64話 向かいの土地
流石に8時間もの間作製機に張り付いて行くのは苦痛でしかないので咲夜と知佳は、格納庫まで来ていた。格納庫には、2機のエンジンを置いているのでそれを取りに来ていた。
「流石に問題はないだろ」
「開いてる場所は閉じたんでしょ」
「ああ、トレーラーに入れてはいるがな」
「それで、エンジンは向こうで実験するんでしょ」
「タダだし、消化設備もあるからな」
前回、自動車のエンジンの始動実験を行った際に空港にある試験場を使用してのだが1時間で50万Gもの金額が掛かった上にその金額は1基に対してのもので今回は2基もあるので100万Gも掛かってしまう。払うことは不可能な金額ではないのだがそれでも出来るだけコストを抑えたいのでどっち道採石場に移動させないといけないので採石場にも同様の設備があるので採石場で実験することにした。
「こっちで確認するの?」
「いや、向こうに持って行ってからだな」
「分かった」
回収するだけして採石場に戻って行った。
ーーー
5時間ほどで採石場に戻ってきたのだが作製機の中は確認ができないので残りの3時間は、他のことをするしかないのだがプロペラの設計の続きも道具を持って来ていなかったので見るしかなかった。取りに行くという選択肢もあるのだが戻って帰って来る時にはほとんど書いている時間はないので残り3時間は、何かするしかないのだが咲夜は対してやることがないので咲夜は、今後の採石場をどのように変えていくかを考えることにした。一方で知佳は車の2列目を倒して寝ていた。
「片方は完全に滑走路するとして」
咲夜は、ぶつぶつ言いながら歩いていた。咲夜の計画では、現状建っている3棟に関しては解体を検討していた。その代わり追加でいくつか平たい倉庫を建てることをも考えていた。
「滑走路にしてどうするの」
「起きたのか」
「シートで寝るのは適していない」
「そりゃ当然だ」
「それで反対側は」
「反対側には、今の建物を解体して、新しく大きな建物を建てる」
「なんのために」
「車の工場にする」
「製作機を並べるていうこと?」
「そこまでは考えてはいない」
「そう」
咲夜の頭の中では、採石場は自動車の工場にしようと考えていた。高台にあるため素材の搬入には、苦労する可能性はあるのだが線路を引いてしまうことで素材の搬入と車両の搬出をやってしまおうと考えていた。
「何か、不安ことがあるか」
「ないけど、レーンで作製していくんだよね」
「ああ、現実世界でも今現在は、ロボット単体で生産してるからな」
「そうね」
ここ数年、各自動車会社は、レーンで今まで働いてきた人員を減らしロボットが完全自動で組み立てまでやっている。その変わり削減された人員は、自動車開発やハンドメイドクラスの高級自動車の生産に回されていた。その技術を咲夜は、ヴィジオンの中に生みだそうと計画していた。
「そうなるとスペースが足りなくない」
「足りないだろうな」
「でも滑走路はあきらめないんでしょ」
「あった方が、今後のことを考えるといろいろ便利じゃないか」
「そうだけどその分が無駄じゃない」
「他の大型の作製機を保有できるようになったら解体はするかな」
「そうね」
作製機に関しては1m級でも1億Gと非常に高価なものであるため、個人で所有しているプレイヤーは咲夜しかおらずこれも正式に購入したものではないので自身で購入したプレイヤーは未だにいなかった。咲夜も現状、個人的に使用できる10m級、20m級合わせて購入した場合30億Gを超えて来るので当分先になるとは考えてはいた。
「それで、ここにラインを持っても警察の車両は対応できないでしょ」
「ああ、たぶんできないな」
「ならどうするの」
「それは、20m級の作製機で40台を作ろうと思えば作れるからそれで作る」
「そう言うことね」
「ああ、実際作ろうと思うと30台になるとは思うだがな」
「でも、2台同時で作ったことは無いんでしょ」
「エンジンで何度か作ってる」
「重ならないの」
「重なりはしなかった」
「そう」
エンジンもここで今後は作ることが多くなるだろうと考えていた。そして、本拠地の作製機は完全に試作関連がメインになるとまで考えていた。そうなると、咲夜がこの前瑠璃に伝えた作製機を建物中に入れる要望は変える必要があった。
「このまえ家て建てるとか言ってたけど何所に建てるの」
「作製機に近くに建てようかと考えてるが」
「良い場所がある」
知佳の後を追っかけた。
ーーー
今までは作製機が入っている建物までしか行ったことが無くそれよりも先の敷地には入ったことが無かった。のだが、建物奥には、草むらが広がっており今の今まで見ていた、白い地面に対して異様なぐらい緑が広がっていた。
「なんだここ」
「山と山の間の谷だと思う」
「そう言うことか」
咲夜たちの敷地の正面にには背の高い山が立っていた。そして元々咲夜たちがいる方の土地も同じように山がありそこを切り崩していったことで元々谷があった場所まで切り崩したことで平地になっていた。それでも山であることには変わりないので海に向かって緩やかに傾斜していることが確認できた。
「川までが私たちの敷地」
「その奥は、NPCの土地か」
「そうみたい」
知佳は、電子端末で所有者を確認していた。所有者の氏名は確認できないが、NPCが所有しているかプレイヤーが所有しているかの確認は出来るようになっていた。その画面で隣の土地はNPCが持ってることになっていた。
「ここに建てるのはありだが洪水は大丈夫か」
「流石に対策はしてるみたい」
知佳が指さした場所には、川と並行するように水路と擁壁がありこちらに流れてこないようになっていた。
「あれがあるならそこまで心配しなくても大丈夫か」
「それに、傾斜もついてるし」
確かに川に向って傾斜もついているのでそこまで心配しなくても良さそうだった。
「ならここに建てるか」
「そうね」
「どれくらいの大きさが良い」
「予定では、本拠地より若干大きいでしょ」
「ああその予定ではある」
「いっそのこと向こうの土地まで買って川を跨ぐような大きなものでも建てたら」
「幾らなんだ」
「えっと、ここと同じ大きさで、5000万G」
「安くないか」
「山だしね」
咲夜たちが借りている土地とほぼ同じ面積なのだが、平坦な場所が川沿いしかなく建物を建てることが可能な場所が限られているのだがそれ以上に車が入ることが出来る道がなかったのも大きな理由だった。
「今、買おうと思えば買えるんじゃない」
「買えるが買わんぞ」
咲夜の所持金は、少し前まで3億近くまであったのだが8413万Gまで減少していた。
「買えるけど」
「知佳も買えるのか」
「買えるけど、4000万Gちょっとしか残らない」
「売れるような土地じゃないから、ほっといても大丈夫だろう」
「そう」
直ぐに売れるような土地じゃない上に買ったとしてもどうにもできないので売れることは無いと考えていた。
「あと、どれくらい」
「時間か」
「うん」
「後、5分か。戻ろう」
「うん」
2人は、来た道を戻って行った。




