76話 契約
知佳が言い放った言葉に何を言っているのかわかっていないよう反応をなのか油田は一瞬固まってしまったがすぐに聞き返してきた。
「条件次第ですか」
「ええ、条件です場合によっては、追加でこちらから幾らか資金提供も行えます」
「それは、資金提供はありがたいのですがその条件は何ですか」
「権利、正確には株式の50%を」
「株式ですか」
「この会社は申請を行っていますよね」
「一応しています」
この世界に関しては、すべての会社には株式の発行が義務化されており咲夜が代表となっている会社も同様に発行しており発行枚数は、各会社に付けられた最低株数以上は発行する必要があり咲夜の会社は、80%を咲夜が残りを知佳が持っていた。その、発行されている会社の株を知佳は、50%も貰おうとしていた。
「その、50%と交換ということですか」
「そう言うことです。この会社は、何級に指定されていますか」
「D級ですね」
「なら投資金額は、最高でも5000万ほどですか」
「はい、4500万ほどです」
咲夜は、その投資金額の大きさに驚いたが需要が常に高い石油を扱っていると考えれば、それだけ資金力があるのも理解できないことも無かった。
「しかし、50%は大きすぎませんか」
「そうでしょうか、私は資金力も機動力もあります。自身たちで石油を掘り出すことも可能なんですよ」
確かに、不可能ではなかった。各油田には、備え付けのポンプが付いておりそこから原油を得ることが出来るのは、採掘権を購入したプレイヤーでその採掘権もオークションんで購入するので油田の近くにある油田の採掘権を購入してしまえば油田は遠くに行かなければならなくなってしまう。そいして、近場の油田の採掘権を無くしてしまうと移動でただでも効率が悪いにも関わらずさらに悪くなってしまう、そうなると油田にとっては不利益しかなかった。
「もしかして、脅してますか」
「ええ、脅しています」
「そうですか」
油田は、何かあきらめたように天井を見てしまった。咲夜は、知佳の方を見ると悪いことを考えて成功した時に見せる顔をしていた。少しの間天井を見ていた、油田が正面を向き直し姿勢を正した。
「一部条件を飲みます」
「一部ですか」
「はい、50%に関しては分かりました。ただ、車は1台でいいのですがタンクトレーラーを二台と1000万と融資をお願いします」
「トレーラーは、良いでしょう。資金に関して融資で良いんですか」
「はい、融資してもらう代わりに株式をお渡しする形にしたいと思います」
「融資になると、いずれ返さないといけなくなりますがそれでもですか」
「はい、いずれは返金します」
「わかりました。その条件で契約しますしょう」
知佳は、ここに来ると持って来ていた鞄から2枚の紙を取り出した。2枚とも同じ内容が書かれていたのだがその内容が先度まで話していた内容と全く同じだった。その紙の片方を油田に渡した。そしてそこに書かれていた内容が今の今決まった条件と全く同じだったので驚いていた。
「これは、完敗です。この条件で落ちを決めていたのですか」
「はい、ここが両者がギリギリ飲める条件だと」
「そうですか」
油田は軽く条件を確認してサインした。知佳は、もう一枚の紙を咲夜に差し出し咲夜は、その内容を確認して同じようにサインすると紙を入れ替えて再度サインした。本来の契約であれば、長時間話し合うのだがここは、ゲームの世界と言った感じでこういった話は直ぐに完了してしまう。
「これで、契約は完了です」
「この後、裁判所に持っていく必要はありますか?」
「本当は、必要だと思いますがどうされますか?」
「わたしとしては、裁判所に持って行って行きたいですね」
「ここの近くの裁判所はどこになりますか」
「この先に空港があるのは知っていますか」
「知っていますよ」
「その空港の高速側の入り口の近くに有りますよ」
「そうなんですか」
「はい」
咲夜と知佳は何度も高速側の入り口から出入りしているのだが、裁判所らしき建物は見たことが無かった。
「では、一旦今日はこれで」
「はい」
「車両に関しては出来上がり次第連絡します」
「よろしくお願いします」
2人は、立ち上がり外に出た。油田も同じように外に出て二人を見送りに立ち上がってついて来た。
ーーー
2人は、車に乗り込みそのまま、裁判所に向かった。と言っても場所はなんとなくしかわからないので咲夜が車を空港に向けて走らせている横で知佳が場所を調べてくれていた。
「場所わかったか?」
「なんと無く」
「そのなんとなくをはっきりして欲しいだが」
「と言っても、ここにあるのと言った感じの場所」
「どこ」
知佳は、咲夜にタブレットで裁判所を指している地図が表示されていたのだが、確かにそこにあると聞きたい場所にあった。
「マジでそこにあるのか」
「うん」
「大通りの一本奥に入った道にあるとは思わないんだが」
「でも、裁判所の記号はここにあるから」
「まあ、行くしかないな」
「うん」
場所が怪しくとも公式は、裁判所がここにあると表示しているので、行くことにした。それに、その場所に無くとも格納庫で確認したいこともあったのので行くこと自体は問題なかった。




