陛下のやることに限度がなくて最高!」と感じていただけましたら、

【ブックマーク】や【評価(★★★★★)】で、一家の「神域侵攻」を応援してくださいませ。


皆様の応援という名の「城の動力源」が、次話、次元の壁を突き破る最強の推進力になりますの。


これからもどうぞよろしくお願いします!

それでは、全宇宙の頂点へ向けて出航する次回をお楽しみに。

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