83話 知佳の隠し部屋
咲夜がログアウトすると先にログアウトアウトしてた知佳が部屋を出ようとしていた。
「どこに行くんだ」
知佳はゆっくりとこっちを向いた。
「ちょっと、お手洗いに」
「そうか、どっちにしろ3Dプリンターとかがある隠し部屋は見せてもらうからな」
「逃げられないか」
「それは、理解してるだろ」
「そうだけど」
「ならあきらめろ」
「分かった、トイレ行って来る」
「トイレは、行くんだな」
と言っている咲夜もトイレには行きたかったので知佳が向ったトイレとは別のトイレに向かった。
ーーー
咲夜は、二人分の飲み物を用意して知佳を待った。しかし、そこまで時間は掛かるとなく直ぐに戻ってきた。
「ブラックでいいか」
「うん」
咲夜は、インスタントの粉を各コップに入れそこにお湯を注いだ。
「ほい」
「ありがとう」
「うん」
咲夜は、いつもの位置に座った。しばらくの間は、会話も無くそのまま時間が流れて行ったのだが、5分ほど知佳が話し始めた。
「隠し部屋の話、いい?」
「良いぞ」
「それで、先に見る」
「いや、後で良いや、ひとまず何があるかが知りたい」
「分かった、レーザー加工機があるのは言ったでしょ」
「それは、大きいのか?」
レーザー加工機も様々な種類があり、ひと昔前までは個人の過程ではなかなかない物だったのだが小型化が進んだことである程度普及はしており咲夜の家にも文庫本ほどの物を加工できる加工機が置いてはあった。
「大きいやつ」
「どれくらいのなんだ」
「1mX80㎝ぐらいのまで行けたはず」
「意外と大きいな」
「うん、それぐらいないと加工ができないし」
「何を加工するつもりだったんだよ」
「PCのケースとか」
「確かに、売ってるの見たことない物がいくつかあるしな」
「最近は、作った奴が普段使ってる」
「何で買ってるんだよ」
知佳は、何かとPCの新パーツが出るとなんでも買っていった。そのなかには、当然ケースも含まれておりそのケースにに関しては大半が倉庫に入っていた。
「飾るため」
「飾るために大金を払ってるのかよ」
「そう、それに使いにくかったりするから」
「良いところだけ集約して自分で作っているということか」
「そう」
「まあ、ケースに関しては知佳の趣味だから良いや、それでほかに何があるんだ」
「趣味ではないんだけど、他にはそこまで大きな機械は無くて、残りははんだごてとかがあるぐらい」
「了解、ひとまず何があるかは分かった、それ俺も使っていいんだよな」
「ばれたから使っていい、それに咲夜が来てから使えて無かったから」
「使って無かったのか」
「秘密にしてたから」
「そうか、部屋見せてくれ」
「うん」
咲夜は、カップの中にはいっていた残りのコーヒーを飲み切るとソファーから立ち上がった。
知佳は、既に前回入ったウォークインクローゼットに入っていった。それに続く形で入っていた。知佳は咲夜がウォークインクローゼットに入って来ていることを確認すると、部屋の中でも手前の側の棚の前に立った。すると知佳の正面にある何も置かれていなかった棚を奥に押した。するとその棚が奥に動きその後、片方を軸として回転した。
「こんな、からくりまで作ってあったのか」
「作ったのは、大工だけどね」
「そうだろうな」
扉となっていた棚が完全に開くとそこには、先ほどまでいた部屋と同じくらいの広さのある部屋があった。
「思っていた以上に広いな」
「こちの部屋の方はさっきの部屋よりは、狭いけど」
「いや、ウォークインクローゼットと同じ広さだと思ってたんだが」
「狭いと入らない」
「いや、入るだろ」
「どうやって」
しっかりと部屋に入り振り返ると明らかに大きな機械が3機置いてあった。
「3機とは聞いてないんだが」
「行ってない」
「それで、どれがどうなんだ」
咲夜は、こういった機械に関してはある程度の興味はあるのだが調べたことは無かったのでどれがどの機械なのかは分からなかった。
「知らないの」
「調べたことは無かったからな、それでもこの機械が一般家庭にないことは分かる」
「そうかな」
「そうなんだ」
「まあ、いいや。それで右から3Dプリンターが二機で右端がレーザー加工機」
確かに知佳の言う通り右端にある機械は残り二つと形状が異なっていた。そんな機械が入っていてもまだ部屋が広く感じるのでどれだけパソコン部屋に物が詰まっているのかがわかりもした。そして、咲夜は3Dプリンターに関しては無いと知佳から聞いていた。
「おい。3Dプリンターあるじゃないか」
「さっき調べたら砂のタイプも3Dプリンターて言うみたいだったから」
「サンドって本格的な機械導入してるじゃないか、それも2基も」
「そうだね」
「そうだねって、これ高いやつだろ」
「高くはあった」
「なら何で2基もあるんだ」
「片方作業してたら追加で作れないから?」
「何で疑問形なんだそして、同じサイズはいらんだろ業者か」
「そんなに言わなくても、私のお金で買ったんだし」
「そうだがな」
「それに、咲夜も使うんなら一人1つずつでいいじゃん」
「そうなんだが」
咲夜からしてみても、機械が多い方が何かと便利ではあるのでこれ以上何も言いはしなかった。機械ばかりに目が行って他の物を見てはいなかったので周囲も見ると、機械が置いてある面の他の三面は壁に沿って大きな天板が壁に一部を除いてついていた。そして、その天板の上に様々な道具が置かれており一部は塗装ベースすなっておりプラモデラーがうらやましがりそうなほど潤沢に道具がそろっていた。
「この部屋、大概の道具はそろってそうだな」
「うん、ある程度は揃えた」
「そうか、それでここは自由に使っていいんだよな」
「うん、ただ3Dプリンターとかで設計しようと思うと今パソコン部屋のパソコンしかないから昨夜様にもう一台用意するからちょっと待って」
「分かった」
咲夜は、一通り部屋を確認すると天板が無い部分が気になった。
「ここ、元は何があったんだ」
「扉」
そう言うと知佳は、天板の上についている棚からコの字状の持ち手らしき物を取り出すと天板が無い部分の壁に両端を差し込んだ。するとガチっと固定される音がして知佳が手前引くと廊下が確認できこの部屋の本来の入り口がここであることが分かった。
「ここまでして隠したかったのか」
「怒られるかと思って」
「初めからあったら怒りはしないんだが」
「そうなの」
「そうだ」
「そうなんだ」
「何でこういったことに関しては抜けてるんだ」
「仕方ない」
「そうか」
咲夜はため息しか出てこなかった。




