51話 それってほぼ答え出てるじゃない
あの後、機体の設計に入ろうか悩んだ咲夜だったのだが現実世界での時間が良い時間と言うよりも朝と言ってもおかしくない時間になっていた上に主翼の設計の変更が入っているので切り上げることにした。
既に知佳はログアウトしており咲夜は、部屋の設計図をまとめていたのだが主翼だけでも100枚を超えていた。正直に言えばもっと少なく出来たのだが詳しく書いていた方が今後のことを考えても良いと思ったからで今後胴体部に入ると更に設計図の量が増えて行くと予測はしていた。ある程度まとめた咲夜は、ほぼ寝ていない状態で学校に行くことになった。
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恒例とかした知佳との通学で学校に到着した咲夜は、寝ていなかったので着くと同時に机に顔を伏せて仮眠を取ろうとしたのだが思わぬ所から妨害が入った。普段であればだれも話しかけてこないので担任が来るま寝ることができるのだが今日は机が叩かれたこと顔を上げると目の前に女子が3人並んでいた。この三人組は、クラスメイトであることは間違いないのだが名前が一向に思い出せなかった。
「何か」
「いや、松本君は横川さんと付き合ってるの?」
「横川・・・・・知佳のことか」
普段から知佳のことは知佳としか読んでおらず初めの方は横川と呼んで読んでいたのだが今後何かあって苗字が変わるかもしれないと言われ知佳に強制されたので苗字を言われてもすぐには知佳のことを指しているとは気が付かなかった。
話しかけてきたその女子は身長は低い部類に入るのだが知佳よりは身長は高く規格的顔もまとまっている部類には入るのだろうがひかりが言うには女はどれだけでも化粧で化けることができると言うのであまり信用はしていなかった。
「それで、付き合ってるの?」
「えっと、何さんだっけ」
「木村、1年の頃からクラス一緒なんだけど」
「そうか、すまん名前を覚えるのは苦手なんだ」
これは、当然嘘ではあるのだがめんどくさいことをしたくない咲夜は、そうやって他人との付き合いを少なくしていた。当然このことをわかっている知佳は、学校で話すことはあまり無いのだが必要時には話す関係ではあった。
「そう、覚えてくれる方がうれしいのだけど」
「君は」
そう話しかけて来た2人目の女子は身長は高く咲夜より若干低いぐらいでクラスの男子の方が低い人物もいるぐらいは高身長ではあった。
「中村陽菜よ」
「そうか、中村さんそれで3人何を聞きたいの」
「横川さんと交際してるのかと言うことよ」
「そんなことか、してないが」
咲夜がきっぱりと否定したので3人組は驚いたような反応をしたのだがすぐにスマホをいじり始めたのだが見せたいものは直ぐに見つかったようでその見せたかった物を見せて来た。そこには、咲夜と知佳が寄り添ってマンションに入って行く写真だった。確かにこれだけを見れば付き合っているカップルに見えないことも無かった。
「それで、どんな回答が欲しいの」
「どんな回答ってどうか知りたかっただけ」
「そうか、なら答えは一つで付き合ってはいない」
「でも、毎日一緒に学校に登校してきてるじゃない」
「なら、君たちも一緒に登校してきていることがあるじゃないか」
「私たちは、女の子同士よ」
「今の時代、同性同士でのそうことは珍しくはないのだが」
余りにも声が大きくなったのか他のクラスメイト達がこっちらを見て来ていた。徒然何事があったのかと言う感じであったのだが当然咲夜の近くにも他の生徒がいるので話していた内容は徐々に広がって行き女子は興味深々と言った感じで男子はどうなんだといった感じであった。こんなに男子までが興味があるのは知佳が関わっていることの要因の一つではあった。知佳は見た目から庇護欲がそそられるといった容姿をしているので男子からも人気があったためだった。その為クラスの注目は咲夜たちになっていたのだが丁度良く担任が入ってきたことで一旦お開きとなった。
ーーー
授業中は県内でも有数な進学校なだけあって皆授業に集中しているのだが授業を受けなくても問題ない咲夜は、登校するときに暗記でのしようと各自が授業用で購入しているタブレットに機体と主翼の改良された設計図を入れて来ていたのでそれを暗記していた。因みに授業中に咲夜に当てる教員はいなかったこれは咲夜が自身以上に暗記しており痛い目を合わせようとした教員が逆に恥をかいたことを教員間では伝わっていたためだった。そんな授業中に咲夜は、順調に暗記を進めて行き暗記しなければ内容の3分の2ほどを暗記し終えたタイミングで昼休憩になった。咲夜は昼食は普段は取らないのだが授業中に知佳が一緒に食べようと連絡をよこして来たので一緒に食べることになった。と言っても今朝と同じようにめんどくさいことに巻き込まれたくない咲夜がこんなに簡単に了承したのは知佳が入っている部活に呼ばれたことも関係していた。
「よ、来たぞ」
「そう」
「相変わらずこの部室は暗いな」
「こっちの方が落ち着くでしょ」
「それは、そうだが、それにしても良く部室なんて持ててるな」
「そこは、お金よ」
「さいですか」
知佳は、私立であることをいいことに多額の寄付をすることで一人しか所属していない部活が部活として成り立っている。また、知佳がパソコンに詳しことを知っている情報の教員が後押ししているのも大きいかった。
「それで、どうしたんだ」
「今朝、めんどくさそうだった」
「あれか、もう知ってるのか」
「休憩時間とかに軽く聞こえて来たから」
「そうか、ならどんな内容か知ってるんだろ」
「知ってはいるけど馬鹿らしい」
「何か質問とかされなかったのか」
「された」
「なんて答えたんだ」
「無視」
知佳の端的の回答に何か腑に落ちた。休憩時間や放課後の短時間はこの部室兼自室にいるのだが最近は直ぐに帰宅していたので使ってはいなかったのにも関わらず使っているのは質問から逃げるためでもあったのだろう。
「それで、なんか用事があったんだろ」
「そう、どうだった」
「どうだったとは」
「設計図、見てたんでしょう」
「何で知ってるんだ」
「授業中暇なんだからどうせ暗記の時間にしてると思って」
「そう言うことか、暗記に関してはすでに折り返しに入ってる」
「そう」
「折り畳み機構に関してはなんとも言えんな、作ってみないと」
「わかった、私の方でも会社の設立について調べて来た」
「どうだった」
「そんなに難しそうではないけど購入した建物か、NPCから店舗を借りるしかない」
「了解、そうなるとどこを拠点にするんだ」
「それは、そっちで決めて、別に格納庫でも良いし今の拠点でも元の拠点でも良いし。でも私のおすすめは、今借りている場所以外特に本拠点はヤダ」
知佳の回答はいつの感じだった。そして、咲夜の中には候補となる場所が3か所あった。そして、いずれの場所も現状では、まったく使用していない場所だったので咲夜としても丁度良かった。
「いくつか検討して候補の場所はありはする」
「どこ」
「候補の中で一番低いのは、10000番台のどこかの物件」
「それ、広くない」
「だから低いんだ」
「そう言うことね、でもあるていどの目星はつけてるんでしょ」
「全く」
「なら、論外じゃないの」
ここを拠点にしようと考えたのは、大型の作製機がある可能性が高い番地だということと高速を走行している際に倉庫街をいくつか見かけていたのも理由ではあった。それでも明確にこの場所とは決まってないので候補としては低かった。
「2つ目は、格納庫の拠点近くだな」
「理由は、言うまでもなくね」
「そう、格納庫から近いのと安いから」
「どれくらい安いの」
「初めの拠点が購入したら3400万Gぐらいなのに対して同規模の建物が2500万G」
「圧倒的にコスパは良いのね」
「だが、店舗としたときに客は来ないな」
「そうね。でも何を売るかは重要じゃない。警察の車両とかになると何所でもいいがする」
「それはそう」
実際コストだけを考えると格納庫の付近はちょうどよかった。店舗を構えてもそこで直接やり取りしないと考えれば、北の格納庫でも問題はないのだがNPC向けに販売を考えると北は向かなかった。
「最後が、俺の元拠点」
「それって、川向こうの?」
「そう」
「それってほぼ答え出てるじゃない」




