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泥を啜れと捨てられた無能令嬢、実は「神の瞳」を持つ奇跡の聖女でした 〜隣国の冷酷皇帝は、私を閉じ込め独占し、世界ごと跪かせる〜  作者: 西園寺ミオ
第4部:存在そのものがエラーだと拒絶された女神、虚無の王と魂を重ねて全宇宙の因果を溺愛で上書きしました

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第48話:深淵の再構築、帝国は次元を統べる

黄金の光が、私の視界を焼き尽くさんばかりに溢れ出した。

 『真なる管理者』デミウルゴス。その翼が一振りされるたびに、アーカイブを構成する数億の記憶が「無」へと変換され、この宇宙の土台がガラガラと音を立てて崩れていく。


『――愚カナ。……一瞬ノ愛ニ狂イ、理ヲ乱シタ罪、……全テノ消去リセットヲ以テ贖イナサイ』


 デミウルゴスが掲げた指先から、宇宙を創生した際の熱量を凝縮した「原初の雷」が放たれた。

 それは神を殺し、次元を溶かし、存在の定義そのものを抹消する、回避不能の審判。


 だが、その光が私に届くことはなかった。


「――喧しいぞ、羽虫が。……エルシアの髪一本にでも触れてみろ。この宇宙のすべての『光』を、私の闇で永遠に窒息させてやる」


 ギルバート様が、私の前にただ立っていた。

 彼は魔剣さえ抜かず、左手を無造作に掲げただけで、迫り来る原初の雷を正面から受け止めたのだ。


 バヂィィィィィィィンッ!!


 次元を砕く衝撃波。

 だが、ギルバート様の掌に触れた雷は、破壊の力を失い、まるで黒いインクが水に溶けるように彼の影へと吸い込まれていった。


『……ナ、何……!? 原初ノ雷ヲ……飲み込んだト言ウノカ……!?』


「言ったはずだ。……私は今、非常に機嫌が悪い。……私の妻との誓いの時間を邪魔し、この静かなアーカイブを騒音で満たした。……その罪、万死に値すると思え」


 ギルバート様の瞳が、深淵よりも深く、昏い「虚無」へと染まっていく。

 彼が指輪を嵌めた左手を握り締めると、今度は崩壊し始めていたアーカイブの空間が、ピタリと動きを止めた。


 いや、止まったのではない。

 ギルバート様の放つ漆黒の魔力が、崩れる世界を強引に繋ぎ止め、「彼の領土(帝国)」として再定義し始めたのだ。


「……陛下、素晴らしいわ。……これこそ、私たちの『新しい家』の土台に相応しい魔力です」


 私はギルバート様の隣に並び、自らの銀河の力を全開にした。

 彼が繋ぎ止めた漆黒の土壌に、私の銀色の創造を流し込む。

 すると、虚無の空間に次々と星々が生まれ、崩壊していた記憶の欠片が、クリスタルの宮殿へと形を変えていく。


「な……!? 宇宙の崩壊を……止めるどころか、自分たちの色に書き換えているというのか!?」


 背後で見ていたプロトゴノスたちが、恐怖に腰を抜かす。

 彼らにとっての「絶対的な理」は、今の私たちにとっては、ただの「リフォームの素材」に過ぎなかった。


『……不敬ナリ!! 秩序ヲ乱ス者共メ、……全次元ノ質量ヲ以テ、塵へと還レ!!』


 デミウルゴスが逆上し、無数の翼を広げて宇宙全域に及ぶ「重力崩壊」を引き起こした。

 アーカイブの外側にあった幾千の惑星が、その圧力に耐えかねて砕け散る。


「……エルシア、セレス。……少しだけ耳を塞いでいろ。……この『ゴミ出し』には、少々大きな音が出る」


 ギルバート様が、ついに腰の魔剣を抜いた。

 だが、それはもはや剣の形を保っていない。……それは、全宇宙を飲み込む「死の概念」を一本の線に凝縮した、漆黒の極光。


「――帝国軍最高司令官、ギルバート・フォン・アステリアの名において命ずる」


 彼は静かに、けれど次元の最果てまで響く声で宣告した。


「――この宇宙のすべての『理』よ。……私のエルシアを否定するなら、今この瞬間をもって『死』を許可する。……消えろ」


 一閃。


 光でもなく、闇でもない。

 ただ、絶対的な「不在」が、デミウルゴスの黄金の巨躯を真っ二つに切り裂いた。

 全次元の質量を込めた攻撃さえも、ギルバート様の「消えろ」という一言の前では、ただの幻影に過ぎなかった。


『ギ……ガ……ガァァァァァァッ!! ワ、我ガ……管理シテキタ完璧ナ庭園ガ……ッ!?』


 デミウルゴスの翼が次々と砕け、黄金の血が深淵に飛び散る。

 その血が床に触れる前に、私の銀河の光がそれを浄化し、美しい青いバラへと変えていった。


「お父様、お母様! あのおっきな置物、バラバラになりましたわ! とってもお掃除が捗りますわね!」


 セレスが無邪気に手を叩き、私のドレスの裾を揺らす。

 その瞳に宿る紫の光が、私たちの支配に呼応して、崩壊した宇宙を「完璧な平和」へと上書きしていく。


 だが、崩れゆくデミウルゴスの瞳が、最期に憎悪の色を増した。


『……タダデハ……死ヌマイ。……因果ハ……逆転スル。……貴様等ノ最愛、……ソノ娘カラ……存在ヲ奪ッテヤル!!』


 デミウルゴスの残ったすべての力が、一条の「呪いの矢」となり、無防備に笑うセレスティーナへと放たれた。


「――セレス!!」


 私の叫びが響く中、ギルバート様の顔から余裕が消え、修羅の如き形相で娘へと手を伸ばした。

宇宙の創生主を「大型ゴミ」のように扱い、その魔力で帝国をリフォームしてしまうギルバート様!

皆様、この圧倒的な「理不尽ざまぁ」に、スカッとしていただけましたでしょうか?

「全次元の理に『死』を許可する」という陛下の台詞……これぞ、全宇宙で彼にしか許されない究極の傲慢ですわね。


そして、エルシア様も「陛下が繋ぎ止めた闇」に「銀河の創造」を流し込み、二人だけの新しい世界を紡いでいく……。

まさに、魂が一つになった夫婦にしかできない共同作業(宇宙規模)ですわ。


しかし、往生際の悪いデミウルゴスが放った、セレスティーナ様を狙う「因果の呪い」。

愛娘を標的にされた時、ギルバート様の「重すぎる愛」は、一体どのような奇跡……あるいは破滅的な力を引き起こすのでしょうか?


少しでも「陛下の全次元無視の強さに惚れた!」「セレス様を絶対に守って!」と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価(★★★★★) をお願いします。


皆様の応援という名の「帝国の加護」が、次話、呪いさえも「溺愛」でねじ伏せる陛下の魔力になりますの。


これからもどうぞよろしくお願いします!

それでは、因縁の決着となる次回をお楽しみに。

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