93話 「もう寝てるのかよ」
本拠点に普段、帰って来た時は頭から駐車しているのだがトレーラーの荷台にこの後必要になるであろうケースを積み込んでいるのでバックで駐車した。そんな作業をしてる間も知佳は起きることなくいつもの様に寝ていた。
「マジでこっちでも起きないのか」
知佳は、現実世界でもなかなか起きないのだがそれも薄々この世界でも同じなのには気が付いていた。
「知佳、着いたぞ」
「うーん」
「着いたから起きろよ」
「わかったー」
「本当か」
車から下りトレーラーの扉を開けた。固定はうまくいったようでケースは動くことなく閉めた時と同じ位置にあった。咲夜はそれを軽く確認するとラッシングベルトを外していった。その際に出た金属同士が当たる音で目が覚めたのか知佳が助手席から降りて来た。
「おはよう」
「起きたか」
「うん」
「固定上手くいってたぞ」
「よかった、何すれば」
「プロペラの件を頼む」
「分かった」
咲夜は、ラッシングベルトをすべて外した。一旦知佳のところに行くことも考えたのだが、知佳なら検査ができるのであれば問題なく操作できると考え、ケースを降ろす作業を作業に切り替えた。
咲夜が降ろしていると、タイヤが動く感じがして動かしにくかった。
「これは、耐久云々の話じゃないな」
この点については、プロペラを正式に納入するまで改良することにした。
「それに、操作する棒が欲しいな、後付けでもいいから」
咲夜は、現状降ろす際に中腰になって押しているので短時間ではあったのだが毎回かがむのがめんどくさく感じてしまった。建物の中にトレーラーを入れているのだが製作機までの移動も現時点でめんどくさく感じてしまっている。
「知佳は、これめんどくさく感じなかったのか?」
「めんどくさった」
「またかよ」
「なれて」
「努力はする、めんどくさかったのか?」
「うん、耐えれないほどではなかった」
「それは、身長の差なのか」
「チビとでも」
知佳の身長は、咲夜と比べても小さく身長が低いく知佳のこと小学生の頃から知っている奴から聞くに小学生から変わていないとのことだった。
「そうは、言ってないんだが」
「それならいい」
「それで、検査はどうだった?」
「いけた」
「問題なく?」
「うん、料金は高かったけど」
「幾らなんだ」
「5枚で1000万」
「それは、高いな。残りは大丈夫か?」
「問題ない」
「まあ、一応払っておくタンクの関係の奴も含めて」
「分かった」
いくら、儲けてる知佳とはいえ、今後は会社の収入源になる予定なので幾ら知佳が会社の役員的な立場になるとはいえ、支出の元は限定しておきたかった。
「幾らぐらい払った」
「2000万あったら足りる」
「了解」
直ぐに咲夜は、知佳に2000万送金した。
「そっちは、大丈夫なの?」
「6000万ぐらいだな」
「車の量産になったら足りない」
「量産することになったら足りないが前回と同じような契約にはしたいな」
「台数、次第じゃない」
「台数かー、何台になるんだろうな」
「100台は行くんじゃない」
「そこまで行くか」
「結構広い」
契約を得ようとしている、4000番は本島の中では広い方ではないのだが、4000番のほとんどが街か空港になっているためにNPCの人口も多くプレイヤーの比較的集まっている地域なので管理しないといけない面積は広かった。
「警戒する範囲のことだよな」
「うん」
「面積だけで言うと他の番地の方が広いんだが」
「でも、量が必要なのは、4000番」
「そうだな」
「そうでしょ」
「まあ、いいや、それでどれぐらいの時間が掛かる」
「検査のこと?」
「ああ」
「4時間」
「長くないか」
「想定はしてた」
時間はそこまで問題ではなかったのだが、この後再度採石場に行きタンクを取り出して再度本拠点に戻ることになるので出来るだけ移動したくなかった。
「採石場に戻る」
「運転は?」
「咲夜」
「だよなー、知佳は」
「寝る」
「俺は、寝れないんだが」
「仕方ない」
「仕方なくないんだが」
「なら、飛行機を作るしかない」
「あれ、荷物乗らないんだが」
骨格だけ採石場にある機体は、現実世界では長距離飛行できる戦闘機として開発されて物で今の様に大量に荷物を運ぶことはできないのでどっちにしろ地上で移動するしかないのだが。
「大型を早く開発するしかない」
「それを、覚えるのは」
「咲夜」
「暗記は良いけど、モニター関連の操縦のシステム開発は」
「私がやるしかない」
「開発が終わってからな」
「何とかする」
「まあ、資金を調達だけどな」
「そこは、任せた」
「何とかする」
警察車両の開発に関しては、追加でカスタムが付かない限り既存のパーツの組合せで作ることができるので開発が掛からず大半が利益となるので他のことに回すことができるので咲夜としては、追加のカスタムが来ないのとを願っていた。
「はー、ケース端に寄せて移動するか」
「うん、因みにトレーラーは」
「持って行かなくていいだろ」
「外そうか」
「それよりは、ケース運んでくれた方が助かる」
「分かった」
咲夜は、慣れた手つきでトレーラーを外して車を外に出した。その作業の間に知佳は、ケースを動かし終わり咲夜が飲み物を上に取りに行っている間に助手席に座って寝ていた。
「もう寝てるのかよ」




