55話 運ばれていくコンテナ
作製機が見つかったのだが使えなかった。
「どう、やっぱダメそう」
「ダメそうだな」
「そう」
咲夜は、薄々感じてはいた。作製機は基本的に利用料金すら払ってしまえば使うことが出来るのだがそれは地図に表記されている製作機だけだった。実際、本拠地の製作機は使用料は払っておらず製作料金だけだった。
「やっぱり借りなきゃダメそう」
「ダメみたいだな」
「なら、借りる?」
「借りても良いが資金的に大丈夫か?」
「大丈夫だと思うけど、車両関係は売って行きたい」
「そうだな、NPCとかにも販売できるみたいだからそこは重視して考えたいな」
「そうね」
咲夜と知佳は話しておりその話を聞いていた瑠璃が話に参加してきた。こういった場面で瑠璃が参加してくることは無いのだが。
「あの、プレイヤー向けには販売しないんですか?」
「しても良いが買えなくないか?」
「今の主力で売っている車ではなく2人乗りとか、小型の車はどうでしょうか」
瑠璃の提案にそれがあったのかと反応を示した。確かに1台ごとに販売による利益は小さいが数が出れば購入してくれるプレイヤーが増えるの予測が出来た。
「確かにそうだな」
「飛行機の前にやってもいいかも」
「後回しにするのか」
「先に作ってもいいけどこのままだと第二拠点がこっちに移りそうだけど」
「そうかもしれないが」
咲夜からしてみれば今日の今日まで時間を掛けて覚えて設計してきたのだから作りたくはあった。
「作ってもいいけど」
「ここに降りることが出来るかだろ」
「そう、誘導灯も何もない場所だから」
「このゲーム内では個人用滑走路に関しては先に登録しておけば降りることは出来はする」
「なら、良いんじゃない、本拠地からは無理だけど」
「それに関しては、車でいいでしょ」
「それは、そうだけど」
また、話に参加できなくなった瑠璃だったが、ここを借りることになりそうだったので瑠璃はここをどうやって改装して行こかと志向を巡らしていた。そして、結局ここを借りることになったのだが、家賃が過去最高の400万G掛かることを知ったのだが会社を立てるには必要と考えたのと今後を考えても先に抑えておく方が有利なので無理して借りることにした。
ーーー
そのまま、3人は借りた建物内を探索していた。建物自体は、元鉱山だったことも関係しているのか全体的に汚れていた。それに建物自体も老朽化していることで面積に対しては格安ではあった。
「格納庫よりも広いですね」
「一つ一つはそこまで大きくないけどね」
「それでも大きいじゃないですか」
「そうだけど、納品する車置いておくには十分なくらい面積はあるけどね」
「そうですね」
「知佳は、どこ行ったんだ」
「知佳さんは、建物を観察してくるて言ってました」
「マップを作りに行ったんだな」
「マップですか」
「教えてなかったな」
マップについて知佳に伝えると知佳がやっていることに驚いたのだが、それ以上にそこまで真剣にこのゲームをやっていることに驚いたようだった。
「そこまで驚くこと」
「驚きますよ。マップまで作ってるなんて思いませんし」
「確かにそうか」
「そうですよ」
一通り探索が終わった二人は車で待っていたのだが知佳の探索が終わることなくしびれを切らした咲夜が止めに入るまで知佳は探索を続けていた。
ーーー
納品しなければならない車に関しては作製がすべて終わっているので後は納品するだけの状態になっているのだが最終納品に関してはリリアンに回答をもらう必要があるので連絡をしないといけなかった。
「残り何台?」
「起きてたのか」
「起きてたのかって、起きてるよなのに3人ともいないから」
「そう言うことか。それで残りの台数か」
「そう」
「3台だな」
「なら、今から行けばいいんじゃないの」
「お前な」
数時間前に知佳から聞いたことをひかりから聞くことになった。そんな咲夜の反応を見たひかりは何か察したような反応をした。
「もしかして」
「知佳にも言われて今日既に3台納品してきた」
それを聞いたひかりは笑い出した。よっぽど面白かったのかしばらく笑い続けた。
「それで残りの3台はいつ納品するの?」
「明日、明後日で1台ずつ納品してから最短で残り1台を木曜の納品になるかな」
「すでに火曜日だから納品して来たら」
「流石に、夕方だわ」
「流石にね」
「そうだ、それで何か用事があったんじゃないか」
「瑠璃さんかえって来てる」
「帰って来てるけど寝てると思うぞ」
瑠璃は長時間ログインしているのは金曜や土曜など学生生活に響かないような日だけに長時間ログインする。そして今日は、既に火曜日なのだが月曜日にこんなに長時間ログインしていることはなかなかないことだった。
「流石に寝てるかー」
そのことは、ひかりも知っていることなので半ばあきらめていたようではあった。
「何か、お願いすることがあったのか」
「いや、あるものを作りたいんだけどどうすればいいのかわからないから」
「それは、手伝えないな」
「お兄ちゃんは知らないことだから無理だよー」
「そうか」
「瑠璃さん起きてないなら寝るねー」
「おやすみ」
「お休みなさーい」
ひかりは、3階に戻って行った。咲夜は、コンテナを輸送することにした。と言っても咲夜はこのサイズのコンテナを公道で運ぶ資格は保有していないのでNPCの業者に任せないといけないのでコンテナ番号などを電子端末で打ち込むと30分後に回収しに来てくれるとのことだったので待つことにした。
ーーー
30分待つとトレーラーがやって来た。来るのを今か今かと待っていた咲夜は、持って来た時と同じ低床型のトレーラーが来るのだと考えていたのだが今回来たのはコンテナを挟み込むタイプがやって来た。この車両は、現実社会でも一部地域で活躍していることを知っていたのでさほど気にすることは無かったのだがあまりにも似ていたので観察しているとトレーラーを販売している会社の表記があったので広告の商品だとすぐにわかった。
「咲夜さんですか」
「はい」
咲夜は、初めてNPCに話掛けられた。逆に咲夜が珍しく大半のプレイヤーは、飲食店などNPCVとの関りが強い場所で働いているので咲夜の様に開発一筋で生活しているプレイヤーの方がレアだった。
「コンテナはこれですね」
「そうです。それで輸送場所は」
「2985番ですね」
「はい」
2985番は、咲夜が先ほど借りた採石場なのだがここは近くスペースがあるのでここに移すことになった。そしてコンテナ自体は、駐車場に駐車させたままではなくシャッターの方まで引き出していた。持って行く場所に関して軽く打ち合わせをした咲夜は、入り口の門をくぐってしばらくした場所に置いとくようにお願いした。
「それでは、作業に入ります」
「お願いします」
NPCは2人で来ていた。1人の作業員が、コンテナが入るであろう場所を作るためにコンテナの後方から挟み込むような装置をトレーラーから引き離し自走でコンテナまでやって来た。コンテナのにぶつかるぐらいまで近づくとコンテナの自走モードが起動して弱化浮き上がりトレーラーと合体した。合体すると先程の手順とは逆にトレーラーの方に引き出していった。トレーラーの方では咲夜と話していたNPCがもう片側で待っていた。すると道路にレザーの様なもので正確な角度が示されコンテナがもう片方に近づいて行き先ほどと同じように合体した。するとコンテナの自走モードが解除されるとコンテナがさらに上がり段差でも問題ないほど上がると止まった。一連の作業があっという間だったの驚いた咲夜だったのだが現実世界でも同じようなスピードで作業されるのでそれほどおかしなことではなった。
「それでは、運ばさせていただきます」
「お願いします」
「料金に関しては、到着次第請求書が送られますので、ご確認お願いします」
「わかりました」
「それでは、失礼します」
「お願いします」
コンテナが運ばれていくのを見ていた咲夜だったのだが横に知佳がいた。
「運ばれたの?」
「ああ」
「速かったね」
「見てたのか」
「上からね」
「そうか、なんか用事か」
「寝る」
「俺もログ後する」
「わかった」




