表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
泥を啜れと捨てられた無能令嬢、実は「神の瞳」を持つ奇跡の聖女でした 〜隣国の冷酷皇帝は、私を閉じ込め独占し、世界ごと跪かせる〜  作者: 西園寺ミオ
第2部:偽聖女に嘲笑われた隣国の皇妃、最強皇帝の重すぎる愛に包まれて全大陸を跪かせました

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/59

第24話:禁忌の召喚、古の魔王すらエルシアに跪く

帝都から遥か西、聖教国との国境付近の空が、どす黒い「亀裂」に飲み込まれた。


 十二聖騎士を失い、追い詰められた教皇庁が禁忌の魔導書を開いたのだ。

 次元の裂け目から溢れ出すのは、おぞましいまでの瘴気と、生きとし生けるものの魂を凍らせる絶望の波動。


「――出でよ、古の破壊神! 我が国の敵を、あの魔女と死神を、根こそぎ喰らい尽くせ!!」


 国境付近に集結していた聖教国の魔導師たちが、自らの命を削るような絶叫を上げる。

 すると、裂け目から巨大な、漆黒の翼を持つ巨人が這い出してきた。

 かつて神話の時代、神々に叛旗を翻し、世界を半分焼き尽くしたと言われる伝説の魔王・アスタロト。


「……あ、あれは……」


 帝都のバルコニーで、エルシアはその「闇」を見つめた。

 セレスティーナを背中に隠し、彼女の銀河の瞳が、無意識のうちにその深淵を見透かす。


「エルシア、下がっていろ。……あれは、少々『掃除』に時間がかかるかもしれん」


 ギルバート様が、愛剣を抜き放ち、戦鬼の如き冷徹な表情で前に出る。

 だが、その時だった。


 咆哮を上げ、帝都を壊滅させようと飛来した魔王アスタロトが、エルシアと視線が合った瞬間――。

 巨体が、空中でぴたりと止まった。


「……? どうした、死神。……いや、違う」


 魔王アスタロトは、震える瞳でエルシアを凝視した。

 その凶悪な双眸から、あろうことか、大粒の涙が溢れ出す。


「お、……おお……! ああ……!!」


 魔王は、重力に逆らうことも忘れ、地面へと垂直に落下した。

 ドォォォォンッ!! という轟音と共に、彼はギルバート様を素通りし、エルシアの立つバルコニーの足元に、まるで壊れた人形のように跪いたのだ。


「――母様……っ! 我が、真なる創造主かみよ……!!」


 地響きのような、けれど泣きじゃくる子供のような声が響き渡った。

 魔王は自らの漆黒の角を石畳に擦り付け、必死に忠誠を示そうと身を震わせる。


「……は、母様? 私が……ですか?」


 エルシアは困惑して瞬きをした。

 魔王アスタロトは、嗚咽を漏らしながら語る。


「数千年の間、貴方様の再臨を待っておりました……。私を創り、この世界に理を与えた、銀河の瞳の主よ! あの聖教国の不届き者どもは、貴方様を『魔女』と呼び、あまつさえその尊い命を狙おうと私を呼び出したのです……! ああ、万死に値する!!」


「……待て。創造主、だと?」


 ギルバート様が、剣を構えたまま、何とも言えない複雑な表情で魔王を見下ろした。

 彼はエルシアを抱き寄せ、魔王を牽制するように睨みつける。


「おい。その『母様』という呼び方は気に入らんな。彼女は私の妻だ。……たとえ魔王であろうと、気安く呼ぶことは許さん」


「ひっ、し、失礼いたしました! しかし、彼女の瞳に宿る銀河は、この世界が生まれる前の『原初の輝き』そのもの……! 我ら魔族にとって、彼女こそが絶対の真理なのです!」


 魔王アスタロトは、跪いたまま、今度は聖教国のある西の空へ向かって、凄まじい殺意を放った。


「母様。……あのような、貴方様の力を盗み見て『神』を騙る、厚顔無恥な羽虫どもを掃除する許可を。……このアスタロト、今すぐあの国を、塵の一つも残さず消滅させて参ります!」


「ちょ、ちょっと待ってください! ……陛下、どうしましょう……?」


 エルシアが狼狽える中、ギルバート様はふっ、と不敵な笑みを浮かべた。


「いいだろう。……エルシア、これは好都合だ。我々が手を汚すまでもない。……魔王よ。聖教国のすべての『権威』を、その根源から食い破ってこい。……ただし、エルシアの気分を害するような『残酷すぎる光景』は、彼女の目に入らぬよう配慮しろ」


「御意!!」


 魔王アスタロトは、歓喜の咆哮を上げながら、再び黒い翼を広げて飛び立った。

 聖教国の崩壊は、もはや時間の問題となった。


 聖教国が自ら召喚した「最強のカード」が、エルシア様への「狂信的なファン」へと豹変した瞬間であった。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


教皇庁が「これで勝てる!」と確信して呼び出した魔王が、エルシア様を見た瞬間に「ママぁ!」と泣いて跪く……。

これぞ、究極の「無自覚・神格・逆転劇」ですわね!


ギルバート様の「母様という呼び方は気に入らん」という嫉妬、最高ですわ。

魔王に対しても、嫉妬の炎を絶やさない……。これこそが、私たちが愛する陛下です。


さて、魔王を味方につけたエルシア様。

聖教国は、自分たちが呼び出した魔王によって滅ぼされるという、これ以上ない皮肉な末路ざまぁを迎えることになります。


少しでも「魔王の忠犬っぷりに笑った!」「聖教国の自業自得が楽しみ!」と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価(★★★★★) をお願いします。


皆様の応援が、次回、聖教国の教皇が絶望の中でエルシア様の『真実』を知るための、最高の演出になりますの。


これからもどうぞよろしくお願いします!

それでは、次回の更新もお楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ