52話 会社の拠点
ほぼ答えが出ているよう3択を出された知佳は若干不満げだった。
「そうでもないぞ」
「そうでもないってどこがよ」
「1つ目はちゃんと考えてはいなかったけど2,3は結構真剣だったんだけどな」
「どこが」
「2つ目に関しては航空機が完成した時に移動が楽になる点や格納庫に納めなくてもよくなる可能性があると考えたから」
知佳も思いついていた理由の一つではあったのだがそんなことだけが上がった理由だとは考えていなかった。同時にデメリットになる可能性についても二人は考え出されていた。
「デメリットは、周辺の地価が上がったときに空港の価格が上がる可能性が高い」
「それは、大きい」
「2つ目は遠い」
「それも確かに大きいけど飛行機ができたら問題ない」
「それは、そう」
「3つ目は無いの?」
「今のところないな」
「そう」
本当は、残りいくつかありはしたもののそこまで深刻なデメリットではなかったのでそこまで考えてはいなかった。
「3つ目の元拠点は」
「あそこは、今の拠点の裏の上に桟橋まで付いてるから飛行機の着岸が楽な上に船で移動ができる」
「それは、大きい」
「岸壁も長いから桟橋も追加できる」
「今作ってる飛行機がさらに2機は行けそうね」
「そう、そこが大きい」
飛行機自体を本拠点の倉庫に入れることなく駐機できるのは大きかった。咲夜たちが拠点にしている側は、桟橋を立てることが禁止されていることは事前に確認済みでその変わりと言っては何だが各家に水路と繋がる水門が立っていた。
「そして、翼を畳まなくても問題ない上に広さ的に大型の水上機も付けれる」
「そこに関しては、今後の成長が大きく関係するからそこまで考えなくてもいいけど確かにそこ中型機サイズが止めれるのは大きい」
「飛行機じゃなくても船でも良いしな」
「そうね」
「で、デメリットは、拠点からあまりにも近すぎる」
「そこは、大きなメリットでもありデメリットではあるわね」
「そう、次が外洋に出にくい」
「それに関しては、元々じゃないの」
「そうなんだが、外洋が近いと今後輸出とかしようとするときに障害にはなる」
「輸出するときなんてもっと会社大きくなってるでしょ」
「それは、そう」
「なら、考えなくていいんじゃな」
「なら、この3つでいいか」
「そうね、実質2つではあるんだけど」
決定しそうなタイミングで休憩時間が残り5分を知らす鐘が鳴った。普段であればさほど気にすることは無いのだがこの場所が校内で真反対に位置しており次の授業が体育の授業となると話は変わって来るのだが知佳も同じように体育のはずなのだがパソコンに向き合って始めた。
「授業行かないのか」
「めんどくさい」
「そうか」
「昨夜も行かなくていいんじゃないの」
「そうなんだが」
「それに、ばれることは無いよ」
「ばれると思うんだが」
「それでも良いんじゃないめんどくさいし、別に立ってるだけでしょ」
「それは、そうなんだが」
今の体育の授業はサッカーなこともありサッカー部が中心になって授業を進めているので咲夜が活躍することは無いので問題ないと言えば問題なかった。
「怒られたら責任持てよ」
「無理ー」
「そうですか」
休みたい気もあったので咲夜は、ソファーに座り知佳は、正面に再度座り直した。この部屋には、ケトルなどある程度の備品があり長時間いても苦にならないようになっていた。
「それで、どこが良いと思うんだ」
「ちょっと待って」
知佳は、いつの間にか持って来ていたキーボードで何かを打ち込むとライトに付属しているプロジェクターが起動して壁に本島の地図が写し出された。そこには、現状拠点としている場所が赤色で点が落とされていたのだが本島が大きいので詳細な地図では表示されてはいなかった。
「それで、さっき言ってたところがここ」
知佳がもう一度叩くと候補地が表示された。10000番に関しては番地全体が青くなっており格納庫と元拠点は、ピンポイントで表示されていた。
「こう見ると、10000番は余りにもおおざっぱだな」
「そうね、さっきも上げたメリットだけで考えると旧拠点が良い気がする」
「まあ、そうなるな」
「もう、旧拠点で良いんじゃない」
「そうだな」
そう言うとすぐに残りの候補地は色が無くなり逆に元拠点は赤くなった。
「それで私は、詳しく知らないんだけど今の拠点はいくらなの」
「8000万~9000万Gだな」
「それで、旧拠点が3400万Gぐらいで格納庫が確か1億ちょっとだった気がする」
「そんなにするのか」
「当たり前でしょ。あんなに大きいだから、それを50万Gで借りれてるんだから結構お得よ」
「そうなると借り続けた方が得な気がするけどな」
「改装とかが出来ないからそこは不便」
実際は禁止ではないのだが日本の賃貸条件と同じような原状復帰が条件に入っているので改装すると高額になるだけではあった。
「おいそれ、今の本拠点大丈夫か」
「それは、大丈夫どうせ買うんでしょう」
「そうだが」
「なら、問題ないじゃない」
「そうか」
「これですべて買うとなると2億2300万から2億2400万Gね」
「優先度が高い物から買うから1億2300万から1億2400万Gだな」
「そうね。それでも約1億3000万ね」
「安くない金額だなー」
「そうね、現金化したら1300万だもの」
「そう考えると太っ腹なゲームではあるな」
「会社規模も大きいし、ICFの運営会社でもあるんだからそりゃ大きいでしょ」
「ICFは、フォーミュラレースの大会か」
「内燃機関のを付けた方が良いでしょうけど」
「それもそうか」
「それに他のゲームに課金ができたりグッズの購入とかにも使えるから現金化する人の方が少ないんじゃない」
「確かに」
実際咲夜ほどではないが結構な金額を保有しているプレイヤーはいるのだがどのプレイヤーも今後のことを考えて保持し続ける考えだった。因みにプレイヤーでの保有資金がもっとも多いのは咲夜ではある。
「それで飛行機の折り畳み機構は付けるの?」
「着けはする、無い方が不便だし台風とか着た時対応ができるからな」
「そう、なら設計頑張って」
「わかってるよ。そっちはどうなんだ」
「計器のこと?」
「それしかないだろ」
「なんとも言えない感じ」
「何が、障害になってるんだ」
「画面」
「画面か、液晶で表示するのか」
咲夜が作っている機体は第二次世界大戦で登場した機体なのでアナログ機体であるため液晶なんて付いていない機体だった。そんな機体に液晶を付けようとしてるんだから驚きでアップグレードしようとしている機体から考えると大幅な軽量化になる可能性があった。
「それで、こっちのコックピットはどうなりそう」
「まだ、手を付けてない」
「こっちで手を付けた方が良い?」
「うーん、どうだろ完全にゲームなしにはできそうにはないよね」
「できないことも無いけど、どうなるかはわからん」
「了解。そうなるとゲームのシステムは載せないとね」
「そうなるな、そして今回は、組み立てが必要になる」
「だる」
「そうなんだよなー、工具もいるし」
「接続が大変そう」
「それをやるのは俺なんだが」
「そうね。追加でこれも」
知佳は、追加でコックピット周辺の設計図も渡してきた。当然その中には操縦に必要となる機器の設計図までも含まれていた。
「おーいー、五月雨式に渡してくんなよ」
「別に良いじゃない、パソコンみたいに必要な部分を引き出して来れるんだから」
「できないことも無いがパソコン扱いだけはやめろ」
「はーい」
反省していないような返答をした知佳だった。




