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泥を啜れと捨てられた無能令嬢、実は「神の瞳」を持つ奇跡の聖女でした 〜隣国の冷酷皇帝は、私を閉じ込め独占し、世界ごと跪かせる〜  作者: 西園寺ミオ
第4部:存在そのものがエラーだと拒絶された女神、虚無の王と魂を重ねて全宇宙の因果を溺愛で上書きしました

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第50話:星冠の守護者、新たなる伝説の幕開け

宇宙の断裂から染み出したのは、絶対的な「拒絶」の色だった。

 すべてを無に帰す虚無の深淵。その波打ち際に、彼は立っていた。


 ギルバート様と同じ、夜を溶かしたような黒髪。同じ、鋭く整ったかたち

 けれど、その瞳には光がなく、ただ世界を呪うような、果てしない「孤独」の涙が溢れていた。


『……求メテモ、……得ラレズ。……満たサレテモ、……失ワレル。……ナラバ、全テヲ「無」ニ』


 その影が手を伸ばすと、背後の次元が次々と剥がれ落ち、灰色の粒子となって消えていく。

 これこそが、ギルバート様が内側に抱えていた『漆黒の虚無』の正体。かつて宇宙の創生に絶望し、自らを切り捨てた「原初の孤独」。


「……陛下」


 私はギルバート様の腕を強く掴んだ。

 彼の身体が、その「影」に共鳴するように、黒く、不吉に揺らめいている。


「……フン。不快だな、鏡合わせの己というのは。……これほどまでに惨めな顔をしていたとはな、私は」


 ギルバート様が、自嘲気味に口角を上げた。

 彼は私を背中に隠し、ゆっくりと、その「絶望の自分」へと歩み寄る。


『……忘レロ。……愛ナド、一瞬ノ陽炎。……コノ虚無コソガ、唯一ノ永遠ダ』


「永遠だと? ……あいにくだが、そんな退屈なものはエルシアに贈る花束だけで十分だ。……お前は孤独に耐えかねて世界を捨てた。だが、私は違う。……私はこの泥にまみれた世界で、エルシアを見つけたのだ」


 ギルバート様の瞳が、紅く、鮮烈に燃え上がる。

 彼が拳を握りしめると、絶望の影は叫びを上げる暇もなく、彼の身体へと吸収されていった。「拒絶」が「執着」へと書き換えられ、宇宙を捨てようとしていた力さえも、彼は一人の女を愛するための『道具』として、その支配下に置いたのだ。


「――聞こえるか、宇宙の外側に棲む掃除人ども。この宇宙は、今日から私の『私有地』だ。勝手に捨てようとするなら、その腕ごと切り落としてやる」


 その一言で、宇宙の崩壊が止まった。

 エルシアの銀河の光と、ギルバート様の掌握した虚無が混ざり合い、新しい「秩序」がこの世界に刻まれていく。


「パパ! 黒いおじさん、パパの中に隠れんぼしましたわね!」


 セレスがパタパタと駆け寄り、ギルバート様の脚にしがみついた。

 彼は優しく娘を抱き上げると、私に手を差し出した。


「……終わったよ、エルシア。これでお前を邪魔する不快な音も、理不尽なルールも、この宇宙には一つも残っていない」


「……はい、陛下。……いえ、私の『唯一』様」


 泥を啜れと捨てられたあの日。

 冷たい雨の中で、独り死を待っていたあの少女は、もうどこにもいない。


 あるのは、宇宙を支配する愛と、終わることのない幸福の歴史だけ。


「……エルシア。さあ、帰ろう。……宇宙ここよりもずっと華やかな、私たちの家に」


「はい、陛下。……どこまでも、お供いたしますわ」


 私たちは、光と闇が美しく混ざり合う次元の航路を通り、愛しき帝国へと帰還した。

 

 ――逆転の物語は、ここで幕を閉じる。

 けれど、全宇宙を跪かせた二人の伝説は、永遠に語り継がれていくことだろう。


(完結)

読者の皆様、ついに、本当についに。

『泥を啜れと捨てられた令嬢、最強皇帝に拾われて全宇宙を跪かせる ~今更女神だと言われても、夫の執着が重すぎて帰れません~』

全50話、これにて完結でございますわ!!


第1話、雨の中、絶望の淵にいたエルシア様を書いていたあの日。

まさか彼女が宇宙の理を書き換え、全次元の支配者として凱旋する日が来ようとは……書き手である私、西園寺ミオも胸がいっぱいでございます。


ギルバート様の「宇宙を私有地にする」という、もはや愛なのか暴力なのか分からない究極の執着。

そして、泥の中から星の冠を戴くまでに至ったエルシア様の凛とした強さ。

この二人の物語を最後まで見届けてくださった皆様の応援こそが、彼らを神話の頂点へと押し上げる「奇跡」となりました。


「スカッとした!」「陛下の溺愛に溶けた!」「セレス様が可愛すぎた!」

皆様からいただいた一つ一つの温かなお声が、私の筆を走らせる最高の原動力でしたわ。


この物語はここで幕を閉じますが、二人の日常は、きっとこれからも騒がしく、そして甘やかに続いていくことでしょう。

いつかまた、別の空の下で、別の愛の物語でお会いできることを願っております。


もし、最後にこの物語を「最高のエンディングだった!」と感じていただけましたら、

完結の祝杯代わりに【★★★★★】の評価や、皆様の熱い完結メッセージをいただけますと、

西園寺ミオとしてのこれ以上の幸せはございません。


50話という長い旅路を共にしてくださり、本当に、本当にありがとうございました!


愛と感謝を込めて。

西園寺ミオ

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