65話 一応
戻って来ると製作機は、稼働が止まっていた。
「できたみたいだな」
咲夜は、製作機の扉を開けるボタンを押した。本拠地の製作機は、10級なので人力で何とか動かすことが出来ていたのだが、高さが20mもある採石場の製作機はさすがに動かすことが難しく製作機側が動かしてくれるようになっていた。そのボタンを押すと中央で左右に分かれて、側面に細かく分かれて仕舞われていった。この仕組みに関しては、大半の製作機は同じなのだが異なる開き方をするものも存在していた。
「牽引バー持ってくる?」
「いや、先に確認しよう」
扉が開くと、中に溜まっていた熱気が外に流れて行ったその温度差で製作機の中は白く曇っておりその雲が開く建物に広がっていった。
「大きくなるとこんな出でるんだね」
「想定はしていたが」
「そうだけど」
この水蒸気は、本拠地でも発生はしていた。それでも、これほど多くの蒸気は発生していなかった。理由は、大きさも関係は大きさも関係しているのだが今回は大半が金属であったためにこれほどの蒸気が発生していた。
「一旦確認したくないか」
「そうだけど」
2人は、水蒸気が落ち着くまで車の後ろを開けて待っていた。5分ほどしたらさすがに上記も収まり仮で作製した機体が確認できた。
「流石にでかいな」
「翼は大きくなってるけど」
「それでもじゃないか」
「そう」
「もう、エンジン付けたくなるな」
「まだいろいろ付けてない」
「バランス的には付けた方が良くないか?」
「着けても良いけど取り込み口とか大丈夫?」
「まあ、一旦やってみないか」
「そうね」
確認でき様になってそうそうエンジンを取り付けることになり咲夜は、トレーラーを仮置きしていた場所から、トレーラーごと持ってきた。
「これ、どうやって動かすの?」
「下に、ボールが付いてるからパレットごと動かすだけで大丈夫」
「そう」
この仕組みは、貨物飛行機についている機能でそこから咲夜が参考にして作ったものだった。咲夜は、エンジンを下ろす前にエンジン用に作成した、ウインチを降ろして組み立てた。
「前言ってたのそれなんだ」
「そう、これあるならクレーン作らなくて良いんじゃないの」
「エンジン用だからいろいろ不便だぞ」
「そのいい方的に使ったことがあるのね」
「ああ、本拠点で何度か使ったけど出来るだけ使いたくはないな」
「そう」
「組み上がった、動かそう」
「一人でできるでしょ」
「二人でやった方が楽なんだよ」
「分かった」
咲夜が、固定していたベルトを外して2人で後ろから押すと少し動きその後はスムーズに動いた。そして咲夜が組み立てたクレーンで、一基ずつ作製機の中に降ろしていた。トレーラー自体は作製機の中に入れていたので直ぐだった。2基とも下ろすとすぐに作製開始させた。取り付けに関しては、先ほどの読み込ませた設計図の中に含まれていたので問題なく作製が開始されたのでが取り付けが両方で30分で本来なら人力やる作業なので片方だけでも2時間かかる作業なのだが取り付けるだけなので短時間で終わる作業だった。当然取り付けには費用が掛かるのだが今回は片方100万Gで両側で200万Gだった。そして、先ほどまで待った時間よりは短かったのでその場で待った。
ーーー
組み付けが終わると今までと同じように軽くブザーが鳴り終わったことを教えて来た。咲夜は先ほどと同じように操作して扉を開けたのだが前回と同じように水蒸気は出ることなく直ぐに機体が見えた。
「エンジンが付いていた方が見栄えが良いな」
「ええ、プロペラが付いてたら外から見たら完成だったけどね」
「旧型のプロペラな作れるぞ」
「無駄だから」
「そうだな、動かすか」
「うん」
咲夜は、牽引バーを仮置きしていた場所から引っ張ってきた。この牽引バーは二股になっており左右に分かれた胴体の下についている車輪に挟みこむように装着するようになっていた。
「そっち出来たか?」
「できた」
知佳も装着の仕方は分かっているので片方は知佳がやっていた。
「動かすか」
「うん」
咲夜は運転席に乗り込み、少しずつ機体を引き出していった。初めは重かった機体も、動き始めるとそこまで重さを感じることは無かった。知佳は、車には乗らず外で見ると言い製作機の建物の外で待っていた。20mほど走ると屋外に機体が出た。出ると咲夜は車を止め降りた。そして、後ろを見ると外観はほとんど完成した機体が太陽光で光っていた。まだ塗装も何もしていないので金属そのもの眩さがあった。
「日中で良かったな」
「眩しすぎ」
「まあ、眩しいな」
「すぐにでも塗りたい」
「しばらくは倉庫の中に置くんだから良いだろう」
「そうだけど」
「どっちに入れる?」
作製機がない建物は、横並びに建っており両方ともそこまで汚れてはいないのだが、元採石場なので良い感じに砂ぼこりで汚れているので格納庫と比べると雲泥の差があるのだがこの汚れに関しては清掃すれば何とかなると考えていた。
「手前の倉庫で良いんじゃない」
「了解、バックで入れるから見て」
「はーい」
咲夜は、そのまま引っ張て行き手前の倉庫に着くと知佳が倉庫の扉を開けてくれていた。ここに初めに来た時は2棟とも半開き状態で動かないと思っていたのだが借りてから確認してみると問題なく両方動いたので使うことにした。
機体を動かすのも初めてな上、機体も大きいので簡単に90度動かすのも大変だったのだが普段トレーラーを引っ張ているので大変ではあったのだがそこまで苦労はしなかった。知佳は、咲夜がぶつけない様に死角を確認してくれていた。
「大丈夫か」
「うん」
普段は、そこまで声を上げない知佳だが、広いこともあって大きな声を出した。咲夜は、知佳の返答で機体を止めた。咲夜が機体から降りると先に準備していたのか知佳が4輪あるうちの前の左右1輪ずつを挟み込むような車止めを置いて行った。
「そんれ、用意してたんだ」
「一応、あっても損はないし」
「牽引バー外すわ」
「反対やって来る」
「車輪降ろせよ」
「うん」
牽引バーは、分かれている両方に2輪ずつついており機体が無くても引きずらないように現実世界と同じようにしていた。咲夜も機体から外し機体の中央に移動させた。それを見た知佳も同じように機体中央に移動させて来てくれた。
「ありがと」
「こんな構造になってたんだ」
「コンパスみたいになってるだけだから」
「複雑じゃないけど、負荷はが大丈夫なの」
「そこは、正直微妙なところ、今度鋼鉄かなんかで作り直す」
「分かった」
咲夜は、分かれていた牽引バーを一つにまとめた。その時、知佳側と咲夜側にそれぞれ金属の出っ張りがありそこに金属のプレートが引っかかる様になっているので1つにまとめることが出来た。
「機体確認するか」
「そうね」
「なら設計図が必要か?」
「私分は欲しい」
「なら、製本して渡す」
「分かった」
製本機能は最近追加されたもので設計図を登録したもの又は、特許を取得した者しか製本機能を使うことが出来ないようになっており作製機で作れるようになっていた。製本は出来ないが他のプレイヤーも設計図や登録された内容に関しては確認をすることは可能にはなっており製本機能はここ最近あったアップデートで追加されたものだった。
「一旦これ持って行く」
「分かった」
咲夜は、牽引バーを付けたまま横の倉庫まで移動していった。この牽引バーは、機体のある場所に置いておいても良いのだがこの倉庫は今後機体の作製に使用するので邪魔になると考えた咲夜はもう一つの倉庫に置いて置くことにした。
ーーー
5分ほどして咲夜が戻ってきたのだが、どこから上がったかわからないが知佳が中央翼に座っていた。
「どうやって上がったんだ」
「そこの後ろ」
「頑丈にできてる機体だから良いが」
「乗り方は先に調べてたから」
「そうだろうな」
咲夜も同じように中央翼に上がった。
「景色が良いな」
「石しか見えないけど」
「それでもだ」
「エンジン剥き出しが」
「気になりはするな」
「作れるの?」
「作れるが、素材がないな」
「なら今日はもう帰る」
「帰るか、流石に疲れた」
「トレーラーは」
「素材の奴は持って帰る」
「分かった」
流石に10時間以上連続でログインしている上に大半の時間が移動時間だったので疲れるのも当然ではあった。




