90話 追加タスク
2人は、咲夜のデスクで向き合って座っていた。
「秘匿性高くしたいなら現実世界でも良いぞ」
「別にいい」
「分かった、それで話は」
「警察と車に関して」
「おう、どっちから話す?」
「車から軽量のスポーツカーを作るのはどう」
「もう、設計図自体は準備してるんだろ」
「してる」
「現状、もう一台のスポーツカーがあるからそれが終わってからになるぞ」
「そこまで難しくない」
「なら、知佳がやっても良いんじゃないか」
「やってもいいけど、車は出来るだけ咲夜に集めたい」
「それは、良いんだが優先度がそっちが高くなるのか」
「そう」
咲夜としては、ひかりが条件に出した方の車を優先させたかったのだが、知佳が提案してくる方が優先度が高いと言うのであれば、先に設計したほうが良いのだろうが咲夜としては、約束の車の方が優先したかった。
「だが、今後のことを考えると約束の車の方を優先したほうが良くないか」
「足まわりのパーツが問題」
「もしかして、それを俺が持ってるのか」
「うん、それに車体は、パイプフレームだから」
「外装は知佳でもできるっていうことか」
「うん」
「それなら、知佳が・・・・ていうわけにもいかないか」
「うん」
知佳は、警察関連や会社の設立の仕事現実世界でのもろもろの準備など多くやることがあるのでこれ以上タスクを増やしてしまうと学校に行けなくなるのでこれ以上は増やせなかった。
「分かった、タンクの設計が終わるとすぐに取り掛かる様に暗記しとく」
「おねがい」
「それで、警察は」
もう一つの警察の話をすることにした。
「警察の車両販売について」
「おう、ついてと言っても限られた番地に販売するんだろ」
「そう、今考えてるのは、4000番だけになると思う」
「そこだけにするのか、格納庫がある19000番地とかは今の車両の需要は高いと思うぞ」
「そうなんだけど、注文が入ってないから」
「そうだな」
「それに、お金がない」
格納庫がある19000番台の地域は石油など天然資源はあるもののプレイヤーがほとんどおらずNPCも一部の地域に街を作っているだけで咲夜たちの本拠地がある地域と比べると明らかに収入の差がありそうな地域だった。実際に面積は、砂漠地域の方が広いのだが収入に関しては、都市部の3分の1以下という状態で都市部の警察でも車両の導入コストが高いので安くしようとしているので砂漠地域ではそんなものを購入すること自体が不可能だった。
「レンタルとかにしても良いのかもの」
「レンタルはリスクが」
「高いかもな、でもあの地域で犯罪が横行されると困る」
今後、飛行機の開発に重点を置こうとすると滑走路の使用料が安い上に事故で墜落してもリスクが低い砂漠地域に拠点が移ってことになるので砂漠地域の治安悪化は、咲夜としても譲れないことだった。そのことに関して知佳も理解しているのだが利益が少ないことを考えるとなかなか了承できないことだった。
「検討しとく」
「おう」
「それで、現状販売するのは19000番地だけで行くんだな」
「注文が入れば検討する」
「そうだな、これぐらいか」
「あと、製造場所はどうする」
「それは、車自体か」
「警察の車」
「それは、採石場でするしかないだろ」
「運び方は」
「今までのようにはいかないか」
「うん、台数増えるから」
「2台積める奴を考えておく」
現状、咲夜たちが開発した1台しか積載できないトレーラーしかヴィジオンの中になく採石場からの納品を考えると複数台を同時に輸送する必要がでるので新規に開発する必要があった。
「開発は、注文の台数で決めたら」
「それも、ありだけど運転手がな」
「意外とドライバーになりたいプレイヤーは多いみたい」
「なぜに」
「高給取りだからじゃない」
「現実世界ではそうかもしれないがこっちではない可能性もあるだろ」
「尾行したプレイヤーがいる」
「ドライバーをか」
「うん」
咲夜は、呆れてしまった。確かに他のゲームなら問題ないのかもしれないが、この世界ではNPCにも一体一体AIが搭載されており自我があるので問題になった時を考えるとやるべきではなかった。
「呆れることしかできないんだが、そのデータは正確なのか」
「正確みたい、1人だけじゃなくて複数のNPCと会社にやってるみたいだから」
「それは、すごいとしか言いようがないんだが」
「すごい」
「でも、入社してのデータは無いんだな」
「してるのかも」
「データを公開してないのか」
「そんなに、時間も経ってない」
「そうだな、現状ドライバーが一番良さそうなのか」
「運転手系が良いみたい」
「そうか、なら時間が空いたときにタクシー作ってみるのもありだな」
「あり」
ただ、咲夜は知佳と同様やらなければならないタスクが大量にあるので直ぐに取り掛かることができないのが現状だった。
「話は、終わりか」
「うん」
「続きやるか」
「分かった、どこまで進んだ」
「半分と言った感じかな」
「タンク本体は終わった」
「外観だけな、内部の仕切り版とか上部、下部の機構はまだ手を付けてないからな」
「材料いる?」
「あった方が良いが持って帰れないだろ」
「うん」
「結局、俺が行くことにならないか」
「なる」
「なら、終わってから行こう」
「分かった。プロペラ作って来る」
「権利あるのか」
「頂戴」
「分かった」
現状、咲夜しかプロペラの作製権限を持っていないので知佳にも一時的なものではあるのだが、この場で与えることができるので電子端末を操作して知佳に譲渡に関する権利以外の権限を渡した。
「どうだ」
「来た」
「検証頼む」
「何枚?」
「1セットで行こう」
「5枚てこと」
「そう」
「分かった」
知佳は、プロペラの製作のために1階に降りて行った。咲夜は、話し合い前の作業に取りかかった。この作業を始めて5分もしないうちに知佳にアルミのインゴットを運んでとお願いされたのだが。




