70話 苦笑い
Geheimnisと聞て咲夜は直ぐに何を意味しているのか分かった。
「ドイツ語で秘密か」
「そう言う意味もある」
「なら不可思議か」
「そっち」
「なぜに、不可思議の方を取るんだ」
「開発スピードが異様」
「そこだけで不可思議にしたのか」
「それに、説明できない不自然な方が面白い」
「まあ、何を言いたいのかわからないけど任せる」
「うん」
咲夜は、経営に深くまで関わるつもりはないのだが現金化が出来るこの世界では、横領も発生してしまうような世界な上、現実世界では法的に裁くことが出来ないので会社を立て経営をしていくのならそこは気を付けなければならないことだが、知佳に任せるつもりだった。そのことに関して知佳も薄々感じていた上に、そのことに関しては知佳も経営に関しては、やる気があるので問題なかった。
その後、知佳は何か作業をしてから咲夜の車を借りてタワーに出掛けて行った。
ーーー
咲夜は、知佳が出かけて行った後も作業を続けていた。プロペラに関しては90%は完成している上、咲夜も作業に慣れてきており効率化されているので問題なく作業は進んでいた。
知佳が出て行って、3時間ほどして知佳が帰ってきた。その時には、咲夜の残りの断面図は2枚となっていた。
「ただいま」
「よう、少し待ってくれないか」
「どれくらい」
「後、2枚くらい」
「なら、お風呂入って来る」
「どっちの」
「こっち」
「わかったー」
知佳は、このゲームでもお風呂には短時間なのだが、現実世界だと短いことの方が多いのだがたまに1時間以上入っていることもありその上、一旦ログアウトしてから戻って来ることもあるので場合のよっては咲夜が迎えに行かないといけなかった。
知佳が、入っている間に仕上げていた。接続部に関しては別に必要なパーツの設計図関しても設計が終わっておりプロペラが付くだけなのほぼ同じ形なのでなぞっていくだけだった。そして、咲夜の作業が終わりコーヒーでも入れようかというタイミングで知佳が出て来た。
「上がったのか」
「うん、ドライヤーが必要」
「この前、ひかりが買ってたけど」
「そう、めんどくさいからいい」
「なんだよ、その状態ひかりに見られたらめんどくさいぞ」
ひかりは、こちらの世界でも高校生らしく美容には気を使っており初めはドライヤーがこの世界には無かったのだが、家電メーカーがスポンサーについたことでゲーム内で登場したことが報告された日に買いに行くのを付き合わされた咲夜はドライヤーのことを知っていた。
「知ってる、一回怒られた」
「怒られ済か」
「うん、それで出来たの」
「プロペラか」
「うん」
「できたぞ」
「なら、今から作りに行こう」
「分かったが、まずコーヒー飲んでからな」
「うん」
咲夜は、カフェイン中毒になっているので現実世界でも朝、昼、晩と1日3回は飲まないと気が済まず、このような集中する作業をやった後は必ず飲まないといけなくなっておりその症状はこの世界でも同様な症状が出ていた。しかし、実際は習慣でしかなくこの世界では、中毒症状までは今は実装されていなかった。咲夜は、コーヒーを飲むと立ち上がった。
「作るの」
「ああ、設計図取って来る」
「うん」
咲夜は、部屋でまとめた設計図を取っていた。今回の設計図の中には、プロペラ全体図面まで作っていた。
「取って来たぞ」
「うん」
「何で作る?」
「アルミ」
「展示だけならそれでいいか」
「うん」
「実機は、カーボンで作るんだっけ」
「その予定」
話しているうちに作製機に到着したので咲夜は、いつもの様に作製機に設計図を入れている間に横の部屋から素材となるアルミのインゴットを持ってきた。その間、知佳は水路の水門を開けていた。最近知佳はこの門を開けるのが流行っているのか、作製機を動かすときは長時間ここに居るときには開けていた。幸い向かいの建物は、咲夜の所有している物件なので覗かれる心配はそこまで気にする必要はない上、元々瑠璃が住んでいた方も空き家なので咎めることは無かった。
「始まった?」
「ああ」
「幾ら」
「登録が5万Gで作製が100万G」
「案外安いね」
「ああ、でも金属だからな、カーボンになるといくらになるか」
「そこまで上がる?」
「わからん、でも木材と金属で金額が違うことは確認してる素材の種類数も関係していることは分かってる」
「そうなんだ」
木材、金属に関しての金額の違いは、瑠璃に教えてもらった。この違いに関しては、偶然の産物で同じ素材で同じ形状の物品を作製したことで判明した。因みに、警察車両では鉄だけで咲夜の車はジュラルミンといった違いがあるのだが金額は同じだった。同じだった理由は、金属でジュラルミン作製時にすでに加工代が乗っていたからでもあった。またこの際に素材が多く含まれていたことで加工代も上がっていた。
「機体に、片側で5枚、両側だから10枚となると幾らになるだろうな」
「今のままだと、1000万Gだけどカーボンは」
「そうだな、カーボンとなると幾らになるだろうか」
「素材は、タダに近いけど加工が高そう」
「そうだな、カーボンシートを作ってからだからな」
「プロペラが上がりそうだな」
「そうだな、まあそこは作ってからだな」
「そう」
作製時間は、1時間だったので上に上がっても良かったのだが、二人は並んでスロープに腰を下ろした。
「なあ、先に作るの飛行機じゃなくて船じゃなかったのか」
「それは、そう」
「だよな」
「でも、飛行機を作ることは問題じゃない」
「そうだな、どっちが先であろうが金は掛かるしな」
「そう、それに飛行機は儲かる可能性が高い」
「そうか」
「うん、特に今回のプロペラは」
「そうなのか」
「うん、確認してみたら」
知佳に言われるがまま、確認してみると公開していなかったのだがゲーム内のシステムから結構な枚数のプロペラが注文されていた。
「確かにこれは」
その台数に苦笑いしか出てこなかった。




