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泥を啜れと捨てられた無能令嬢、実は「神の瞳」を持つ奇跡の聖女でした 〜隣国の冷酷皇帝は、私を閉じ込め独占し、世界ごと跪かせる〜  作者: 西園寺ミオ
第4部:存在そのものがエラーだと拒絶された女神、虚無の王と魂を重ねて全宇宙の因果を溺愛で上書きしました

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第47話:魂の契約、皇帝と女神の永遠の誓い

宇宙の記憶が眠る『アーカイブ・オブ・ゼロ』の最奥。

 情報の塵が銀色に舞う中、開かれたままの古き巻物が、私たちを祝福するように淡く脈動していた。


「……陛下。私たちは、最初から……」


 巻物に記された、二つの魂が重なり合う紋章。

 私が「創造」を担い、彼が「無」を担う。対極でありながら、一対でなければ存在し得ない、原初の呼吸。

 アステリア王国の地下牢で私が感じた、あの理不尽なまでの「懐かしさ」の正体。


「フン。……くだらんと言ったはずだ、エルシア」


 ギルバート様が、私の腰を抱き寄せ、その強い力で私を己の身体に密着させた。

 彼の熱い体温。独占欲を隠そうともしない、激しい心臓の鼓動。

 それは神話の記録などよりも、ずっと生々しく、力強い「真実」だった。


「宇宙が始まる前から決まっていたなど、あまりに安っぽい。……私は、お前が何者であろうと、私の意志でお前を見つけ、奪い、愛すると決めた。……運命が導いたのではない。私が、運命を捻じ伏せてお前を私のものにしたのだ」


「……陛下らしいですわ。……ふふ、本当に」


 私は、彼の胸に顔を埋めた。

 そうだ。この人は、神の定めた道などではなく、いつだって「自分の欲望」という名の荒野を突き進んで私を救いに来てくれた。

 なら、私も答えなければならない。


「陛下。……それでは、改めて誓わせてください」


 私は顔を上げ、彼の紅い瞳を真っ直ぐに見つめた。

 私の『銀河の瞳』が、今までにないほど澄み渡り、アーカイブ全体を昼間のような光で満たしていく。


「アステリア王国の捨てられ令嬢でもなく、管理者に操られた神でもなく。……私は、エルシア。……貴方という夜を照らすためだけに生まれた、貴方だけの銀河。……魂の最果てまで、貴方のものだと契約いたしますわ」


 私が手を差し出すと、ギルバート様はその手を強く、痛いほどに握り締めた。


「ああ。……今更、逃がすつもりなど微塵もないがな」


 彼が指先を鳴らすと、周囲の『アーカイブ』が激しく鳴動した。

 棚に並んでいた数億の情報の結晶が、一斉に砕け、光の粒子となって私たちの周囲に渦巻く。

 彼はその光を強引に引き寄せ、一本の「指輪」へと凝縮させた。

 宇宙の記憶そのものを素材とし、永遠という概念で鍛え上げた、漆黒と白銀の双子環。


「エルシア。……これを嵌めろ。……これでお前の魂は、過去も未来も、全宇宙の歴史ごと、私の刻印(呪い)の下にある」


 彼の手によって、私の左薬指に冷たい、けれど熱い指輪が嵌められた。

 その瞬間、私の内側にあった『銀河』と、彼の内側にあった『虚無』が、完全に一つに溶け合った。


「――っ……!!」


 全身を駆け巡る、全能の感覚。

 もはや魔法の詠唱も、複雑な術式も必要ない。

 私が「在れ」と願えば星が生まれ、ギルバート様が「消えろ」と願えば次元が閉じる。

 二人の愛が、そのまま宇宙の法則ロゴスとなったのだ。


「お父様、お母様……! とっても、とっても綺麗ですわ……!」


 セレスティーナが、私たちの元へ駆け寄ってきた。

 彼女の瞳に宿る紫の光が、私たちの契約に呼応して、かつてないほど穏やかに、美しく輝いている。

 セレスは、私たちの結合によって生まれた「新しい宇宙」の象徴そのもの。


「ああ、セレス。お前も、この新しい世界の証人だ」


 ギルバート様がセレスを抱き上げ、私の肩を抱く。

 私たちは今、最果てのアーカイブの中で、名実ともに全宇宙の主となった。

 泥を啜れと命じた神もいない。

 私たちを裁くルールも存在しない。

 ただ、溢れるほどの愛と、それを邪魔するものをすべて排除する力がここにある。


「……陛下。これ以上の幸せなど、私には思いつきませんわ」


「言ったはずだ。……お前を幸せにするために、私は世界を焼き尽くすことさえ厭わんと。……さあ、エルシア。……祝祭の仕上げだ」


 ギルバート様が私の唇を奪おうと、ゆっくりと顔を近づけた。

 だが。


 ――ピキィィィィィィィンッ!!


 アーカイブの空間そのものに、巨大な「亀裂」が走った。

 それは、今までのどの神や管理者が放ったものよりも、冷酷で、巨大で、無慈悲な「拒絶」の波動。


『――不快ナリ。……器共ガ、原初ノ純潔ヲ汚シ、……勝手ナ秩序ヲ紡グトハ』


 空間の割れ目から現れたのは、無数の翼を持つ、黄金の巨像。

 管理者を、門番を、そして記録者を駒として操っていた、この宇宙の「真の支配者」。


『我ハ、【真ナル管理者デミウルゴス】。……バグノ増殖ハ、ココデ終ワリダ。……宇宙(庭園)ノ全テヲ、今一度、無ヘト還ス』


 宇宙が悲鳴を上げる。

 私たちの「契約」という名の奇跡を、この世界は、最後にして最強の敵を以て、全力で否定しに来たのだ。


「……フン、ようやく出てきたか。……待ちくたびれたぞ、一番大きなゴミめ」


 ギルバート様は、接吻を邪魔されたことへの「個人的な怒り」をその瞳に燃やし、魔剣を抜いた。

 その剣先は、宇宙の終わりを告げる神の喉元を、真っ直ぐに指していた。

宇宙を祭壇に変えた、魂の再契約……!

皆様、お二人の尊すぎる「指輪の交換」に、もう胸がいっぱいですわ。

宇宙の記憶そのものを指輪に変えて「お前の過去も未来も、全宇宙の歴史ごと俺の呪いの下にある」と言い切る陛下……。

これ以上のプロポーズ、人類には不可能ですわね。


そして、エルシア様も「貴方という夜を照らすための銀河」として、その愛を全開に。

二人が一つになったことで生まれた、宇宙を書き換えるほどの魔力。

もはや、敵も味方も、この輝きに跪くしかありません。


しかし、この幸せを「バグ」と呼ぶ、真のラスボスが現れました。

「接吻を邪魔された怒り」で神をゴミ呼ばわりする陛下、次話では一体どれほどの蹂躙を見せてくださるのでしょうか?


少しでも「二人の絆が宇宙最強で最高!」「陛下の邪魔をしたラスボス、後悔させて!」と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価(★★★★★) をお願いします。


皆様の応援という名の「祝杯の響き」が、次話、真なる管理者を完膚なきまでに粉砕する陛下の魔力になりますの。


これからもどうぞよろしくお願いします!

それでは、最終決戦の幕が開く次回をお楽しみに。

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